外伝09♪~θ(^7^ )第八日日_稲の香に頭抱えし飲茶かな:前半戦@第7次香港

[前日日計]
支出1500/収入1545
負債 41/
利益 4/
[前日累計]
利益 4/
§
5月6日(金)
0815稲香(佐敦)
(早[日/辰]添暖意)時菜牛肉球
香煎蝦米腸
湘川韮菜餃250
1030添好運 自製中式点心専門店(北角和富道)
鮮蝦菜苗餃 23元
鳳爪排骨飯 25元 250
1145三徳素食館
老婆餅
原来[サ/原][サ/西] 餅200(700)
1220倫敦大酒楼
ソーメイ
小龍包
排骨と芋の煮物250
1300Chez Choux 西樹泡笑
シュークリーム170
1920倫敦粥麺店
魚民(?)艇仔粥35HK$ 200
1950Main first Cafe
エスプレッソ ダブル22HK$
[前日日計]
支出1500/収入1320
     /利益 4
     /負債 176
[前日累計]
     /負債 176
§

 飲茶の多文化性。
 おおっ!大層なテーマから入ってしまって書いた途端に後悔したけども,ここんとこに気付けたのは今回の収穫になるかもしれない。
 大衆店,あるいは人気店になるほど(●州酒店みたいに単に味が眼光化する場合を除き)味は個性化してくる。店の味を土地の舌が受け入れるかどうか,それは最初はもう相性の問題でしかないけれど,店のバリエーションが届く範囲なら店の方が妥協していく。その相互作用の渦中に作られていくのが街食堂の味だし,それは日々利用される飲茶店の場合特に顕著だからです。
 で,それは時には作り手も想像してないようなところにまでローカルな食文化を変化させる。
 今朝のお店は,倫敦大酒楼と並んで味付けが個性的な店を厳選した。まずは各カテゴリーのボーリング的に頂いてみましょう。ということで,本日も拡大2部構成にてダイナミックにお届けいたします。

 8時15分,「稲香」入店。──というと決然としてるけど,宿のビルを出て5分歩いて入店,と実態を書けば割と安易な訪問でした。
 稲香はチェーン店ですが,少なしこの日訪れた佐敦店内は…そう,倫敦のやや空いたような雰囲気かねえ。テーブル数は50ほどはあろうか?ちょうどよく落ち着ける感じはあるかねえ。
 オーダー方式。
 あと,店名に付してある「超級漁港」,この意味は最後まで分かんなかった。

▲稲香(佐敦)の湘川韮菜餃

 湘川韮菜餃。
「湘川」がどこだったかわすれた。ただこの品は…東北餃子?
 皮の歯応えだけみればホントに東北餃子。宇都宮餃子と同じ系列です。
 味が違うというより単に北方系中華ってだけなんじゃないか?
 いや…違う。諸々違うぞ。
 まず皮は,東北並みに厚いけど,同時にモッチリしてる。さらに肉もタレもさっぱりしててニンニクはわずかに香る…程度におそらく抑えてある。
 つまりこれは「広東東北」とでも言うべき品。さてこの色彩が一般化した稲香の味なのかどうか──お,次が来たぞ。おおっ!

▲稲香(佐敦)の(早[日/辰]添暖意)時菜牛肉球

 (早[日/辰]添暖意)時菜牛肉球。
 うん。これは広東です。上質な魚肉ボール。中に大根らしきサイコロ状のも入ってる。
 ただ?肉汁がややしつこい。これは…意図的か?
 どうやらここの味は,おそらく遊び心が強い。強すぎるほどにハズしてくる。広東料理としては失敗の部類に入るかも?ってくらいに肩をすかしてくるこの味に,ホントに香港の地元客はついてこれるかんだろうか?という,ちょっとギャンブルじみたな小点です。

▲稲香(佐敦)の香煎蝦米腸

 味のヘンテコさに二品の原則を崩してしまいました。
 香煎蝦米腸。
 崩した甲斐あって,これが,いずれもトンでる3品の中でも最も遊んでました。
 腸なんですが──片面を軽く炙ってある。正月にストーブで焼いた餅みたいな食感です。
 でここに添えてあるソースが,一つは普通の醤ですが,もう一つの皿に2種のタレ。ゴマと…これはコチュジャンか???腸粉にコチュジャンを合わせるのか?
 確かに旨い!でもこりゃあ…広東料理に数えていいのか?──という向きには醤で食べればいいようにはなってるし。
 奔放に遊びながら,だからといって独善的にはならずに常連への最低限の配慮は忘れてない。普通はそこで遊ぶのを止めて味を固定させるんだろけど,それでも遊んじゃう。この辺が…不思議なバランス感の店だと思います。でも支店はいっぱいあるわけだし。
 味にはとことんうるさいはずの香港人に,どーゆー受け入れ方をしてこの店がウケてるんだろ?

▲添好運 自製中式点心専門店(北角和富道)の鮮蝦菜苗餃

 まだ早茶の時間帯です。一気に香港島に渡って東行,北角まで動く。
 北角和富道というまだ歩いたことのなかったエリアでやや迷ったけれど10時半,目的の添好運 自製中式点心専門店に行き着けました。
鮮蝦菜苗餃 23元
鳳爪排骨飯 25元 250
 既に5店に増えてるらしい。お茶も共用(備え付け,つまり日本風のセルフ)の完全なチェーン店ですが…期待できるのか?
 店はややカジュアルな仕切りです。丸テーブルじゃなくて社員食堂風に長方形テーブルを挟む席配置。共産主義的とも言います。何か違う雰囲気に飲まれて,普通の食堂みたいに配膳を待ってましたが…あ,こういうとこでも皆さんきっちり洗茶するのね。礼儀知らずでスミマセン。
 しかし…共用だから当たり前なんだけど,お茶はまずい。というか,茶葉自体はいいみたいだけど特段の配慮がない。
 他もまあ普通。ヒネリもないし感動もない。唯一,米はきちんと立ってて美味かったかのう?
 厨房の品出しカウンターの正面だったので覗きこんでみる。やたら勝負顔の皆さんが立ち働いてます。必要以上にストイックなオーラが醸されてるように感じた。
 ──何か,焦点を見失ってる感がある店ですのう。
 飲茶店はお茶をメインに据えなくなった時点で,根っこのところで終わってると思う。給仕のおばさんたちはとても丁寧な仕事ぶりだったので恐縮なのですが…このチェーン,両三年を経ずしてガラガラになってくでしょう。ここの客の舌はそれほど甘くないし,チェーン化・脱飲茶化による水準の劣化はもっと加速するだろうから。
 香港で飲食を成功させるのって,きっと本当に難しい。おそらく,その難しさをくぐって老舗として君臨し続けるのはなお難しい。そう思いました。

▲添好運 自製中式点心専門店(北角和富道)の鳳爪排骨飯

 通りで掲示を見た。「法定最低工資32.5HK$/時間」(5.1から)
 計算すると。これ…日本とほとんど変わらないんじゃないか? 共産圏に入ったゆえに,平均と最低の格差が小さいんだろうか?いずれにしても,全然実効性のない水準に思えるけど?

 さて,一軒ヒットして一軒ハズした。こうなると個性的と聴くもう一つの飲茶店を,どうしても伺いたくなりました。香港島と九竜を行ったり来たりで非効率この上ありませんが。
 旺角へ。道順はもう勝手知ったるで慣れ慣れになってますが,今回は個性的とのサングラスをかけての入店です。