▲ウォンジョ チョバンナクチの座に腰を下ろして「ナクチポックム(タコ炒め),ハンゲ」と一声発するや,どかどかっとこの品々が並びます。コンロとフライパン,ナムル4種。
▲おばちゃんが無言で「どわっ」と点火するや,コンロはフライパンを火に包み,かの灰色のナクチをぐつりぐつりと煮込み始めます。
さして時間はかからんのですが,写真奥手でスプーンを操るオバハンの呆けた面ほど,その絶味を雄弁に物語るものはありません。
▲鍋がパコパコ来ましたら,ごはんを前に身構えましょう。
この金盥に浅く盛られ湯気を立てるパブ,日本で出会えそうで出会えないんですよね。
▲激戦終えて時は経ち,ナクチとコチュジャンと春雨と韮と,それらを絡めて吸って掬われた赤いパブは,一粒残らず我が腹の中へ。
▲こうして今回も闘いは終わった。
入る時にはその舐め腐った面構えに怒りを催すタコさんの漫画も,腹から込み上げるコチュジャンと共に出店する段ではまた味わい深く…感じられることはなくて,やっぱこの漫画だけは止めといた方がいいと思うのでした。