油煳干青∈8長沙&烟台:五周目2∋糟酸麻蒜

長沙老城南西角道別写真集

~(m–)m 本編の行程 m(–m)~
GM.~白鶴巷~豆鼓園巷(ともに経路)
※豆鼓園巷より先は経路が完全に取れないので略

妙に危険な甘い旨味

▲1036朝から蒸菜

いてました!
 さすがにまだ客はいない。開店直後らしい。
 昨日見つけてた「浏陽蒸菜」名の店の隣,長沙市示範性小学──というこれまた不気味な名前の学校──の対面。
1036味蒸美蒸菜館500
①中華ハムと大豆の辛ラー油煮
②桜えびの赤青唐辛子大辛炒
「①中華ハムは長沙が有名らしい。塩漬け肉って有名も何もあるもんなのか?」
とこの時に初めてメモしてます。昨夜のウォルマートの売場では重慶と似てたからか,あまり長沙の特異性は念頭になかった。
 ただ確かに旨かった。細かい骨は多いけれど噛めば噛むほど…という旨さです。ベーコンのように噛んだら旨い肉汁,というだけでなく,中から汁を吸いだすように噛む感じです。
 漬かってるドス黒い汁も,豚角煮のものとは違って,ハムがこうしたのかどうか分からないけど,漢方か肉味か分からない,妙に危険な甘い旨味を宿してる。

老が長沙で食べれるとは思わなかった。
 カラリと揚げてあるらしくて,クリスピーな先味から始まって,じゃこらー感涙のジャリジャリ感と渋い旨味で後味は占められる。中華スパイスの何がどう絡んでるのか分からないけれど,えびの本来味を保ったまま微妙な旨味を醸してくる。
──とここまでなら「美味しかったですう」で終われるんですけど。
 いずれも噛みしめてしまう地味でした。だからこそ辛味が効いてしまう,そういう悪魔のような企みの品を,この時は揃いで頼んでしまってたのでした。

決壊したような辛味の噴出

▲①中華ハムと大豆の辛ラー油煮 どアップ

い複雑な甘味の後ろにラー油の辛みが…ある程度噛みしめた時点で初めてふらりと立ち上がる。
 立ち上がり方はおぼつかないのに,立ち上がってしまうと霧のように,後味に辛味をどこまでも流し込んでくる。
 どちらかといえば甘ったるい黒汁との段差もあって,落ちていくような分厚い辛味です。日本人感覚だとこれだけでも参った!でしょう。けれど──

えびのジャコ味の隙間から,漏水するが如くに,赤青の細かくみじん切りされた唐辛子の錐のような辛さが染みだす。これが,やはりある程度に噛みしめ続けた頃に決壊したように噴出してくる。
 ぐええっ!
──と声が出るような辛さです。小米は使ってない,シンプルと言えばシンプルな唐辛子の辛さなんですけど──干焼蝦仁といい,海老の甘やかな味覚って辣味を増幅するような作用があるんでしょうか。
 でも,通常四川料理に大別される干焼蝦仁と比較するならば,技巧的な細やかさではこれも明らかに長沙が秀でていると感じられます。

100%感覚な人生?暴徒な人生?

▲1103粮道街

の衣铺街から歩行街へ向かう際,繁華街らしからぬもう一本の不思議な雰囲気の道を通っています。
 粮道街でしょう。
 長沙のこの道の謂れは不明。でも武昌の同名の道が,清代の役所「粮道署」が置かれたことに由来するとあり,長沙のもまず同じでしょう。
 川からの食糧の水揚げを管理していたのでしょうから,つまりこの辺りが当時からの居住区だったことを窺わせます。
※百度百科/粮道街「很容易生发出这样的怀想。粮道街之得名,源于清代曾在此设的粮道署。」

▲「100%感覚」そういう生き方危険だろ?

▲「印度暴徒」どこかで訳が間違ってる。

うしても行きたくなった。人民西路をまたいで南行。昨日から何度も通ってきたデパートまで戻る。
 大米先生。
 この時間でも,30分を過ぎた辺りには客がわやわやと入ってきてすぐ満席になってました。ホントに人気店,特に若い世代にウケてるみたい。
※「大米」はライスの意味。当時の見立てと違って,このチェーンは中国全土に広がってる。けど,各加盟店の独立度がやや大きくはあるらしい。:大米先生快餐「大米先生加盟餐饮管理有限公司 大米先生加盟始创于1990年,在北京,上海,广州,深圳,武汉,郑州,佛山,长沙,青岛,南京,济南,杭州等40余城市开设门店800多家!」

赤×青×小米の三角射撃

▲あの店の昼御飯

122大米先生(登仁橋巷店)500
①③
②④米
 ★の数で先に辛さを示しておきましょう。
①★★白身魚のラー油漬け赤青唐辛子和え
②★例の酸っぱ辛い豆の炒りもの
③海苔と卵の平和なスープ
④★★★★中華ハムと瓜みじん切りの赤青小唐辛子地獄炒め

▲①★★白身魚のラー油漬け赤青唐辛子和え どアップ

身魚のラー油漬け赤青唐辛子和え
 中華の魚にはここんとこハマッてます──けど,これは凄かった。
 白身魚の淡白な旨味が十分生きてて,特に皮と皮下のコリコリトロトロ感は尋常でない。それに白身そのものも十分にふわりと旨味を湛えてる。浸け汁はやはり醤油系だけど,日本のしつこさはほとんどない。
 そこに加えてこの赤青唐辛子の微塵。そもそもラー油が十分に効いてる。「漬け」と書いたのは推測ですけど,まさに日本の醤油漬けの代わりに唐辛子に漬けたんじゃないか,と思われる身との馴染み方です。
 さらにその上,赤青の鋭い唐辛子味である。これでもか,と別種の唐辛子調味を重ね塗りしてる。

②例の酸っぱ辛い豆の炒りもの
 あの豆です。でもこれは,それほど辛くはなかった。小米の香はあるんだけれど,量を操ればこういう使い方も出きるんだろうか。それとも漬け方で,そもそもコントロールできるものなんだろか。
 いずれにせよこの使い方だと,軽快で鋭角的な辛味と,小米の他で出せない独特の酸味が見事にジョイントして現れる。
 これをインゲン豆の個性的な豆味が受け止める。疾走感といっていい味覚です。
③海苔と卵の平和なスープ
 旨い。というより安心感の方が強い。中華得意の卵スープ,そして崩れきった海苔。これはスープははっきりと出汁が使ってある。

▲④★★★★中華ハムと瓜みじん切りの赤青小唐辛子地獄炒め どアップ

華ハムと瓜みじん切りの赤青小唐辛子地獄炒め
 ──凄まじい!
 赤×青×小米です。
 辛味というのも,この3種類で重なると言葉も出ないようなことになる。草も生えないような劇辛です。
 いや,日本で単に唐辛子の量が多いという意味で言う激辛とは訳が違う。一種の辛さだけなら,何というか舌が身構えて防御を取れる。けれどこう…いわば三角射撃の辛さになると全く隠れる場所がない。辛味に射ぬかれるしかないんである。
 中華ハムの深い肉味と,ピーマンかしし唐に似た瓜の苦味がまた曲者。味覚の層が深いから,ついつい味わってしまう。ハムはついつい噛みしめてしまう。そこへ連れ込まれて三角射撃である。
「辣的肉!!」──とトレイを指差した時に店員さんがニッコリ笑って軽く忠された。確かに忠告されるほどのモノでした。けどそんな程度のもんか,コレ?
 食べ終えて,しばらく呆然とした程。辛味の造りとしては最悪にして最高だったのでした。

校門からまっすぐ4百m

▲1204学院街

て!最後にもう一度南西角です。
 1202,五周目にかかる。学院街から上黎家坡巷へ進み東行──って,しまった!昼じゃないか!また学生がどやどや!

▲1205学院街から上黎家坡巷へ

▲1208上黎家坡巷2

われるように西行。1211,まっすぐ進むと白鶴巷という道へ。初めての道です。さらに西行。

▲1210白鶴巷

▲1212白鶴巷2

うでしょう?
 ここまで,長郡中学校門から4百mまっすぐ西行しただけです。それでこの変化!この西南角の千変ぶりを象徴する道行きでした。
 白鶴巷は地図上では行き止まりになってます。でもやはり難なく抜けられました。
 1214,豆鼓園巷にT字にぶつかってようやく道は途切れます。右折北行。
 昨日の,地図にない複雑な曲がりへ再び近づいてきました。

▲1213豆鼓園巷

▲1213豆鼓園巷2