集落裏を遮二無二迷走
最初の辺りは単に道に迷ってます。訪問される方は，本章後半部の森口公園の高台をまず目指されるべきでしょう。
でもこの時は──この行程だと土地の迷路度合いはよく味わえます。0842，小禄北交差点を左折して東に入った後……小禄小学校前の左折道というとこれしかないよな？ダイハツ上手の道を上がる。
あれ？前回の道じゃないな？右手に大きな亀甲墓？
違うな。引き返すけど……他にどの道があるの？──あ！家並みと亀甲墓の間から小学校裏に出れるのか？
▲0846路地へ分け入る。
「東入新地/上原太郎」という碑がある。
よし！ここの脇の階段を登ってみる。亀甲墓２基を反時計に回る。上に構造物は見えるけどやはり道がない。
太郎と亀甲墓の間のブロック階段か？あ！道に出れた！これを右のはずだけど？
▲0851山道を進む
道は絶えかけてるけど，墓に出た。
奥に畑？
そちらにしか道はない。畑沿いに進むと道らしくなってきた。前回，歯が立たなかった森口公園のXがとうとう
その気配を漂わせてきてます。
〔日本名〕沖縄県那覇市小禄81付近森口公園内
〔沖縄名〕おろくのうたき，小禄ノ嶽，くしぬうたき，かにまん(金満)うたき，小禄の殿(おろくのどぅん)
神名：みきよちやまべ御いべ，後のうたき・かにまぬたき
〔米軍名〕-
※ 那覇市観光資源データベース/小禄ノ嶽（クシヌウタキ・カニマンウタキ）・小禄の殿
※ 沖縄放浪日記/那覇市小禄の『森口公園』北側の丘に位置する森に囲まれた御嶽
※ レキオ島唄アッチャー/那覇・小禄の拝所を巡る、その２
たきぐさいがーに水は無し
▲0900藪の道が続く。
まず火の神の祠が現れました。
コンクリートだけど階段がしつらえてある。この火の神だけのために造られてるらしい。
通常，火の神はもっと高所にあるはずです。何が違うんだろう？
▲0905火の神の祠
次に嶽(タキ)グサイガーという２本の樹の間の小さな祠。
名前からは「ガー」，つまり井戸としか思えないけれど，水が出る感じはまるでない。相当前に井戸から拝所に転化してる感じです。さっき通った後原ヒージャー小もだけど，ここはかつての水量がそれほど枯れてるんだろうか？
あみまほーりーかー，かにまんみてん
▲0907嶽(タキ)グサイガー
確かこの辺りで三叉路を折れて，高みに向かったと思う。
丘の上に「アミタホーリーカー」。これも井戸名っぽいけれど水の気配はない。
……いや？まだ上に続くのか？
今にも途切れそうな山道をさらに進むと──
▲0913金満ミテン
「巨大です。
いや他からするとそうでもないんだけど，ここまでのに比べると格段に大きい。
「金満ミテン」(カニマンミテン)と書かれてます。
登り口に３つ祭壇。
大樹の下，名はない
▲0920ウナジキバ……だろうか？
左にも一基，右に３基，うち一基にウナジキバと文字がある。うなじに……牙？全く分からない。
土くれの匂いがある。
これまで見た御嶽の中でも，いわばアフリカ的な，真っ黒な意味不明な手触りの御嶽です。
▲0919大樹の根元の構造物
祠群の後ろに回り込むと，奥の大樹の下に埋め込まれたような大きな構造物。
名はない。
全く分からんけど……おそらくこの岩場の影が最も崇拝された場所でしょう。
けれどこの色彩の違いは，何なんだ？
▲0916ウトゥーシ所」(トゥクル)
火の神経由金満祠行き参道
０914，階段登る。
「ウトゥーシ所」(トゥクル)。
最高所です。拝み(御願)の場所ということは分かるけれど……島唄アッチャーさんが書いてるけれど「小禄ノ御嶽のこの拝所の向きは，首里城や久高島の方角ではないようだ。どこに向かって御願するのだろうか？」
それにこの後方の六角形の岩は？自然石とは思えないけれど，こういう整形を加える目的も分からない。
分からない！
上から辿るとここへの階段は，何と火の神の横から続いてました。この階段は金満祠への参道で，火の神はその途中の……何なんだ？
迷路というほどでもないのに，意図が全く読めないから迷路を造ってしまってる。
頭おかしくなりそうです。満点のX感です。
0924，東側の整備された公園地区へ。「グサイガー(西)」……さっきの道端のが「東」だったんだろうけど……うーん，その名前はやはりちょっと。
▲0925グサイガー
高台の広場のような場所に「殿」(トゥヌ)とある社。神体なし。
ただこの園地は周囲に12もの「…門中」と書いた祠が囲むように並ぶ。円を成しているのではなく，なぜか西側には一つもなくて半円状に囲む。
現世に戻るルートビア
この下に園地出口らしき道があった。ここから降りてみる。
ふいに車道に出た。T字正面に田原自治会掲示板。上手に曲がり角，美容室CoCo。小学校上手，校門正門への道を十字を越えてまっすぐ行けばよかったらしい。
▲ルートビア
この後，小禄駅近くのA&Wに入ってルートビアをキメた。
というか，人心地をつけないと現世に戻れないような場所でした。
ものすごく沢山気付きはあるのに，それが全く焦点を結ばない。ここは心底怖い御嶽です。