/※5432’※/Range(揚州).Activate Category:上海謀略編 Phaze:五谷巷を逃げる

北柳巷ブロックを突破せよ

▲0902煉瓦の門の路地

楽団を避けた訳ではないけれど，ここで右折東行してます。
　地図上ではここから国慶路へは抜ける道はない。でもブロックの中央近くまで折れ込んでる小路は書かれてる。少しの細道さえあればそこへ──。
　三叉路で煉瓦の門のある右手へ。左手には木枠のある日本家屋めいた二階建ての家屋。

▲0904細道は続く。

よし！くねくねと折れる道。東南角の感覚ならこういう道はどこかへは抜けてるはずです。
　しかもこの家屋のカーブ。これは道を意識した造りです。ただの家の間の隙間ではない。

▲0905角を曲がると道は絶えた。

あれ？
　折れた途端に行き止まりになりました。
　どうもこの唐突感と，正面の赤廉価の家屋の配置は──この家屋が後から，道を塞ぐ位置に建ったように見えます。

▲0910もう一本の道「龍背」。雨に滑った路面が美しい。

霧雨の彩衣街を抜けて

引き返してくと，西に「龍背」という道。方向が違うけれど思わず入る。
　けどこれも？──何と全部行き止まりでした。いかにも抜けられそうな道ばかりなんだけど……。

▲0911北柳巷の別の路地入口

やむを得ない。北柳巷まで引き返す。この巷を南に抜けるルートもあるけれど，次の目的地へは彩衣路の東端のはず。
　0913，彩衣路まで戻り，再度東行する。

▲0914彩衣街の，これまた入りたくなる路地

彩衣路の左右にも幾つも路地は見つかりました。
　ただ，実際歩く側にとっては行き止まりはそれなりに衝撃が大きくて，少し億劫になってました。そのまましらみ潰しに小路を入っていけばあるいは──と思うのは後だから言えること。

ショベルカーは路地を走るな

▲鍋貼とラーメン

彩衣街の東出口は完全に観光街になってました。
　ここで朝飯にありつく。もう一つの目的地，それは昨夕に感激したあの店の別店舗──
0921蒋家橋餃面館
鮮肉鍋貼
虾籽餃面500
　ただ人心地がやっと戻った，という状況だからか，ここの味覚は一言も残してません。店内の雰囲気は，広陵路店に比べてややポップで観光地めいてました。

迷ったけど南行。霧雨止まず。
　0959，東圈門という道へ左折東行してみる。門には1520年に「宾阻門」として作られたものの俗称とある。
　1004，北へ伸びる五谷巷。プレートには五福巷と表示。古称「万家巷」。五谷巷は1965年の改称によるものとある。これへ右折北行。

▲1008五谷巷へ入る。

場末感のある道です。
　後ろから，なぜかショベルカーがつっこんて来る。道が細い。前に逃げるしかないけど脇道はない。くねくねとうねる道をただただ追っかけられた。

文革に狙い撃たれた古地名エリア

▲1008文字の霞む家屋の門

五谷巷についてもネットに特段のヒットはない。
　ただ，次のような一節がかろうじて見つかった。揚州の古地名回復の運動の中の記述です。

這條巷子從古代開始名為“五福巷”，因為靠近個園，個園的房子共有五進，門牌上分別標有“福、祿、壽、喜、財”，這五個字都是好的寓意，因此該巷得名為五福巷。然而，在1965年文革時期，被認為與封建迷信有關，改名為“五谷巷”。

※(前掲)人民網/揚州”羊”地名有13個 “猴”地名為何一個也沒有?

▲1009雨にぬめる道，震えるよう微かに曲がる道

つまり，①「福・祿・壽・喜・財」の字を冠した豪邸が並んでた。
②これを吉兆と感じた人々がこの道を「五福」と呼ぶようになった。
③文革で「封建迷信」を含む名称と見なされ「五谷」に改名させられた。
「五福」が特に攻撃されるほど思想性を有したとは思えない。感情的には，ここが資産階級のエリアだったからということでしょうか。

門の中にはパープルの物体

▲1010路面は整備されてて現代的ですけど家屋の壁だけが個性的なまま

１013，向井巷に名が変わる。
　東が斗鳩揚巷，西が沙锅井巷。1966に向井巷と改称とある。これなど全く訳の分からない名称変更ですけど，年代はやはり文革期です。
　何となく西の細道へ左折。

▲1013門の中に謎のパープル塊──に見えるのはおそらくバイクのカバーでしょう。

例によって全く方向を失った1023，ふいに揚州東関街に出た。
　彩衣街のラインまで帰ってきてしまったことになる。
　東行。