/※5451’※/Range(淮安).Activate Category:上海謀略編 Phaze:老西門バザール

新城の河下，老城の西門街

▲老西門大街の位置：百度地図

旅行者にとっては意地の悪いことに，淮安老街のかつての東西大街は，今の鎮淮楼路の約百m南を隠れるように，しかも何度もＺ字に震えるように折れながら走っています。
　上記写真の指差しの位置です。
　右側の指差しの位置が，西長街とこの旧・西門大街の交点。現在，この西側は老西門街と呼ばれるようです。
　清乾隆代の著「山陽県誌」には，だから単に「西門街」として記されてます。

▲乾隆「山陽縣誌」の記載「西門街自西門抵西長街中」
※ 雪花新聞/淮安街巷 老西門大街

上記「雪花新聞」サイト(台湾)には，乾隆帝がこの西門大街から船で淮安府を離れたとある。
　つまり，河下が新城の運河側の港町だったのに対し，この老西門街は新城の運河接続地点への沿線町。民国代の西門大街の客棧(旅館)への宿泊記録は複数ある。寺院は３つ，關帝廟，眼王廟(眼王娘娘を祀る民間信仰)，福音堂(キリスト教)と多彩です。
　かつて老城の四つの城門門前町があったけれど，清末の状態のまま残ってるのはこの西門大街のみだともある。

角を曲がればいきなり──

さて勿体をつけすぎました。以下９枚，老西門街です。

▲0832いきなり市場が伸びる！

▲0833杖つく老婆

▲0835お支払い中

老城に甍も高く天登る

▲0838細い道にところ狭しと軒が連なる。

▲0839肉屋を覗く。ちょっと道が広がった辺り

▲0841奥へ進むと路面売りも多数

▲0843甍も高く天に登る。路面も自然です。

▲0844野菜売りがずらりと道端を埋める。

５百メートルを15分

▲0845自転車でご注文

▲0847西端突き当たりの階段と家門

一時間前には淮安を去ろうとしてた旅行者が，0847，老西門大街の西奥に立ってます。
　５百mもない路地です。それを15分かけて歩いてます。

▲0852，老西門大街の南を並走する水路に出る。

道なりに右折して出ると人民橋の東口。
　やはりこの老街エリアは南北には薄い。ここの路地へ入ってみよう，と市場内から南への抜け道を探す。
　あった。0851，兵馬司巷。でもやはり短い。
　南東に青い塔。すぐに満々と水をたたえた水路を越える。
　淮安に老街はあった。

▲0853これはいい河だぞ！

■記録：新冠肺炎「疫情防控的路障」破壊事件

　前掲・雪花新聞を除き，老西門に関する記述は見つかりませんでした。ただこれをググる中で，こんなのを見つけました。検索時点は2020年５月，日本国内のコロナの緊急事態宣言が延長された時点。記述は同年２月です。

疫情當前，宅在家裡的人多了，社會面防控措施嚴了，一些吸毒成癮的癮君子們如何度過這一特殊時期，他們會不會居家聚眾吸毒，會不會趁疫情實施涉毒違法犯罪活動，吸販毒活動又會有什麼新變化。

「疫情當前」コロナ蔓延下で，家の中に籠る人が多い中，特殊な時期ゆえに家内での「吸毒」薬物使用とこれによる「癮」中毒が増えており，犯罪や薬物販売の動向にも新たな変化がある。　

(2020年※引用者追記)2月8日，淮安市淮安區兵馬司巷西側、草橋巷北側設置用於疫情防控的路障遭人破壞。淮安市公安局淮安分局魚市派出所接到報警後，立即開展調查，經調取路面監控，發現家住淮安區淮城鎮老西門大街的朱某有作案嫌疑，遂將其傳喚到派出所調查。期間，細心的辦案民警發現朱某精神恍惚、行為異常，有吸毒嫌疑。經尿檢，結果呈冰毒陽性。在證據面前，朱某交代了其於2月5日下午在家吸食冰毒的違法事實。朱某因涉嫌尋釁滋事、吸毒被公安機關分別作出行政拘留七日、十四日，合併執行行政拘留二十日的處罰。

※ 今天頭條/江蘇禁毒：堅決打擊 硬核守護 切實防止疫情防控期間涉毒違法犯罪活動冒頭 2020-03-04 江蘇警方
※ wiki/メタンフェタミン
「強い中枢興奮作用および精神依存性、薬剤耐性がある。日本では商品名ヒロポンで販売されるが、『限定的な医療・研究用途での使用』に厳しく制限されている。」
「日本語では、シャブ、エス (S)、スピード (speed) などの俗称で呼ばれる。英語ではアイス(ice)、メス(meth)、クリスタル・メス(crystal meth)などの俗称がある。日本語で『早いの』、『冷たいの』となる。異称は、the queen of ice（氷の女王）。
　諸言語における俗称としては、冰毒（中国語）、tinaやtik（フランス語）、shaboo（イタリア語）、が挙げられる。」
　２月８日，淮安市の兵馬司巷の西側，家草橋巷の北側に設置されていた「疫情防控的路障」(コロナ対策のための通交規制物？)が破壞された。淮安市公安局はすぐに調査を開始，老西門大街在住の朱某を容疑者として調べたところ，精神の酩酊，行為の異常が認められた。尿検査によりメタンフェタミンの陽性が判明。これを追求すると５日午後に屋内でシャブを使用した事実が分かったため処罰。
──幾つか推測できることがある。
① コロナのお膝元となった中国での，他国より一層徹底した防疫。「疫情防控的路障」というのは，ほとんど道をふさぐような，地域封鎖壁のようなものだったのではないか？
② 他国を上回る市民の鬱憤。その壁を実際にぶち壊す人が出たということです。その結果，薬物使用の増加まで起こってたらしい。──このサイトには他の町での検挙も列記されてます。
③ このような形で「新冠肺炎疫情防控」(新型コロナ感染症防疫)に伴う秩序維持に公安警察が動いていたらしいこと。──この件は元々「路障」破壊という公物破損が問題だったのだから，薬物は本来は余罪です。
④ 老西門大街付近が薬物販売の「巣窟」である，あるいはそのように当局から見られているらしいこと。
　ちなみに新型コロナの「コロナ」は，このウイルスの狂暴さの源泉と目される周囲に飛び出た放射状の鉤(英語では「スパイク」)の形状から来る「王冠という意味のラテン語。だから「新冠」と意訳してる。ピンインはxin1guan4。なお，維基百科のCOVID-19（英語：Coronavirus disease 2019)の件題として「2019冠状病毒病」を用いています。