GM.(経路)
目録
風車村は閉鎖しました
あと1kmちょい‼ 0748。
0751,丸木浜へのT字別れ。バス停名は丸木浜?で……ここに「玉川大学南さつまキャンパス」?
さらに──「風車村は閉鎖しました。南さつま市」??? ここは廃墟ファンの方が探検しておられました。なかなかです。以下のサイトをどうぞ。
* 廃墟検索地図/南さつま市「風車村」
でも廃墟マニアになりきれないワシは,とにかく一気に下降します。
坂下に久志集落が見えた。0758。
この北の山稜線にも風車が回ってます。
眼下に石垣の多い集落。これか?
0802。間違いない,博多浦です。着いた!
着いたけど入口はどこよ?
いや?まだ全然着いてないぞ?
集落の中央を通っているであろう小川……の,これは上流部か?岩だらけの沢を渡る。
0805。集落へ……どこから降りればいいんだ?道が見つからんぞ?
あった。よし,左折南行‼……いや?これは家の道じゃないか!
海側から周りこむしかないか……とこの初手ではそうしたんですけど,後にこの間に細い抜け道がありました。
眺めの良い漁港
道に戻って少し行くと,バス停博多浦。なら先に時間をチェックしましょう。
枕崎行き鹿児島交通バスは4便──0701,0931,1311,1656(土日運休なし)。あと「つわちゃんバス」が加世田へ2本。
つまり,0931バスに乗るしか選択肢はありません。与えられた時間は80分。
その南から左折西行して集落へ。
一瞬,目を疑う。港口は堤のような格好でコンクリート固めされてる。この辺りだけを見ると,まさに「何もない」集落です。
それは,博多浦のある久志の湾岸全体についても同様で,素通りすればただ「眺めの良い漁港」に見えるでしょう。
海から集落への袋小路
ただ──?
北側,海と逆側の集落の石垣──蔦が絡まりまくってるけれど,これ,とんでもなく古いぞ!
岩は,多少の整形は施してあるようだけれど,素朴な野面積みに近いと見えます。
石垣に投げていた視界が,間もなく細く開けました。
仮目的にしてた道です。海際から南の山側,今日歩いてきた車道の下まで伸びる道。地図上でも,今日ここまで侵入できなかったことからも,まず袋小路です。
0818,小路へ左折南行。
H字中棒地に猫ぽつり
小路の路面はコンクリートで固められてます。でも集落内の両脇は──何とも言えない荒れ方です。元から荒く造ったものを,ツギハギで補修し,また補修して生き継いできた結果……なのかどうか判別できない古び方です。
「サザンケアセンター」とロゴの書かれたバンが,路地へバックで入ってきた。逃げるようにして,一つ目のT字を西へ。
それが,意外に,味のあるT字路の入口でした。
猫?
行く手の道中から,白猫が一体,不思議そうにこちらを見てます。
そう言えば,まだ集落内に人影を見ない。こういうヒト(猫)は,大抵は「門番」です。神域で何気に掃除してる神主さんとかの役目です。
「二才中」の怪獣
「H字」型に,集落の道は伸びてる訳ですけど,なぜだか地図上には手前の路地しか書かれてない。
H字の真ん中棒の三叉路,いつの間にか消えてた猫の背中にあったのが,上記写真の石造構造体で──これは何だ??
井戸,と普通には推測できます。でもそれにしては大掛かりだし,使われてる形跡は薄い。けれど,はっきり綺麗に管理されてる。
正面には「博多青年團」とある新しい文字が彫られてます。
沖縄の「ガー」(崇拝対象としての井戸)に似た雰囲気。上部の「二才中」文字の脇には石像のようなものがあり──
上の写真で,怪獣が吠えてるように写ってるのがそれです。後ろの薮の植物と混ざって写ったからで,霊的なものではない,と信じたい。
さてここから港へは,やはり抜けれるようです。でもまずは,さっきの道を突き当りまで行き切ろう。
戻る。サザンケア──介護のタクシーサービスらしい──が港へ戻ってくのを待って,南へ。
■メモ:謎の「二才中」解決編
本文後半で触れた「二才中」,後で調べれば何かヒットするだろう,という気でいましたけれど──驚くほど何も分かりませんでした。
「よかにせ」という鹿児島弁があります。美青年とか好青年,といった語感らしいけれど,「にせ」は「二歳」のことで,二歳馬が人間で言えば青年に当たることから来てるらしい。青年会の刻印も同時にあったということからも,「二才中」の二才も「ヤング」とか「ナイスガイ」とかの語義かもしれません。
ただそうするとさらに謎は深まり──
好青年と井戸がどう関わるのか?
が全く分からなくなります。
さらに調べていくと……博多浦出身らしい二人の方のプログを見つけました。
1 okinawakaeru/郷里の風景 南さつま市坊津町久志 : おきなわカエル商会BLOG
URL:http://blog.livedoor.jp/okinawakaeru/archives/52090698.html
2 早水廣雄様
2017年(平成29年)9月/久志博多浦地区唐人町
URL:http://homer.pro.tok2.com/sub12-6-40(toujinmachi).htm
うち[1]のカエルさんが,「実家の裏にある井戸」の写真を載せておられました。文章からして「実家」はこの時歩いた辺りです。けれど写真は二才中とは別物で「この水をポンプでくみ上げ,風呂や庭の池に利用してました。」
してみると,
二才中は生活用の井戸ではない
可能性が高い。
確かに,考えてみると二才中の位置はH字の真向かいにあり過ぎる。まるでまず二才中があって,その位置に合わせて路地を配置したような集落です。井戸の機能からは過剰な構造体でもあります。庇などは絶対に要らないはずです。
でも祭祀の場という印象のものは,「二才中」碑の隣の「怪獣」だけだし……