m19Gm第二十六波m妈祖花や明知の言葉は単純m3公有第二零售市場

台中市公有第二零售市場への道

台中文学館を過ぎて1204。民生路を南行。
　1208，台中科技大学。三民路へ左折東行。

台中医院。道端に「台中師範学校」「台中高等女学校」の写真付きレリーフ。
　1213，民権路越える。
　1217，同中山路。台中市公有第二零售市場。
▲1217第二市場前。次の古写真と同じアングル……かどうかイマイチ決め手がない。

市場にトイレを求めて事なきを得たところで(何度目？)，北側に武徳宮を見つける。1226。

元は日本人向け高級市場

▲市場内武徳宮のお供物と「神光普照」の赤紙
──前章末で見たとおり，この市場は古い。おそらく公設ではない源流は，大墩街から続いてます。ただ，この武徳宮は戦(光復)後のもの。

日本による台湾統治時代の1917年に日本人向けの高級市場として開設した。当時は新富町市場と呼ばれていた。(略)太平洋戦争の終戦を経て1946年には「武德宮」という廟が場内に置かれ、(略)〔後掲wiki／台中市第二市場〕

▲1219市場の騎楼部

けどまあ，日本人向け高級市場って……。
　前章で，この第二市場が大墩街よりやや北に出来た可能性を示唆しましたけど，旧来の大墩街を開発した脇にこんなんをブッ立てれば──当時の地元人の反感を生んでもやむを得ないかもです。
▲1229味わい深い売り方の八百屋さん

当然，市場だから飯屋もある。人気らしく，それ目当てに来てる人もいるらしい。
　そうなると，食い逃しかけた幻の「台中の味覚」を探したい。それで選びに選び抜いたのが──

ゆるり，でもシャキシャキ

▲市場飯

台中市公有第二零售市場内113
1230魯肉邱
爌肉飯
(冬天)芥菜湯300
「冬天」というのは，夏と冬で出すスープを変えてて，冬はこのカラシナスープ，ということでした。ちなみに夏天は「麻葉湯」と書いてあり……これまた違法性プンプン。
　さて，昨日から気になってた爌肉。これは三枚肉の角煮のトロトロしたのをご飯にのせてるという意味で──要は角煮やがな※。した。トロトロが丁度いいしつこさ。
※　大陸では簡体字で「焢肉」。「炕肉」とも。なお，後掲Festa Chow noteに次の表がありました。これによると，滷肉が一塊の肉だと爌肉(≒角煮)ということになる。

▲1240芥菜湯どアップ

でもこの時ハマったのはむしろ芥菜湯。
　見た目にも，菜のドギツイ緑と白も映えてる。
　淡い苦味が芸術的です。しかも歯応え抜群！ぬるりとしているのにしゃきしゃきしてる，そんな変な噛み心地の中から，あの独特としかいいようのない香り高い苦味が立ち上がる。素晴らしいぞ，え？オヤジ!?
　無口ながら実直そうなオヤジさんも好い。眼鏡の奥様も礼儀正しい。屋台なのに外国人でも違和感なく過ごせます。

三ツ矢の醸す魅惑の市

▲1255「林記古早味」(林おじさん？の老舗の味)のさり気なく古びた門構え

しかしまあ，好い市場です。
　客が少ない訳では到底ないのに，人混みが出来てない。スーパー並ではないけれど不潔感もない。文化財で触れないのではなく，そこできちんと商いが進んでる。

　平面図はこういう変な形。三ツ矢状の部分だけが当初はあったのに，そこでは収容しきれず周りに店舗が溢れて，方形ブロックで外周を囲み直したのでしょう。規模の読み間違いから出来た構造ですけど，それがなぜか独特の味わいになってる。
▲1304「幸福の鮮菓子専売」。意味がわからん「の」シリーズですけど，「不幸の焼菓子専売」じゃなくて幸いです。

羽毛中依舊健壯的

後掲痞客邦は，三ツ矢構造を「三翼」に例える。うち一翼は火災で失われたという。しかし今もその「羽毛」は残る，と表現しており──「老賴紅茶是羽毛中依舊健壯的」老賴紅茶こそは羽毛の中でも最も元気良い老舗，と書きますけど……飲みそびれました。これから訪れる方は是非。
　もう一枚，載せておきたい古写真を。いかにも出来すぎた光景ですけれど──イメージ的にはこういう感じだったのでしょう。

大概のんびりしてしまったけれど……そろそろタイムリミットです。
　次の写真をメインゲートとして最後に撮ってます。通り過ぎてしまいそうな感じに町並みに埋もれてる。それがまた何とも，好い。
▲1306市場入口を対面から

台湾大道を南行。1308。
　この大きな車道でさえ，昼間に見ると微かな縦横の揺れがあります。やれやれ……難易度の高い街です。

▲1308バス停にて