Ψ 寒露~霜降
δ 秋刀魚の塩焼き,さつまいもの甘煮
θ 山づと(豆名月,栗名月)
千本通って,平安京の右京と左京の分割ラインだったらしい。
つまり碁盤状の道路網の真ん中。すっかり左京が栄えてしまった今じゃすごく西に見えるけど。なるほど,だからこそ二条城がこのラインにあるわけです。
10回目の今回は,京都駅からいきなりJR二条駅に移動。
そー言えばこの駅前の三条会商店街で「京都に来たらまずココ!三~条~会」って歌が流れてた。どこの観光客がココへ直行すんねん!って思ってたけど…わしか?
Via Transitを目指したんだけど閉まってた。2度目の空振り。京都って…こーゆー妙に相性悪い店がある。
そんで。もったいないんでそのままキートスへ。
この小さい店,やっぱり何か面白い!全く気取ってないのにアッサリと本格的。しかも完全にハマってしまってるハード系ギンギン。
こんな店がこの位置でちゃんと営業できてる。それが京都…なのか?相変わらず謎多きパン屋じゃ。
▲キートスのルパンレイパ
▲同 妖精のまくら
▲同 カリセランピラッカ
▲錦いけまさ亭 10月の定食
炊合せ
秋野菜のかき揚げ
松茸のお吸物
松茸ご飯
お漬物
秋は松茸!
いけまさ亭の10月のレシピ,今回は王道中の王道です。流石に高値だからか,品数は明らかに少ない感じッス。
でも実はわし…40年の半生を通じまして,松茸を美味いと感じたことありまへんねん。
正直なとこ。椎茸やシメジの方が美味くね?ってゆうか松茸って,味しないし。
ただまー毎月食うことになってるもんですから,今回はとっとと済まして他行こ他!って見切りで第一食目でやって来たわけです。
さて本日もお膳参りました。
焚合せ。10月目にしてこの味がやっとのことで理解できた気がした。塩気はほとんどなく,ダシも極めて上質な椎茸系ながらほんのり。こりゃあ,野菜を煮た後かなり長時間煮しませてるんでしょう。
かき揚げ。季節柄か芋を使ってたけど,これが生きてる。基本サクサクの野菜揚げの食感に,芋天のホクホク感が混ざりこんだアクセントの面白さ。これまで食ったかき揚げの中で最高に重厚な旨味でした。
さて。残るは松茸の吸物とご飯。調理法としても見た目的にも,全然パッとしませんが。
一口。
やっぱり普通のご飯と吸物。松茸ぬるーし!!思ったとーり味なんかしねーよ…え?
…これか?この淡い芳香?
優雅。繊細。ピュアな香りが鼻孔にむせるように,薄く,とめどなく広がって来る。それが初めて知覚できた。これ…スゴいじゃん!!
初めて,松茸とゆー味覚があることと感じた。これは,他の味覚と別の世界,恐らく鼻腔や,胃からの返り味で楽しむものなんだろう。
汁は,喉に清らかな味覚を残して胃に流れ落ちる。ご飯は,白米の甘味に絡みつきながら,米の旨味をより光らせて舌に染みわたる。
ご飯と汁で十分過ぎる。と言うより──この食材,こーゆーシンプルさじゃないと真価を発揮しないだろな。つまり京都風の和食だからこそこの繊細な香りを浮き彫りにできない…ってそんな事は知ってるって?スミマセン,初めて理解したもんでつい興奮して…。
11月の献立。
焚合せ
[サ/無]かぶ蒸し
具だくさんの白和え
栗とむかごのご飯
お漬物
寺町通りの「スタンド」に入ってみました。
この店,賑やかな寺町通りからはパーカッションで店内が見えなくなってる。通る度に気になってたんだけど,ランチの表示が出てたから試しに一度と軒をくぐる。
ランチは煮込みハンバーグとトンカツ。取りあえずこれを注文すると──
「飲み物はよろしか?」とおばちゃん。
飲み物って…酒?まだ真っ昼間やど?
「あ?いいですよ」
って迂闊に返事したけど…しかし!?入った時たまたま客が少なかったからランチにしちゃったけど。
気づけば…強い発酵臭?
お食事してんのはわしだけ?皆さんグビグビに飲んだくれてはる!?しかもグループは2組だけで一人客がほとんど。場末っぽい発酵した酒の香がムンムンに満ちる空間です。
なるほど。一人で昼間からマッタリ飲めまっせ!って場所なのね。
壁にメニュー。かなり多彩です。一品モノにも変わったのが多い。「豚入り野菜炒め」は分かるけど「豚入り野菜あんかけ」?「鯰ぶつ」?柳川鍋がいきなりあったり?とにかく興味の尽きないラインナップ。
こーゆー場末的な場所が,人並みでごった返す街一番のメインストリートの真っ只中にある。ハレとケが平気で混在してる。沖縄に共通する凄さを感じた。
「へえ,うちはもう50年ここでやらせてもろてますねんや」
勘定のおばあちゃんも全然明るい。
「今度また飲みに来ますワ」
何だかこの濁に埋もれた時を過ごしたくなりました。
▲なかま たまごかけご飯と定食
夕方,近鉄で藤森まで。
京都って南側はいきなり普通の街になる。JR線の北側のあの心地良い圧迫感が消えてる。
たまごかけご飯の店 なかま。この店も,着いてみると当たり前っぽい定食屋。晩飯食いに来たブルーワーカーがちらほらしてる店。
日替り定食850円。
さば煮付け
ミンチカツ
三度豆ごまあえ
ご飯
味噌汁
プラス卵で105円オン。
一品モノがショーケースに並んでて,これをオンしてもいいし,それだけで酒も飲める。そんな店。
確かに卵はウマかった。ただ松山や北九州のと比べるのは酷か?
だけどとにかく落ち着いた庶民っぽさが良かった。上品な店ばっかだった気がするけど…こゆとこもいい!
満月が帰路を照らす。冴え冴えとした妖しい月明かり。そう言えば中秋の名月です。
▲道後の米穀店 たまごご飯モーニング
夜,河原町御池北のVery Berry Cafeへ。
純アメリカンテイストが売りの店。ビッグ・アップルパイとライスプディング,各500円を買って帰る。
木造の雰囲気いいカフェです。店内でまったりするのがベターみたい。ただ少なし夜はラブラブなカップルだらけ,一人は入り辛いオーラでして…。
▲VeryBerryCafe 夜の外観
宿で,ぬるぬる相撲に爆笑しつつ頂き平らげる。ちょい寂しい。
ベリーベリーのケーキは見かけと違って思いの他固かった。ライスプディングですらです。とてもプリンの食感じゃなくて,ほとんど餅の食い応え。「食事ショートケーキ」って感じの知らないカテゴリーの食べ物。
ここ,アメリカンテイストを売りにしてるわけだけど…スイーツと食事を線引きしない感覚とか,「ガッツリ食うのはイイことだ」みたいなのはアメリカの食文化の一部なんでしょか?
少なし…ここでしか食えんテイストではある。それに,かなり旨かったのは確か。
▲VeryBerryCafe ビックアップルパイ
▲VeryBerryCafe ライスプディングケーキ
秋は栗。
洛心館で,中秋の月見団子に加え,栗きんとん,栗蒸し羊羹を買ってみた。
さすが!
特に栗きんとんは食ったことのない粘りのあるマッタリ感でした。京都の和菓子,季節モノは買いです!
▲洛心庵 栗きんとんなど3種
世界ピッツア何とか大会で優勝した店が京都にあるんだって!?
と聞いて単純に駆けつけてみました,三条河原町Pizza Salvatore Cuomo&Grill。
サラダもピッツアもエスプレッソも,抜群に旨い!絶賛!流石は京都──
とか思ってたら…調べてみるとこの店,新宿が本店のチェーン店なのね。だから結局,京都地場モノじゃありませんでした。ある意味大失敗!
まあ旨かったから良しとせえ!とりあえずイタリアのフラッシュバック対策ならこの店があれば十分。東京その他全国各地で食えますのでドーゾ!(ヤケクソ)
▲Pizza Salvatore京都 サラダ
▲同ピッツア
フラれても,フラれてもなおVia Transit。
3度目の正直で今度は開いてる時でした。
バスタセット。パスタはカボチャとアマレッティ。
1350円とちょい高いけどまあε8位だし。それにかぼちゃなんて葉野菜系ばっかの日本のイタ飯屋になかなか置いてない類だし。
しかし。日曜日12時半の昼時真っ盛りに…客わしだけ?ムチャクチャ不味かったりして──。
坊主頭のイタリア人の男性が一人で切り盛りされてます。タバコ吸えるから屋外の中庭に陣取ったけど…時々厨房から睨む男の目が,どーもコワい…。
かぼちゃの甘味がキイたパスタはそれなりにイケてました。なんだけど…どーも奇妙な緊張感の漂う店で…不思議な午後の一時でありました。
▲Transit かぼちゃのパスタ
京都でホントに旨い店は中心部をちょっと外れた辺りにあり。…ってゆうのはある程度の常識みたいです。
でもってBarberaってイタリアンへ向かってみる。阪急西京極駅から迷いに迷って方向すら分からなくなって,5分程度で着くはずが…20分ほどでやっとの思いで何気ないアパートの一階に店を探し当てる。
閉まってた。
まだ14時15分。14時半LOのはずよ…と覗くと「誠に勝手ながら本日はメンテナンスのため1330LOとさせて頂きます」──うおおッ勝手過ぎるぞ!
今回はフラれまくる旅行運らしい。まあ,旅にはこーゆー日ってあるものさ。ははは…は…。
「京寿司 都びと」って店を見つけた。ネーミングに込めた露骨で身勝手なプライドが,何かいい。
阪急で烏丸まで戻って…どーする?このまま新幹線乗る?って気にはやはりなれずブラブラさまよってたら,Tratria Guarireって店を通りかかった。あれ…聞いたことある店だよ?またイタリアンだけど。
ランチタイムぎりぎりだったんで成り行きで入る。黒基調のシックな店内。傷ついた心を癒やしてくれそうッス…。
ランチメニューが1000円。
A 豚もも肉の何とか
B カボチャのスープ 生ハム添え
C 何とかバスタ
いー加減で申し訳ないっスけど…つまり3種のうち2種がバスタじゃない!
インサラータをアンティパストとしてセコンドがこれ。しかもちゃんとドルチェとドリンク(当然エスプレッソ有)まで付いてる。
まず早々に来たインサラータ。レタスベースに赤・黄のピーマン,黒・白の豆,ミニトマト。ソースはヴァージンオイルにパルサミコとバジル,ニンニクが適量入ってるけど…このコリコリ感はトリップ(モツ)だがや!面白い!
セコンドはBのカボチャスープにしたけど…大したことなかった。エスプレッソは新人らしい長髪の給仕が淹れ方を教わってた位の味。
しかしジェラートは本物。現地並みに生乳の香りが漂う正真正銘のジェラートでした。
少なしサービスは心許ないし,料理も安定感がないけど,奥のコックの感覚は荒削りながら本場の臭いがする。特にインサラータは今後も楽しみ。
癖のある面白い店。こーゆーのも,それはそれで宜しいもんです。
帰路が名残惜しく,以前から気になってた河原町三条の六曜社地下店へ寄ってみた。
老舗喫茶店。河原町の雑踏からその名の通り地下に降りた暗がり。カウンター10数席にテーブル4つほどの狭苦しい店内。イタリアのバールに似た良い意味でどこかいかがわしい隠れ家的な雰囲気です。席はほぼ満席状態。
インド450円とドーナツ100円を注文。
コーヒーの味は確か。ブレンドの他に深煎り,中煎り,浅煎りの各種ストレートが3~4種類ずつあり,「インド」は深煎りのトップだったから頼んでみたけど,苦くないのに奥行きが深く楽しめる。
ドーナツも粉ががっつり詰まったいい味出してます。
古い名店は日曜日は休みのとこが多い。次回土曜日に早く京都入りして回りたくってみたい。
▲広島駅内 オリーブ瓶詰め等4点
関西なんとか銀行のCM。
浪人をばらばらと取り囲む数人の刺客。
「これまでの借り…まとめてお返し申そう」
浪人の隣にいきなり現れるタイトスカートの笑顔のお姉さん。
「ならば!関西なんとか銀行の〇〇ローン!」
以下,ローンの説明で最後まで続くが,笑い過ぎて耳に入らず。
イタリア旅行の疲れが抜けないのか…調子悪いッス。ただ,味覚の変化はここへ来てまた著しい気配で…止められまへん状態です。