▲太子。熱帯魚屋街入口の交差点にて。
「水族」という語が乱立する不思議なこの光景はどう出来上がったんだろか。
▲天后だったと思う。ビル街の谷間のちょっとした露店群。
実際買い物する気にはならんけど,この風景は妙に好ましく感じてしまう。
▲進水[土歩]。何とか電脳広場。
攻殻機動隊で描かれた「電脳」の漢字が溢れる景観は,IT市場での漢民族の寄与度を考えると,そう遠い未来ではないかもしれない。
太子から,次は香港島に向かおうとした。
何となく,衝動的に湾仔行きの905バスに乗ってしまった。
地下鉄にも飽きてきた。バスで香港島へ渡るってのに乗ってみたくなった。一体どういうルートなんだ?
ネイザンから旺角道で東へ左折?いや,すぐに北へ右折?さっきの西洋菜の道らしい。こんな細い道に入るのか?2階建てバスだぞ?と思ったら旺角のシティバンク北を通って…またネイザンロードに戻るのか?意味が分からんぞ?
え!?ネイザンロードを横切って西に出る?九龍城に行く時に使ってた旺角街市のバス停?
想像を絶し始めたんで地図を広げる。どうやら大角[ロ且]というエリアから西九龍公路という海沿いの道で,九龍半島の西南角から西区海底隊道って海底トンネルに入るらしい。少なし地図では,これと東のトンネルしか有り得ない。
やはりトンネルに入る。2車線,かなりきれいに整備されてる。ケータイのアンテナも3本立ち。
5分もせずに香港島側に出る。ここは…!?トラムも見えてるから来たことのある辺りだと思うが…!?
湾仔行きならもうちょっと乗ってみるか。
おおっ!水街のトラム駅じゃないか!!こんなとこに出てきたんか?
今,西邊の駅を過ぎた。ちなみにこの駅の英語名は「ウェスタンストリート」で銃撃戦に巻き込まれそうな土地であるが,今はちなんでる場合ではあるまい。
とにかくMTRの駅が見えたら降りよう。
…というのが安全だって分かってはいるけど,今日はとんでもなく気紛れさんである。
トラムで天后まで行きたくなった。トラム道近くで下車。
・生物を囲い込んで楽しむ発想は欧米独特の博物的なもの。
・だから日本では,その場所の名称を明治以降に新たに創出した。
・その際,欧米の語を直訳した。当時のスタンスとして,翻訳は語義に忠実に行われた。
・英語では動物園はzoological garden。zoologicalは「動物に関する」という意味の形容詞,gardenは「庭」又は「園(その)」なので「動物園」と訳した。
・これに対し水族館はaquarium。aquariumのaquaはラテン語で「水」,-ariumは場所を示すラテン語語尾。
・語尾側は建物と意訳して「~館」(ex.図書館)とされた。
・しかし,日本語には魚の他にイルカ,ヒトデなどを広く総称する語が無かったと思われる。直訳だと「水館」だが,これでは意味不明。そこで「水族(すいぞく)」という漢語を採用して,「水族館」と訳した。
・つまり,「水族」は日本の明治期の造語以前に,漢民族が元から持っていた漢語表現と思われている。