本伝豪遊記10《豪遊∧10》高知,神戸,大阪,ある旅の終わり

2009-04-25 13:58

 +1110!
 困った…今週もこんなにカロリーが足らん。
 半減後7か月が経過し,体重を維持したまま体脂肪率15%の安定状態を目指すわしには,1日2100kcalのカロリー摂取は必須命題。
 原因ははっきりしてる。先週の高知だば。日曜朝市で買い込み過ぎた!あそこの食材は,最高に美味いのに低カロリーのものが多過ぎるの…。


▲4月18日戦利品。そうは言っても全部で2000kcalを超えたけど…(自己算定)。全16品!ほとんど行商人並みだな…。


▲戦利品(右半分)
   ①
 ④ ③ ②
  ⑥  ⑤
  ⑦  ⑧
①菜の花
②ハタダ栗タルト(柚アンに栗のダブルショットが最高!)
③景徳宮ナムルセット
④景徳宮ロマコーヒー(珈琲豆無しの穀物の疑似コーヒー。東欧産らしい)
⑤柚味噌
⑥醤油味噌
⑦東山(硬め)
⑧東山(柔らかめ)


▲戦利品(左半分)
 ⑩  ⑨
    ⑪
 ⑮⑭⑬⑫
    ⑯
⑨ところてん(須崎辺りの隠れた名産)
⑩きし豆(お茶にして飲む。高貴な香りがたまらん!)
⑪木の芽(山椒の芽)
⑫らっきょう酢漬け
⑬胡瓜漬け物
⑭沢庵
⑮沢庵古漬け
⑯しそ梅干


▲4月の高知朝市。唯一高カロリーだった東山(干し芋)が姿を消して黄色いポン柑一色!


▲土佐山田駅から北へ3km,新改にある景徳宮を俯瞰。韓国の鍋系料理は腹に来る割にはカロリー低過ぎ。なのにどーしても食いたくて向かってしまった…。
ただし,目当てのチゲ定食は冬季(10~3月)限定だったんで,プルコギにしました。


▲新改近くの香長小学校バス停時刻表。日に3本,しかも平日のみ。
景徳宮へは行きはタクシー,帰りは歩きました(早足で40分)。


▲歩いた道の途中にあった教組の看板「戦争はいやぜよ」。戦争もだけど,とりあえず歩くのも嫌ぜよ…。

 そんでこの土日,目指したのは大阪。
 福島町のチョウクのミルスを食いたくなったってのが本音の理由。
 土曜日の早朝,広島駅のドトールで朝飯がてら大阪グルメ本をチェック。ここのサンドイッチは割とイケるし。
カンパーニュサンド ツナと野菜   250
 そうしてたら――ちょっとだけ寄り道したくなっちゃって。

 で…降り立ちましたのは新神戸駅。
 この前から目覚めてしまってる薄味中華がひょっとしたら?って下心。
 ただ,久しぶりなんで最寄り駅を忘れてた。大学時代に住んでたのに…。仕方ないんで三宮から昔のカンを頼りに適当に歩いてたら,南京街へ着いたけど。
 改めて来てみて――うーん,規模は長崎よりちょいデカい位か?横浜程じゃない。でも定食を出す店が多くて,長崎より地元の生活に密着した感じ。特に南京広場から姫路側のウイングには多い。やはりマイナーだけど,一人客もちらほら。
 第一目標にしてた民生は大阪側のウイング。11時半開店だったんで,客の入りと雰囲気を目安にして別の店へ適当に入る。
北京菜館 定食650
 北京料理系だけど油ギトギトじゃなく結構洗練された味。最高級じゃないけど美味い。
 福岡なら特○レベルがここではノーマルラインみたい。
 メニューだけ見た限り,他にも数店期待できそなマイナー店があまた有る。近辺に宿泊して絨毯爆撃が手か?

チョウク ミール
       550
 三度迷いに迷って何とか到着!
 何せこの福島町ってとこ,路地も大通りもあっちこっちに走ってて訳が見えん!福島2-4-17って住居表示だけを頼りにJR福島駅から30分は歩いた挙げ句,大通り沿いの誘導看板を発見。後で聞くと唯一の看板なんだって。「まあ…お腹空かせて良かったと思って」って奥様の引きつった笑顔。
 満席で,カウンターの最後の1席でした。サピとかって雑誌の福島町特集で,この店も掲載されたらしい。ヴェジ臭い女の子集団までいる。
 …手で食う奴は周りにいないぞ?こ…この雰囲気の中で…手食して大丈夫?
 例のバナナの葉っぱを模したプレートが出たタイミングで小声でそっと確認する。「まだ…手で食ってもいいんスよね?」
 「どーぞどーぞ!」ってゆーから慣れた指あしらいでカレーこねると,もー止まらない!やっぱこの触感,このタマリンドとスパイスの柔らかな辛さ!
 ちょっと視線は痛かったけどね。

 大正駅まで移動。
 「いちゃりば」横手の沖縄産品自販機を確認すると,初めての缶を見つけたんで購入。
㈱沖縄ポッカコーポレーション ゴーヤードリンク 75
㈲マルマサファミリー商事SBC ミキ200


▲大正駅そば「ミキ」。実は前から聞いてて飲みたかったのよ!

 南海電鉄はあんまり乗車経験がない。まして汐見橋線ってのは初めてでした。
 大正駅から東へ少し歩いた汐見橋駅から津守へ。
 降りるとすぐ,伝説の西成公園。今はフェンスに覆われ不気味な静寂を保ってます。
 今回のも一つの目的は,前回の雪辱戦。大正駅周辺しか見つけ出せなかった大阪ウチナンチュの町が,どうもこの西成公園から大正交差点の南側一帯にあるとの情報が,グレゴリー何とかって旅行マンガ家のマンガにあったからです。
 とにかく歩く。でも…なんか工場だらけ?
 どうも商店街っぽいエリアじゃない。仕方ないから川を渡って…って橋がない?
 途方にくれつつなおガンガン歩くと。何と2ルートほど艀があった!それも結構頻繁な便で,15分ごとにある!料金は…どこにも書いてない?
 ずらずら長い利用規定の最後辺りにやっと発見した文章。「料金は無料とします」
 ええっ?タダなの?何で?
 予想するに…この辺の工場が事実上共同運航させてる厚生施設めいたもんなんでしょうか?
 艀が動き出す。客は完全にわし一人。両岸ともコンクリートに覆われた無機質な景観の中,船を動かす2人の労務者とわし以外に人間の気配は皆無。宇宙空間を漂ってよな頼りない浮遊感。
 こんな寂寥の風景が,大阪のど真ん中にあるなんて…


▲三軒屋水門を大切にしましょう。さて…どう大切にすりゃいいの?撫でるのか?

 さらに途方に暮れて大正区役所隣の図書館で区の鳥瞰マップを見てたら。
 平尾?区役所の南?街並みが商店街臭い!
 この地名は聞き覚えがある。あるぞ!マンガに載ってた地名は確かコレじゃなかったか!?
 もう1時間半は歩きっ放しでグデグデだったけど,ここで諦められんっしょ!バス停でチェックすると,平尾って停留所が確かにあるし!
 そして…ついにたどり着きましたサンライズ平尾!


▲サンライズ平尾風景

 まず,沖縄風ホルモンの店ってのが見えた。おおッ!
 アーケードに入る。豆腐屋が多い。店頭にゆし豆腐が並ぶ。まさに!
 八百屋にゴーヤがゴロゴロ。フーチバーがばさばさ。ひーはー!
 え!?ウルサい?


▲サンライズ平尾の沢志商店

 こんだけ興奮しといて何ですけど――落ち着いてみると,それほど「俺が沖縄だあ~」的なギンギンに沖縄臭い商店街じゃない。沖縄料理屋も路地にひっそりある感じ。沖縄産品専門が売りなのは,一番奥手の沢志商店だけだな。
 けど,そこがイイ!!沖縄本島にもあまりない,観光地じゃないウチナー。大阪ウチナンチュの普段着の町なのじゃな。
 店内で,いかにもピュアに沖縄ホリックな匂いの奴らとすれ違う。同朋よ…君も産品に飢えてやって来たのね…。おっきな袋を抱えて帰る彼らを横目に,一見のわしは3品だけチョイス。
沢志商店
味噌ナーベラー 150
ミミガー炒め 100
ゆし豆腐(半丁) 200
宮古島の塩ちんすこう
2個       75
 

▲サンライズ平尾の沖縄料理いっちゃん

 やっと本日のお宿のある日本橋へ。
 フラフラです!フラフラなんだけど,宿の横にPertoがあったんでついエスプレッソをゴクリ。大阪に展開してるこのチェーン店,エスプレッソ1杯180円!でもってまあまあ飲める味!
 すぐ横に学生3人組。学生らしい途方もなくスケールのデカいホラ話をぼてくりかましとる。
「カンボジアは百年後には中国になってるぞ」
「ヘエ~」エラい大げさな感嘆が返る。いや~健全やねえ!!
「タイとマレーシア辺りはEUみたいに1つの国になる」
「マレーシアはマレー人4割,中国人4割,インド人3割,シンガポール1割…」
 1割余るぞ?
「ジャッキー・チェンは中国に金で買われて,今香港で大ブーイング」
 あらら?ちょっと不健全モード?
「香港人の女の子は可愛い」
 …青年らしい会話ではあるな。まあええ,おっちゃん何も言わん!ら頑張りたまえ青少年!

 心斎橋の名店,本福寿司。「本」の漢字はちょっと小さいから「元祖」福寿司ってとこか?
 以前あまり感激しなかった大阪寿司に再度トライしてみる。
「海老の友」1050円
       450
 心斎橋のアーケードを出て夕暮れを歩く。
 CafeColombiaって店を聞いてた。エスプレッソを頂く。
 これは…イイ!!
 苦味がズシンと力強く味蕾を震撼させる。変な酸味や甘い粉っぽさは全くない。情け容赦なく苦いのよ!しかも…そのバイブレーションが一瞬間を置いて,ジワリと豊かな香りに姿を変えて口中一杯に広がってく。歩き疲れてややボケ気味の脳髄が一撃でキリリと覚醒する。最後の最後まで渋い!
 Peaceのドギツい煙と最高にマッチング。
 ムチャクチャ流行ってるわけじゃなさそーだけど,客の会話から察する限り固定ファンは多いみたい。地下はバー,2階はカバン屋の3店舗同時経営。


▲いつも元気なグリコランナー

 突然だけど,福山駅前繊維街が再開発でついにスクラップされ,ドテ焼き屋「てんぐ」が閉店。わざわざ新幹線を降りても立ち寄ってた店。ゴキブリうようよ,冬は隙間風がんがんの汚い店だけど,知る限り県内で唯一本格的なドテ焼きが食えたのに。
 ドテ焼き欠乏症に悩むわしは,なんばのその立呑み屋の「名物ドテ焼き」のメニュー表示に,ついに蛮勇奮い立ち暖簾をくぐった!
 赤垣屋。なんばのあちこちにあるけど,どこも昼間から飲んだくれで一杯の酒場。
 「1人ですけど…」
 「はい!」店員の動きは兵隊並みに素早い。「スミマセ~ン,こちらお一人様参りま~す!!」と奥手のぎりぎりすいてる辺りにカツカツ1人入れるスペースを作る。
 滑り込むと――左手は黒メガネのドスのきいた兄さんと姉ちゃんのカップル,右手にかなりクダを巻いてるコテコテ大阪オヤジ3人組。
 ひええ~生きて出られんのかあ?
 しかし震撼してる余裕なし!「はい何にしまひょ!?」秒殺でメニュー取り!ここでは客も店も戦場!
 けど…とにかくメニューが多い!しかもあちこちに貼り出してあるだけでまとまった一覧がないからキョロキョロ。エッええっと…とりあえず酒は――
生中     290 にしたけど,シチュエーション的には焼酎ロックだった?
ドテ焼×2本 140
れんこん    70
 ドテ焼きは注文して1分で来る。福山同様,唐辛子をしこたままぶして頂くとしまひょ――
 …ああッこれだよこれ!
 記憶にある「てんぐ」の味より,肉はさらにプリプリ。なのにまとわりついた味噌ダレは濃厚に香り,たっぷりのネギが爽やかだぞう!追っ掛けやって来たれんこんもシャリシャリと歯に心地よく柔らかにクラッシュするぞう!ヤバいぞう!酒をお代わりしそうだぞう!
 けど…右手のオヤジは「いやちゃいまんねん!」と激論の止まらない列車に乗っちゃったし,左手のカップルは何やらプチ痴話喧嘩モードに突入!
 こ…ここでグデングデンになる勇気は,やっぱりない…。早々にレジに逃げ出した弱気なわし…。


▲赤垣屋軒先