本伝08章[Step76]食の安全って言うな!

 278日目 
▲59.6kg(半減+8.4kg)
▲60kg目前!

って声を大にしたい!
 さっきアクロス博多の地下ですれ違った老夫婦の会話にまで登場するこの単語。新聞紙面だけじゃなく,町の会話にまで…
 わしには言えんわ!この社会で食って生きてきてて,どの面さげてそんな恥さらしな言葉を!
 前章で自然食ぶった話を書いた。だから誤解のないよに──ってより自分がヒヨらないよにハッキリしとく。
 当面,雑穀主義にもベジタリアンにもなる気はない。この社会に満ちた食文化リスクから逃れるなら,わしは最後に行く。
 食文化の民主主義から一人逃げ出す卑怯を許せないからです。

 「美味しんぼ」最新作が「食の安全」特集だったから買ってみた。
 絵が嫌いで読んだことなかったけど──くだらん。買わにゃよかった。
 第一線の作家が既成の添加物批判書のナゾりかよ…。
 それ以上に──浅過ぎる!この食文化が住民の嗜好で成立してることまでは何とか触れてるけど,そこまで。
 今ある食文化は,緑の革命後の工業食で生存してるわしら新人類の根深い業。いわゆる「食の安全」が添加物とそれにカモフラージュされた悪質な食材で脅かされてるのは,ペリエの法則の延長戦上です。豊かな社会は高脂質・高糖分で穀物不足の食卓になる──その変化は食事に時間を惜しむ感性が背景。添加物の多用は,その楽で早い食事への嗜好の延長戦上に必然的に現れただけ。
 「早い!安い!美味い!」ってのは不正確。ホントは「早い!安い!でもそれなりに不味くない…」なのよ。早い!と安い!は食品産業の効率化で同時に実現される。豚さんを工場に閉じ込め,最貧国から穀物を奪って食わせることで。STEP68参照)
 さて,そこで生産される低質な肉を「美味い!」じゃなくても「そこまで不味くないから我慢するか…」と食わせなくちゃならん。
 この矛盾を解決するために現代が生み出したのが何百種類という添加物。…って構図ね。
 だから,ペリエの法則に逆行できる変化をわしらが起こすには,本質的に方法は一つしかない。──食事に時間を惜しまないでホントに美味いものを選ぶこと。
 それを減量目的で個人単位でやってみましたってのがこの体重半減記。もちろんそれで個人の防衛には十分だったけど,それは所詮は局地戦でしかない。
 マーケットの性格を変えること!そのためにわしらがすることは,ホントのグルメであること!それだけなのよ。
 中国からの輸入食品のチェックがぬるいとか食品表示行政が不十分とか賞味期限の隠蔽を保健所は厳重に取り締まれとか…そんなことで他人の,特に役所の問題にすり替えたって本質的には何一つ変わるもんか!食文化は大昔から完全な民主主義!変化を求められてるのは生活者。つまりわしら自身でしかないんだから!
 そこをすっ飛ばしてベジタリアンや雑穀主義で自分だけ真っ白な気でいるのは,ハッキリ言って偽善者!わしらの手はもっとドス黒い!自分で手を下してないからそりゃ血はつかないけど,工場から出たことのない豚さんをコンベアに乗せて圧殺してんのは,実はわしらの手。
 イメージできない人は映画「OurDailyBread」(邦題「いのちの食べ方」。STEP19参照)を見てくらはい。映画館出た時にはあら不思議!偽善者ヅラは出来なくなってまっせ。

 ここまで言っちゃったけど,最後にフォローもするから許してねん。
 博多の(まだ博多におるんかい!)渡辺通り一丁目。交差点に着いてタップリ15分探した挙げ句,貼紙を3枚辿ってたどり着く。最後の貼紙の矢印の下に一言「まるで迷路のようだ…」間違いなく迷路だよ!
 自然食らうらう。最初に「玄米食食べてます?」と来たから帰ったろか!と思ったけど,出てきたランチを口に入れた瞬間に怒りは蒸発…何よこれ!
 玄米と麦のハーフご飯に小いわしの梅干し煮,味噌汁,メカブの和えもの…全て最高!土の匂いが鼻をつく。
 沢あんを食べて納得。キッチリとヌカ臭い!自然食だって妥協なし,ホントに良質な食材。パンフによると近隣から選んだ最高の農家からの。
 究極的には良いものは美味いんだ!