外伝03-FASE9@deflag.utina
ンジ!ンジチャービサイ!

[単語帳]

ンジ:呼びかけの言葉

ンジチャービサイ:それではさようなら

 体調の回復も大きな目的の今回のウチナーだったのに,昨夜はまたドエライ鼻風邪をひいちゃいました。
 鼻水たらしながらも,Coccoの余韻が全然冷めてくれず,関係書籍を読みふけりCD聞きながら携帯でネット検索とかしてたら,気がつけば朝3時。あ~あ…平日以上にハードにヤっちゃったよ,今回のハマり方は尋常じゃないがあ。
 最終日です。予定は全く立ててない。立ててたまるか!旅行者の直感のままに歩きたくっちゃうつもり。

 やっと営業開始した牧志公設市場をうろついてみる。…やっぱここはピンと来ない。今や観光地そのもの。
 山下町の豆腐屋食堂へ。国場川の南側のこのエリアに今回は入り浸りです。今回の旅行がいくらかディープになってるとすれば,歴史ある,けれど普通の住宅地であるこのエリアを歩けたからだと思う。
 前回選ばなかった豆腐ハンバーグを食いたくて,豆腐屋定食をまた注文。やっぱ最高!
 店内には「健康家族は豆腐大好き とーふジョーグーの店」の売り言葉。

▲黄金の豆腐屋定食
 ジョーグーは「好み」って位の意味だろう。
 ちなみに夜のメニューは,豆腐よう,スクガラス豆腐,木綿やっこ,厚揚豆腐,厚揚焼豆腐,みみがーの和え物,ラフティーなど。次は是非,泡盛片手に酔いしれたいね。

 最寄りのバス停は公園前。奥武山公園です。
 海側は金網。その向こうには軍事車両が散見できる。この一つ空港側のバス停名は「軍桟橋」。初回の沖縄,まだゆいレールが出来る以前に空港から市内へのバスから見て,最初に衝撃を受けたウチナーでした。あれから幾つの衝撃をこの島は与えてきてくれたんだろ。
 バスの便があったんで,港町地区を目指してみる。漁協が旨い魚を食わすって情報があったからです。
 安謝橋で降りて港町を目指し西へ。水路に釣り糸を垂らす仙人のよなおじいがポツリポツリ。その遠い眼差しとすれ違いつつ,さらに西へ歩を進める。
 那覇市沿岸漁業協同組合直営店。その名も「海産物 えんがん」…少しはヒネってほしい!残念ながら4日まで正月休みでした。
 …ここまで来たらやっぱりルビーかな。ってことで「とまりん」の交差点近くまで,さらに歩く。
 港町から泊までのエリアは,初めて歩いた。いかにも沖縄臭い投げやりで無機質な町。
 何もないのに猥雑な,けれども身を任せたくなる安息感。これはどこから来るんだろ。
 最終日にやっとこ空が晴れ渡った。かなり暑い。そうじゃなくてもこの那覇市街北縁のこのエリアは結構起伏がある。旅行で初めて上着をぬいで歩いてる。
 ――困ったな。
 ヤバいぞ。好~い感じのウォーキングハイがやってきちゃってる。ウチナーめ!またすぐ帰ってきたくなる,格好のシチュエーションじゃないの!!

 「軽食の店 ルビー」に到着。
 もう慣れた。戸口の自販機に580円を投入し,牛肉豆腐煮込定食のチケットを購入。いいともの正月特大号を横目に,セルフの紅茶をグラスに満たす。
 隣席でAランチ頼んだ大阪人一家が「すごいやん!」とか歓声挙げてる。懐かしさを誘う光景にちょっとにやつきながら,味噌とほど良く絡んだ島豆腐を満喫。
 やっぱいい!ルビーのメシはチョードいいB級よ。

 さすがに疲れた。少しバスに乗って久茂地のパレット前へ。
 国際通りの松尾の三叉路から北へ向かう。坂を登りきった右側に…伝統銘果「橘餅冬瓜漬」の小さな看板。
 ヨッシャ,開いてたぜ!…聞くと,通常は日曜休みだけど,正月明けだから特別に開店してるらしい。
 初日のTabinchuで見つけて,絶対ゲットしたかった菓子。沖縄でも,もうここ1軒だけらしいのよ。
「ところで…冬瓜って何ですか?」
「…あなたの足元にあるのです」
 あ…コレね。スイカを2個くっつけたよな外観とデカさの,ズーズーしそうな果実。いかにもマズそうだけど,大丈夫か?
「常温でも20日は持ちますが,冷蔵庫でならもっと持ちます。糖度が高いから凍りません」
 こうしてゲットした冬瓜漬けに,この週いっぱい感激しまくることになる。

 国際通りに戻ってDr.Footへ。すっかりハマってしまってる。押しが強くて良いんです。
 市場の最奥まで潜る。ラスト1食は大平通りの「太栄食堂」へ行ってみました。ガイドブックとかにはないけど,前から気になってたお店。沖縄料理には珍しく,かなりのメニューにカロリー表示がある。カロリー管理しながら沖縄で食い歩くなら,最初に入ってメモっとくといいかも。(そんな奴あんまいないかも…)
 テビチ汁定食で締めることに。850円でサシミ,もずく付。ちなみに731kcal。思ったより高カロリー…コラーゲン云々っても所詮は脂の固まりだもん!
 なお,ゆしどうふ定食は404kcal。
 さらに,国際通り側に帰って琉氷(正しくはニスイ)へ。ぜんざい(ナイチで言うかき氷)の紅芋と抹茶のハーフ&ハーフを頼む。美味え~!!
 以前と同じ売り子の娘でした。なぜか前に食った時にいたアフリカ系の男がまたいて,同じく所在なげに俯いてる。通りがかりに別の売り子だった時にはいなかった。
 バーとかでこーゆー男がいたら,間違いなくママかチーママのヒモが,店が終わるまで時間を潰してるって図。けど,ぜんざいパーラーでそれってあんの!?
 それにしても,この売り子とアフリカ系の男が直接話すの見たことないぞ。3m位の場所に2人はいるから,ちょっと真偽を尋ねにくいし…う~ん…謎であります。
 OPAの6階,TowerReacordに駆け登ってCoccoのCDを2枚追加購入。帰路はも~コレを聞きたくりでした。

 夜9時,アパート帰着。
 あ~あ…帰ってきちゃった…
 月桃茶をたてて冬瓜漬をつまんでみる。
 所詮熊本のザボン漬けモドキかと思ってたんだけど――完全に見込み違いでした。
 舌に神経を集中させるほどに,違いをハッキリ認識。な…何じゃこりゃあ!?この冬瓜漬けって…こいつは…とんでもないモノを見つけちゃったばあ!
 強い甘味に果汁が控え目にハモって,しかも後味はス~と透明感ある爽やかさ。スイーツ特有の後引く甘味が一切ない。それでいて胃袋から返ってくる華やかな味わい…モンノ凄い満足感。
 お茶受けに鼻くそ程度(失礼!),ほんのひとかけらで充実感が180度違っちゃう。そういう,かつて口にしたことのない食材なわけさあ!
 注意書きによると――冬瓜はウチナーグチでシブイって言うみたい。これを長方形に切り分け甘く煮,仕上げに表面に砂糖をまぶしたもんだって。三百年前ってゆーから薩摩時代だけど,福州から伝わり琉球王朝で重宝され,当時天皇家へも献納。
 数ある沖縄土産なんかメじゃないぜベイベー!何でコイツがメジャーじゃないの?以前は数軒あった専門店も,今はこの謝花きっぱん店だけになってるなんて,なぜ?なぜなの貴男!?
 きっぱんのある限り,わしは絶対また沖縄に帰るぞ!!ウオ~!!
 ってわけで,「ジュゴン」のメロディーを枕に幸せな旅後感の眠りについた最終日。


▲マトモな標語選ぼうよ!?