外伝05O蘇州ヰ 照像集之一 ヰ
水郷蘇州平江路の風光に酔歩す

※邦訳:照像(ジャオシャン)=写真

 平江路は,蘇州旧城内の東側に南北に引かれた疎水。
 往時には東側の城壁のすぐ内側を流れる水路で,生活用水の他,小舟が行き交う水運の用にも供されたと思われる。
 南行すると旧城南東角の大きな水路に交わる。この水路は,今も杭州間の夜行船や物資を積んだ商用船が行き交う長距離水運路。
 北行すると幅を狭め,旧城北東角付近で幾つものクリークに分岐してる。この辺りを徹底的に歩くとまだまだ水郷の日常風景が残っているけど,十分散策し損ねてる。
 中央の現前街の延長付近は,日本のガイドブックではまだマイナーながら,地元では観光エリアとし着目されつつあるらしい。民家を転用した落ち着いたカフェやインテリアショップが並んでる。ちょっと残念だけど,石畳の道沿いのこれらの店もいい味出してきてます。
 何はともあれ。以下,写真で綴ります。


▲観前街の筋を直進した辺り。平江路橋上より。
20年前,観前街から街並みに誘われてふらふらと入り込んでこの疎水を見つけた場所。現在は,疎水沿いで最も観光色の濃いエリアみたい。
この橋の上にも,カフェが出来てました。


▲平江路橋下より。元々の生活用水路としての用途は失われておらず,今も河畔の住民が水辺に出てきて,水汲みや日向ぼっこしてます。
夕暮れを歩くのは初めてだったけど,街灯が水面に映えて幻想的。


▲平江路カフェより
「彼岸」って名前のカフェの軒先で,エスプレッソを頂きながら。
ドアがうまく開かないほどのコテコテの伝統家屋のカフェだけど,サービスも雰囲気も◎。何よりエスプレッソの味はかなり本格的でした!
シアトル系がブレイクした後に経済発展した中国では,カフェに大抵エスプレッソがあるみたい。機械もちゃんとしたのが多い。


▲平江路でアイドルが写真撮影中
彼岸の対面にやって来た一群がいきなり撮影を開始。アイドルかどうかは実際よく知らないけど,道行く人は結構振り返ってたみたい。
疎水中流域,大体西北路からウージャン路辺りまでは,蘇州政府の肝いりで観光地として売り出し中臭い。


▲河畔の八百屋屋台
少し北上してカフェ群が途切れた辺りには,こんな日常風景がまだ営まれてます。
ちなみに南は,ウージャン路の南にかなり大き目な市場があり,生活臭がぐんと高いエリアになってます。


▲翌日朝。観前街のラインから南行。
晴れた朝の空気と平江路の華やぎ。眠気を誘うような平安さ。


▲お堂のある風景
屋根付の座り場所もボツボツある。共産中国ではつい最近まで非常に珍しいインフラ。ほとんどがかなり年代物で,風流人向けの建造物っぽい。ってことは…一昔前にも詩人とかがこの風光を愛した時代があったんだろか?


▲花咲く河畔
時は3月。うららかな光漂う空間。
ウージャン路の南まで下ったこの辺りでは,川幅はかなり広くなり,両岸の家並みも整然としてくる。
中にはかなりの豪邸も。近代建築が多い。どうもこの蘇州でも,景観条例的な建築の縛りはないみたい。無軌道な経済発展の止まらない現代中国,この風景も今が見納めかも?


▲河畔の小道
ウージャン路南の市場で買い込んだ食材をぶら下げて家路につく人々が連なる。ただ,一昔前のように生きた鶏をぶら下げた方はあまり見れなくなった。


▲橋をくぐる疎水
シンメトリーが美しい。橋はどれもアーチ型の年代物の石造り。最上部に腰掛けて語らうカップルは,皆さま例によって近寄りがたいブチュブチュモードにログイン中。


▲疎水と河畔の家並み
延々続く家並みが疎水両岸をビッシリ埋めてます。路地に迷い込んだらまだまだ探検しがいはありそうだけど,疎水から離れ難くてなかなかできないでいます。


▲疎水に垂れる楊
水辺にはしだれ楊が多く,雰囲気を盛り上げてくれちゃっても~最高!
あえて雨の日に歩くのもよろしいんでしょーが,まだ天候に恵まれたことがありません。


▲平江路が南端でぶつかる十全路のカフェにて。
今やこの十全路,中級ホテル街に変貌。以前泊まった東呉飯店辺りは外人も多く歩く。そのせいか本格的にくつろげるカフェも多数あり,ぶらっと入ったここもエスプレッソのレベルは最高級でした。
トイレを借りる時に見る感じ,安宿もやってるみたい。狙い目かも?


▲疎水,橋,河畔の木々
人工と自然が絶妙のバランスで溶け合ったこの風光。さらば平江路,決定再来(絶対また来ま~す)!
無くならないで待っててね!!