▲クレモナ駅を通過する乗用車を載せた貨物列車。そんなむき出しで?
朝市にハマってたらクレモナ発は10時半になってしまった!
クレモナは鉄道の幹線から外れてて,妙に抜け出しにくかったのよ。
9時43分にTreviglio行きってのがあった。歩き方の地図によると,そこからは幹線だからミラノまで乗り継げる?…でもトーマスクックをくってみると,Treviglioは幹線でも鈍行しか止まらないマイナー駅で次のミラノ行きは12時過ぎ。情報は確実じゃないけど…初心者としては10時半のミラノ直通を待つべきかな。
早朝は割と便があるのに,この遅い午前中は何か異常に列車もバスも少ないようです。
今日はミラノ駅でさらに乗り換えてジェノバまで一気に走る。まあ大人しく,ジェノバの下調べでもしましょ。
ちなみに駅前の表示によると。昨夜の野外リサイタル,Cremona Mondomusicaってイベントの一部らしい。
10時39分クレモナ発。約10分遅れたけど…。
ミラノ着予定は正規には11時45分。ミラノ発ジェノバ行きのIcpの発車は12時5分。乗換に20分は余裕ある計算だったけど,ミラノのジャンクション駅はかなりでかいはず。さらに遅れるとちょい危ういんとちゃう?
icp切符をミラノで短時間で買う自信がなかったんで,クレモナで買い求めてみた。「1205milano→jenovaa Icp」って紙に書いて窓口のお姉様に差し出したら,コンピューターをチョンチョンして発行してくれた。
ε15.50。ESとはレベルが違う値段。JRなら新幹線と通常特急の違い並みか?
ただしジェノバはプリンチペ駅行き。宿に近いブリニョーレ駅には止まらないって?じゃあ…いきなりプリンチペに着いて地下鉄ってことに?
歩き方はプリンチペ駅界隈の治安の悪さをしきりに強調してた。港町ジェノバは船乗り気質で基本的に危ないらしい。うーん…未だビビりまくりのイタリア10日目。
しかし皆様ファッショナブルだの~!!原色バリバリのお姉様からシックにまとめてるナイスガイまで個性派揃い。
昨日入った本屋。手帳やカレンダーも見たことのないセンスのが多くて,思わず手が出そうになりました。
列車はクレモナの街を出た。一気に凄まじく広がる畑地。まだ山並みはどの方向にも見えて来ない。
長さ150mはある可動式スプリンクラー。大規模農法の大地です。
イタリア北部の地形は小規模ながらインドの北半分に似てるんだろう。長靴形の山塊がヨーロッパ本土にぶつかって,ヒマラヤのようにアルプスを形成。東西に流れるガンガーに相当するのが,ポー河。してみると,ジェノバの位置がパキスタン南部に当たるわけだろけど,イタリアのこの方面には大きな河はない。いずれにせよ,ミラノからジェノバまではまた一山越える形になる。
明日は一度諦めたチンクエテッレの一部を歩いてみることにしよう。日曜日の街はどっちにしても人気がないだろし,ブドウ畑の中の道らしいし。それには今日中にやや細かい地図を手に入れないと。
11時5分,Casalsterlengo(綴り不確か)って駅を過ぎる。向かい席のガキが呟いてた発音は「カサルステルレンゴ」…ってゆうか一つの単語がとにかく長過ぎるぞイタリア語!
既にミラノ圏のはずだけど,携帯はやはり繋がらない。繋がってこそ通信。Vodafonはさっきクレモナ駅前で見たのを始めわんさかあるから通じるんだろね。AU海外に弱~し!!
11時35分…Milano着?エラく早いぞ?と思ったらMilano Rogoredoって駅でした。ホームの電光掲示はやはりRitard Delay5’の表示。
9時43分…ミラノだけどまた違う!Milano Lanblateって駅。どのミラノ駅なんだ?
さっき同じコーチにいた浅黒い子連れ女が車掌と揉めてる。それで少し時間食ってる臭い。
11時52分,今度こそMilano Centlale駅に到着。飛び降りてホームを走る。
結局…着いたホームが22番で目的のIcp(今更ながらだけどラ・スペンツァ行きでした)の発車ホームが隣の21番だったんで,そんなに苦もなく乗り換えできました。ふーい!
乗り込んだicpは,ESと違って6席のバース席が連なる日本のB寝台車形式。インド型です。
電光掲示でよく確認出来なかったけど,この列車,ブリニョーレ駅にも止まるっぽい表示だったぞ!?
ただ方向的にプリンチペよりブリニョーレの方が先だし…止まらなかったら怖いよな~。
疑念が疑念を生んで「?」マークで一杯の頭のまんま,12時5分定刻,icpはミラノ駅を発したんでした。
▲ミラノからジェノヴァ行きのICP車窓より
13時20分,久しぶりにトンネルとゆーものに入った。かなり長い。さっきから進行方向に山並みが見えてたから,ジェノバ北側の山塊に入ったんだろう。さて…もう一度小便行っとこかね。
ついにプリンチペ着。皆さん降りてくからわしもリュックを持ち上げたけど…同じバースで大きなノートに何か書きまくってるハイソなお姉様,彼女だけ動きなし。試しに聴くと,やはりこの列車,ブリニョーレに止まるらしい。
隣のバースの客にも「ブリニョーレ?」と慌ててるのがいたから間違いないっぽい。ありがとう,お姉様!
13時50分,ブリニョーレ駅下車。
▲ジェノヴァ・ブリニョーレ駅前
駅舎は歴史的だけど,対面にはエラく現代的な建築がドドーン!
9月26日,9月20日通りの宿に荷を下ろす。
と書くとやっぱ訳分からんね。ジェノバの目抜き通りが「Via XX Settembre」,つまり9月20日通り。仕方ないからガイド本の先例に習ってセッテンブレ通りとしましょう。
この通りの4階(日本で言う5階)の宿に荷を下ろしました。
エレベーターが時々しか動かない。エレベーターっても,手動でガッチャンと閉めるタイプ。イタリアやインドじゃ割と珍しくないけど,日本ならそれ自体が歴史的遺物。途中で止まらないことだけ祈るしかない。
▲トラットリアのあるピアッツァ
▲ピアッツァの絵画き
もう夕方だけど…とりあえず昼飯を求めて港方向へ歩く。
▲フェッラーリ広場からの坂道
坂道だらけ!しかも複雑なアップダウンに通路が入り組み,地面の上を歩いてたつもりが3階に出てたり,広い通りのドン詰まりが路地奥みたいに終わってたり…スゴい迷路都市!!
しかも路地裏は危険だから近寄るべからずってんだから…確かに,確実に怪しさプンプンだしスリル満点!!
▲ゲートを抜けて
▲坂道の路地裏
▲乗用車の並ぶ路地裏
港沿いに出ると,また独特の怪しさが充満。
ソウル港の辺りがこんなだけど,一種無国籍な荒くれっぽい空気で,現にガンガンに酒をあおってる奴らがそこかしこに。飯も食えそーなのに,ちょっとこの席は…勇気がない。
波止場辺りは辛うじて健全な客層だったんで,この辺でチンクエのマップを買って早々に引き上げ…って…あっ!!まだ飯食えてないし?
▲ジェノヴァ港あたり
▲クルーザーの並ぶ港
それでビビり屋の末路みたいな感じでやや惨め目に…今日のとっても遅い昼ご飯(もう5時過ぎだけど)は最も安易なピッツアの買い食いにしたんだよッいーじゃねーかワシの勝手じゃろーが,放っといてくれよッ…とか典型的な負け犬のヤサグレ状態。
▲坂道途中の脇道のピザ屋
▲フォカッチャ・コン・ペースト
ちょっと路地裏に入ったとこだったけどかなり人だかりがしてたこのお店,商品名の表示がありました。「Foccacia con pest」だって。
先に書いとこう──これが大当たり!
オリーブ油タップリでカロリーは高そうだったけど,真緑のフォカッチャ。
…凄い!何て言えばいーのか…バジルの香り方が尋常じゃない!ムッとむせるよな甘くとも渋い芳香が,それだけでピッツアの具になっちゃってんの!!
pestってのは,ここではジェノベーゼペーストを差すらしい。
けど帰り道はそんな絶品とも知らず,ピッツアをグレ気味にぷらぷらぶら下げて帰る。
赤い横断幕が目につく。──L’OKT BERFEST A GENOVA! piazza della Vittoria,24-27 settembre’09
何かのイベント期間中らしいね…って,どーせそん位しか分かんねえよッイタリア語なんかペラペラ気取って喋れっかよッ,ケッ!
▲ジェノヴァのオリエンタル市場
▲オリエンタル市場の八百屋軒先
宿が近づいたけど,やっぱそのまま帰るには悲しいし…それに晩飯まだじゃん!
駅前から伸びる狭い繁華街のコロンボ通りへ。ここでベイビーヨーグルトって店に巡り会うんだけど,その話はジェラートの章に譲る。
歓喜したのは,セッテンブレとコロンボの間のオリエンタル市場!
まさにバザールって猥雑さ!品もボローニャとはまた違う多品目でごった返してます!
バコバコに買い込んで宿に帰りました!本日のお話はこの戦利品のご紹介を持って締めとするぜ。やっぱ大切なのは…何者をも怖れぬ勇気なのさ!!
▲Vero genovese ε8.31
かなり高かった。ただのブドウパンに見えたけど…何か他のナッツも入ってるかも?甘くないけど芳香はケーキの豊さ。食いきれんから半分は,明日のトレッキング食としてバックに押し込んどくことにします。
▲Foccacia all origanoε0.31
50円!何ださっきのVero genoveseとの差は!?まさか…ボリ!?
オリガノが黒く生地に浮いてるけど噛みわけられない。その代わり匂いが素晴らしくフォカッチャに絡みつく。生地はサクサクで菓子パン的。
▲Foccacia al formaggio
入ってんのは普通のチーズに思えたけど,これがフォカッチャに絶妙に合う!どーなってんだ,このコントロール?
値段も大したことなかったと思うけど…。記録漏れだよッ悪いのはどーせワシだよッ!!
▲Iosalata lussa ε3.50
マヨネーズがかかったポテトサラダなんだけど,マヨネーズは明らかに市販のじゃなくポワッとふくよかな味わい。えもいわれぬ香りは,ポテトの中に沈んでるオリーブの酢漬けから染み出してるらしい。
▲mazzy extra ε1.80
トリップのサラダみたいなの。市場外側の肉屋の軒先でバック購入。
食べると…馬刺に似た味だけど,明瞭に生肉!く…食えるのか?ベラボーに美味かったからそのまま食ったが…どの部位?ってか何の肉?謎は多いけど香草入りでした(いーのかそれで!?)。
市場内にも凄い数のハーブを小売りしてる店があった。
インドのスパイス屋並みの種類だぞ?イタリアンって…こんなにハーブを駆使して作るの!?
少なし…ジェノバの食のトレンドってこのハーブ使いの引き出しの多さみたいな気がする。その代表選手がペーストなんだろな。