▲ミラノのモスコヴァ通りで休憩してたら,犬が傍らに寄ってきて…てこでも動かなくなった。なんで?喜んでいーのか悲しむべきか?
12日目じゃ!
明日の昼イチにはイタリアをアウトなんじゃ!月曜日って美術館を中心にほとんどの施設が休館日(日曜がカキ入れ時だからって理由は日本と重なるのか?)だし,規定カロリーが余りまくってることもあるし,ミラノでは断固食いまくるどお!!
ってことで張り切りまくってまたもや朝駆け。6時35分定刻,Genova brignore駅発の列車に乗っちゃいました。
闇のジェノバと光溢れるチンクエ・テッレ──満喫でした…。
8時20分にMilano centrale着予定のIC。さっきラ・スペンツァ発だと放送してたし,往路のIcpと車内はあんまり大差なし。
ただし客は席数の半分ほど。月曜日のこの時間だから日本の都心方向ならラッシュ真っ盛りのはずだけど,やはりイタリア人,夜型人間と見えるね。
コーチの6人席には3人のみ。対面席には黒皮コートに,まだ夜明け前の真っ暗闇なのにサングラスでキメたバリバリお姉様が足を組んでる。席2つ左では,サラリーマン風の白髪紳士がいきなりパソコン開いてメールチェックとかしてる。
そのコーチの進行方向窓際席で,もう20年モノのバックパックを棚に上げて歩き方を読んでるわし。思えば奇妙な車内ッス。
▲かなり豪勢なミラノ・チェントラル駅ホーム
空が明るみ始めた。
8時。窓外にはロンバルディアの平地に帰ってきた。既に山は見えない。
潅木疎ら。地平まで連なる畑。その柔らかに纏う浅い霧が染まる。日照とともに刻々色彩を転じて止まない黄金色。
8時11分,Milano regoredoを過ぎる。既に樹木の支配地より人工のビル群の敷地が視野を占めてる。
8時22分,ミラノ・チェントラーレ駅のホームに立つ。
空港リムジンは駅そば発。通りかかると何軒ものタバッキが「AirPortBus」の紙表示をかざしてた。
…なんで駅そばのアルベルゴ(安宿)に部屋をキープ。845アルベルゴ・イタリアに予定通りチェックイン。ε40とこちらは予定のε25じゃなかった。ハイシーズンだからね,とフロントの巨体のメガネ男,ニヤリ。バス・トイレ共同だけど辛うじて小さなテレビはある。
まあいーか…。トラム,地下鉄ともアクセスはいい。
部屋の中には,なぜか灰皿もある。ここは喫煙可…?ボローニャでは不可,ジェノバでは窓があるからってことで可だったけど,ここは小窓一つで可なの?…よく分からん。
▲ミラノ・モスコヴァ通の八百屋 栗とボルチーノ
イタリア旅行で何が困るって,コンビニがないことです。ボローニャで何か過ごし易かったのはコープが近かったから。経済水準的にはこんだけリッチな生活してて,不便に感じないのかね?
まあ考えてみりゃ,コンビニは,それがないと生きてけないもんでもない。昔はなかったわけだし。生活者ならタバッキとバールで大抵の物資は購入できる。つまりこの国,単身者や学生とかのストレンジャーの率が低いってことなのか?
ならば──首都ミラノはどうだ?
ボローニャでも大学近辺には,スーペルメルカートこそ見かけなかったけど安い飯屋は多かった。サラリーマンの昼飯街も同じ感じ。
そーゆー意味では,6つ目の滞在地ミラノは初めて訪れる「ストレンジャーの町」かも知れない…と期待するわけでした。
▲ミラノ・モスコヴァ通の果物屋
早速モスコヴァ通りに繰り出した。
とゆーのはジェノバで購入したε20以下の食堂ガイドの情報を活用したかったから。ε20は高いけど中にはε10以下の食堂バールの記事もあって,住所表示だけだけどモスコヴァ通りの店が載ってたわけ。
ただ…行ってみたらどーも。地元密着店過ぎるのか…利用システムがまるで不明!
言葉が通じないとちょっと辛そッス…。この企画,完敗!
ただ。探してたL’ANGELO DELLA MOSCOVAってバールでは,飯は諦めたけどカッフェだけは頂きました。力強いストレートな迫力の苦み!
飯は昼どきのみオステリアになる奥手の数席で食えるみたい。いー感じだったんだけどなー。
▲ミラノ リゾット・アル・フンギ Risotto al funghi ε4.10
結局,通りがかりのオステリアに入りました。ミラノで食っときたかったリゾットに惹かれちゃって…。
インサラータとリゾットでε10位。インサラータはやっぱり具が満載の大満足もの!
けど唸ったのはリゾット。…マジで旨いのね。見た目はピンとしない茶色がかったクタクタご飯なんだけど,中華粥と違ってオリーブオイルとハーブのフレーバーがバーっと花咲く爽快感!それと胡椒の効き方が絶妙にちょーどいい。
ただし──イタリア人にとって米って野菜の一種で主食感覚じゃないのね。インサラータと一緒に頼むと「え?それだけ?」って確認された。メニュー表記もサラダの並びで,物凄くヘルシーな部類の食材らしい。中華粥より汁気がないからそれ程低カロでもないし十分メインなんだけど?
この店,何と中国語が通じた。緩い入管政策がEU的にも批判されてるイタリア,ここミラノにはやたらチャイニーズ多かったです。
▲謎の瓶詰めPAGO。かなりあちこちの店に,しかもこの位ドッチャリ置いてある。結局飲まなかったけど青汁っぽいの?
モスコヴァ通りでは,Carrefour Expressってスーペルメルカートが2つありました。朝から相当の客足。覗きこむ限り惣菜コーナーにも人が群れてるし、品数多く新鮮そう。
コープ以外にもこういう店が、ミラノでは出てきてる。フィレンツェにもあったから,都会にはかなりの数あるみたいです。
少し南へ下ったPiazza sun marcoでは,メルカート(市場)が開かれてました。偶然なので曜日限定かどうかは不明。小物と果物が中心。例の専用キャンピングカーが30台ほど連なってました。観光名所でもなく,普通の生活ベースの落ち着いたメルカートでした。
▲ドゥオーモ脇のアウトグリルのプレート
歩き方のミラノの記事には,珍しくセルフが紹介してあった。ミラノの町の中心部は,イタリアの町の例に洩れずドゥオーモなんだけど,その脇にある大型チェーン店ってことでした。
モスコヴァから南へ歩くとドゥオーモに出たので,まあ一度と思いまして…ってゆーかε20本の店を探せなかったからそろそろ腹が減ってきて止む無く…。
で,入ってみました「アウトグリル」。大型モールの2階が全部セルフになってて,その時は過去2週間の食体験上感激したけど…今考えたら,日本なら社員食堂並みだよな。これで感激しちゃうところが良くも悪くもイタリア食事情を象徴してまんな。
基本システムはクレモナのセルフと同じで,パン→飲み物→プリモ→セコンド→キャッシャーと続く。ただし流石に品数と豪華さが違う!
この豪華さってのは…ちょっと油断して高額プレートを取っちゃうとえらい値が張る!この時は舞い上がって,サラダに白身魚のムニエル,リゾットにスープにドルチェまで取ってしまったんでε18以上行ってしまいました。
それならリストランテ行けよ!
え~だって美味そうだったし…実際美味かったんだから仕方ないっしょ?
リゾットはやはりアル・フンギだったみたいだけど,とにかくとろける香りに陶酔。
白身魚…スズキに似てたが何の魚かは分らん。今回のイタリアで魚食ったのはこの時だけだったけど,クリーム系でないふくよかなソースは…おそらく何かのハーブだろう。白身に絡ませるこういう調理の引き出しもイタリアンは持ってんですね。ただ,フランス料理にはよくある味覚。シチリアには魚介類の料理が豊富って言うし,パスタにはペスカトーレもあんだから,もっとわしの知らないイタリアの魚料理ってあるんでしょうね。
さらに…ちょっと後悔したのはドルチェ。木の実の入った知らない甘さ…?何だこの複雑に喉に絡みつく甘味のハモり方は??
そうか…ジェラートはがんがんに食ったけど,ケーキ系のドルチェって盲点だったかも…ああ勿体ねー!!
▲ドゥオーモ脇名物フォカッチャ
観光客の押し寄せてた店。油ギッシュでB級グルメ的にイケるけど,本来のイタリアンとは筋違い?
一度宿に帰る。歩き方に載ってた駅そばのピザ屋を訪ねるが,あまりに客がいないんで止めた。やはりイタリア食体験は己の耳目に頼るしかない!
けど完全にピザ食う口になっちゃってたんで…宿の回りで回転の良さそうな店でテイクアウト。「D’ASPORTO」って名で,気のいいおばちゃん一人のお店でしたが…。
ε3.00。まあピザならいいやと宿でかぶりつく。
▲宿横ピッツア(フルーツ入り)
ええ~!?どえりゃあ美味いじゃん!!
ローマやボローニャのピザは理解できる美味さでした。でもこの店のは…残念ながら驚くだけで理解の域を超えてました。フルーツの甘味がどういう訳かチーズにうま~くジョイントしてる。具で食わすピザって意味ではアメリカや日本系のはずなのに…。
ミラノのピザってのも,まだまだ引き出しが多いのかも。恐るべし恐るべし!
▲アウトグリル2回目(ペースト&ドルチェ)
▲同(フルーツ&グリーンピース)
夕方,2回目のアウトグリル。(え!?2回目??)
ジェノベーゼペーストのパスタは思ったほどじゃなかった。でもグリーンピースは驚き。にがりの強い岩塩を利かせたシンプルな豆料理!!こーゆーのもイタリアンにあるんだ…。米と同じでサラダと同列に並んでたけど,おそらくフォカッチャと同じ古い系統なんでしょう。
にしても…ドルチェが美味い!フルーツの地の味を上手く生かしてるケーキ!京都北山のフルーツケーキと基本的に同じ味覚戦略…ってゆーか恐らくイタリアが源流!?あああ~勿体ね~!!
▲それ…おいしい顔かあ!?アウトグリル看板男の変な顔
7時が近づき流石に暗くなってきた。1番トラムでチェントラレ駅へ帰る。
初めてのラインだったんで1つ前で降り間違えた。仕方ないからしばらく歩くと,見慣れた文字が辺り中にあるのに気付く。
漢字だらけ?
マッサージ屋まである。1時間ε30と日本並みだから入る気にならんかったけど,台湾から東南アジアまでお馴染みの足ツボ図解の絵柄まである。
どうも──このチェントラレ駅南東の一角,リトル中国状態。
試しにスーペルメルカートっぽい店に入ってみると,商品が完全に中国状態。茶葉から臭豆腐まで売ってる。
レジで中国語を使ってみる。1.5Lのミネラルウォーターを持って「多銭?」(幾ら?)とお姉ちゃんに問う。一瞬動じただけで「対」と返事が返る。続いて「是ヨウチー可以[口馬]?」(ヨウチーでいーの?)。
ヨウチー?「陽気」か?オイラはいつでも陽気さ!?ええ加減に頷いてたら──も一度ペットのコーナーへ案内される。あッそゆこと?「有気是Gassata的意図[口馬]?」(ヨウチーって「ガッサータ」(炭酸入)?)と確認すると「是的,[イノホ]要有気還是無気?」「要有気,有気!」と慌てて言い直しました。お姉ちゃん,ちょいイライラ中国人モード。スミマセン,どっちの言葉もいい加減で…。
フィレンツェの中華街と言い,漢民族ってちゃんと足場を築いて生活圏を広げてるんだよな。
同時に。多民族社会としてのイタリアも10年後が楽しみになってきました。
▲駅前セルフのガラスケース
実はこの後──宿そばでさらにもう一軒セルフを見つけてね…。流石に残カロリー使い切ったけど。
サラダとドルチェだけ軽く。
モッツアレラとトマトだけのサラダ,チーズとオリーブのせいか素晴らしかった!ドルチェもリンゴ果肉が生きてる。
あかん…完璧にミラノは消化不良じゃわ!
▲駅前セルフのチーズのインサラータ
▲同リンゴタルト