外伝10 弗 弗the tenth day-photo3弗 How terrific farm products is!

▲Tomkins squ.parkグリマ:Norwith Meadows Farm llcのCippolini OnionsとShallots
 イケてた。小粒ながら味わいの分厚さが素晴らしい!
 実は…ジョージア名産の玉ねぎと勘違いして買いました。――正解はダリアオニオン(Vidalia onion),「世界で最も甘いたまねぎ」。ビダリアとグレンビル(Glennville)の周辺でのみ収穫される。結局今回買えなかった…どんなんだったんだろ?

▲W77th st.Columbus Ave.グリマ:Gajeski ProduceのRed plumとBlackcerry tomato
 左側の黒いブドウみたいのがブラックチェリートマト。果皮が濃ゆい黒紫の色,でも中味は日本のより赤黒い品種で,初めて見ました。お味も面白いくて,ジューシーかつコクのような苦味のような強い個性有。カットして葉野菜に混ぜるとスゴいだろな。
 後で調べたとこでは,ピクルスにしてもいいらしい。原産イタリア。
 レッドプラムの方はアメリカにしてはごくアッサリした味覚でしたが,ジューシーさと気品のある香りはかなりのものでした。

▲Tomkins squ.parkグリマ:Norwith Meadows Farm llcのHeirloom Tomatoes
 ビーフステーキトマトほどドロッとした肉厚感はなく,日本の普通のトマト味なんだけど,だからこそワイルドな味わいが際立ってます。見かけはムチャクチャ悪いんだけど,味は断然こっちのもん!
 で…英語には不自由のない私ではあるが…エアルームって何だ?
 辞書によると。意味は「先祖伝来の家宝」みたいなとこ。法律用語では世襲財産とか法定相続動産の意も。――「お宝トマト」みたいな語感か?何だそれ?
 どーも,バイオ技術を使って色素や甘味を強めたりした大量生産タイプじゃない,自然受粉のトマトを指すらしい。小希望農家がファーマーズマーケットで売ってるうちに流行してきたのが2006年頃なんだって。今では大手スーパーでも「エアルーム」の名で扱われてる。有機栽培トマトって意味づけもなされつつある。
 つまり品種的には総称なので,種類は3000種類以上,大きさも形も色も様々。中でも色の多様さは顕著で,赤の他にオレンジ,黄,茶から,シマシマ模様まであるそうだ。
 つまり意訳すれば「路地トマト」みたいなもんだな。こーゆー嗜好が生まれてる点は,流石にトマト王国。日本のトマト王国(と個人的に思ってる)高知でも,「路地野菜」は重宝されるけど,トマトだけはブランド化してる。
 凸凹トマト,日本のスーパーでも売っててほしいッス。

▲W77th st.Columbus Ave.グリマ:Ardith MaeのFarmstead goat cheese(Fresh Chevre)
 許してくれ,もう持てん。持てんっちゅうのに,味見したのが運の尽きで…うおおお!!!ムッチャ美味いがな!
 グリマのチーズ屋の例に漏れず,小さな机に各タイプの試供品が並べてあるだけで,注文を受けて兄ちゃんが後方フリーザーから取り出してくるタイプの店。
 ゴートの夢見るよな臭みがたまらん!今日もこれとトマトのサラダじゃ!くう~早く帰って食いたいぞよ!

▲W77th st.Columbus Ave.グリマ:Milk thistleのOrganic Milk:Whole milk quarter
 お値段は$4.00,ただしボトル代$1.50含む。gallon(記号gal.)は米式では4リットル弱。クオーターだから1リットル弱の瓶!!
値段は普通のミルクよりは高め。見てると,毎週瓶を持って来て入れてもらって帰る客が多いらしい。つまり固定客目当てなわけだ。――内容物だけなら250円。日本のパック牛乳の倍ほどか。日本でも,大手食品産業が大量生産しない,つまり普通に作ったミルクは400円近いから,まあ美味けりゃ納得できる値段です。
 いやこの際値段はいいとして…ムチャクチャ重い!内容物1kgに,恐らく瓶も同じ程度だろう。この量が最小単位だったんだが,飲み干すわけにもいかず,2kgほどの重さの割れ物をトートパックに詰めて夕方まで歩いてNJまで持ち帰った訳で…。後から思えば,コインロッカーかバゲッジクレイムになぜ預けなかったか,我ながら不思議なこともあるものである。
 ただし,苦労の甲斐があって――宿で飲むと馬鹿ウマ!
 いや,単にウマいってだけじゃない。アメリカンなんである。
 日本で気に入ってる阿蘇や大山の牛乳に,レベルとしては同等。味覚の美しさとしては日本のもんなんだが――この露骨な乳臭さ!ところどころに塊があるほどの不均一さ!端正に,均一にまとめようという努力を全くしてない,ただ搾って持ってきました!って感じの出来たて,ミルクそのもの。
 言葉通りの第一次生産物。その凄み,激しさを,アメリカ人は知ってる。その素朴さが一方でファーストフード化に繋がりながらも,端緒のところで握ってる腹の据わった食感覚。
 強烈なインスピレーションを誘う1リットルでした。もちろん,その夜のうちに飲み干しちゃいました!