第二次香港も残り3日となりました。
平日は今日が最後。とりあえず…もう一度行っとくべきだろ,陸羽茶室。
香港島へ渡る前に一度佐敦へ。24時間営業を掲げてたはずの佐敦のクリーニング店「陽光」が,行くと閉まってるシャッターに8時半開店との表示。汚れ物満載のトートバックを抱えて2度目の陸羽茶室に入ることになりました。
蝦焼売
杏子饅頭
ポーレイ茶
計104.5HK$
と,こう書くとひどくありきたりなんですけど,やっぱりこの老舗は素晴らしい!
名店の朝食でスタートしたんで,その勢いでやはり2度目の蘭芳園へ。朝食タイムの訪問は初めてです。
鮮油ポラ包 22HK$
[女乃]茶付
ここも当然のように凄まじい。
朝食の後の軽いティータイム…と言えば聞こえはいいが,飲茶そのものが読んで字の如く,とゆーより文字以上にお茶のがぶ飲みだから,中国茶と紅茶のハシゴってのが実態なわけで――程なく,当然にして必然的に襲い来る尿意の高波。
ただそれは2,3時間後のこと。蘭芳園を出たわしは,まん前で賑わってたABC餅屋に惹きつけられてちょっと試食。
鶏尾包3.8HK$
エスカレーター下,斜面の緑地に点在するベンチで,このいかにも香港らしいチープな一品を頬張る至福。
佐敦に戻り,やっと開店した陽光に洗濯物を出す。
陽光のおばちゃん,何とわしの姓名を全部記憶してた。よっぽど珍しかったか,それともよっぽど奇妙なふるまいしてたのか?料金は重さで決まるらしく,上下下着各2枚をハカリのカゴに載せると27HK$の表示。
やれやれ…これで何とか臭くない出国を果たせそうです。
意外にやったことなかったんだけど,歩いて尖沙[ロ且]まで南下してみる。
歩き方に載ってたミラマーというビルに寄る。聞いてた客家何とかって飲茶店を探すが…どうも存在しないみたい。
ネイザンロード東側のこのビルには,珈琲屋が3つ確認。スタバ,バシフィック,あと知らない店も。いずれもメニューにエスプレッソがあるみたいだが,どこも禁煙でしかもチェーンみたいなんでスルー。
確かミラマー商場って韓国で見かけなかったっけ?外資の店が多いし,コリアン資本の雑居ビルなんだろか?
結局,かなり尖沙[ロ且]のいつも歩くエリアに近い頂好海鮮酒家で早い昼飯みたいなことにする。
鼓汁蒸鳳爪
惹味金[金矛][月土]
(いずれも「中」,各11.9HK$)
ポーレイ茶 7.8HK$
10%の「服務費」が付いて計34.8HK$
この疲れて仕方なく入ったような店が,意外にも良かった。雰囲気も地元コテコテでも高級感バリバリでもなくて,入ったことのない気安さで,なかなか使える飲茶店。香港って,こういう隠し(てるわけじゃないんだろが)スポットがどこまで行っても見つかるとこが――やっぱ止められません。
▲この道行きで見かけた露店の雑誌売り場。客に完全に背を向け,売り物を一心不乱に読みふける売り子のおばちゃん。
すみません,撮っちゃいました。あんまり香港的なもので…しかも気づかれる懸念が全くないくらい熱心だったんで…。
佐敦と尖沙[ロ且]の間を歩いたら,初めて香港入りした20年前を思い出してしまった。あの時に歩いた香港の離島…あれどこだっけ?
とかちょっと記憶に浸ってたら,ついランタオ島に渡ってしまってました。
いやあ…記憶以上に凄かった!
フラッと行った割には…ランタオ島ってバカでかい島なのね。何やかんやで昼飯食うのも忘れてうろついてたら,島の北側MTR東桶駅に着いた時には14時を回ってました。
けどもこの東桶,あんまりゴタゴタした街並みはない新興地。面白い飯が食える気配はまるっきりない。
開き直って駅接続のアウトレットモールへ。
Foodrepublicってフードコートがあった。かなり大規模なんだけど,香港人にとってもココしか食うとこないのか,どこもムチャクチャ混んでます。
泰国美食なるタイ料理店でソムタム(36HK$)を買ってみた。イートインのつもりだったけど包まれてしまった。しかもうっかり「大辣」(激辛)と言ってしまったもんだから…宿で泣きながら食うハメに。味はまあまあだったか。
ちなみに漢字表記は「青木瓜沙律」。「青木瓜」が意訳の青パパイヤ,「沙律」が音訳のサラダを意味するらしい。
同じくフードコートに以前入り損ねた大興を見つけたんで,ここで昼飯にしてみる。
T2 軽○墨魚四宝飯23
[女乃]茶付き
注文時に「太少的」と注意されてはいたが…香港の定食屋にはあるまじき少なさ!普段は喜ぶべきことだったけど,今の空腹状況では…ちょっと。
東桶はホント,光輝く町でした。香港の街がなべて持つ暗さが何もない,日本と言うよりアメリカのアトランタに近い空気の町。アウトレットモールとアパート以外は存在感を持たないような街。恐らく,新空港が出来て開発エリアが西へ伸びた頃に出来た街だと思います。
3時を回った。東桶線乗車。
この線は,空港線の一つ海側の地上を東へ走って九龍半島にたどり着く。海の向こうは[サ/全]湾か?いやあのビルの高さは屯門か?
心地良い時空の混乱を感じてました。ランタオ島は,六界巡りのような不可思議な島でした。漁村と刑務所と安アパートとアウトレットモール――それらがハチャメチャに浦々に跋扈してる。島そのもので,現代の地球上を体現してるような――。
ホントこの香港という場所は…長く居れば居るほど,どこに居るのか分からなくなってくる。不思議にそれは,浮遊感ではなくむしろ重力感として感覚される。
だからこの位の時間居続けると,ひしひしと感じさせられるんである。大層に言えば――現代地球人としての実在の重さ…みたいな。
青衣を出てすぐ東,丸ごと墓地に覆われた丘が見える。
墓地を隠さない,隠れた墓地を良しと見ない。現代的なのか,中国的なのか,そんなこと言うとれんという意味で香港的なのか…?
美フォで降り過ごした。九龍で下車して佐敦まで歩くことにしよう。
南晶の駅構内は,なぜかケータイのアンテナが3本立ったままでした。WiFi設備が整ってる模様。
地下鉄車内でフラッシュたいて写真写す観光客有り。シンガポール人!?いや大陸中国人だろな…少なし日本人じゃないな,この腹の座り方は。一人が撮ったもんだから,続けざまに数人がバシャバシャ撮りまくってます。ムチャクチャ目立ってますけど全然気にもしてませんぜ!?
九龍駅着。
今回は時間に余裕があるんで,駅ビルを少しうろついてみた。
ビルはエレメンツというモールになってるらしい。この東に出来つつあるアスターという新駅との間の地域の工事も,前回より本格化してました。
前回謎のままに終わってた中国国境越えのバスの発着オフィスを見つける。ここから出るみたい。
この再開発エリア,3年ほどでとんでもなく変貌を遂げると思われる。さて何が出現するんだろ?
佐敦のクリーニング屋陽光で洗い物を回収。
まっすぐ地下鉄入り口に向かってたら,えらく賑わってる街角を見つける。白加士街と宝霊街の四つ角,皆さんの目当ては全新美食店というテイクアウト店――と言うと聞こえはいいが,ちっちゃな窓が空いたガラス貼りの厨房,大陸中国の古き悪しき共産配給所そのもの。
こんなとこが美味いはずねえだろ?と決めつけつつ,あんまり皆さんが寄ってたかってるんでつい並んで買ってしまった。
焼売 7HK$
シエン肉粽 10HK$
結果は大吉!!香港の食は雑踏中に有り!!
▲壁一面の広告表示。
ちょっと店舗が途切れただけの場所ですが,壁一面どころか他人の広告に重ね貼りまでしてる。香港の方々は,スペースさえあれば看板やチラシで埋めないと気が済まないらしい。
佐敦よりちょっと南側辺りで,例によって何となく定食屋に立ち寄ってみた。
喜多[サ/利]ティンって店。
麻婆豆腐飯 27HK$
[女乃]茶付き
文句を言おうとすりゃ色々言えるが,全般的にはこれまた意外に満足して,それで何となく勢いでネイザンロードを走るバスにフラッと乗ってみる。
2階建てバスはいい。見慣れた街並みが全く違うのどかさを帯びる。
と…?あらら,尖沙[ロ且]の前でバスがネイザンロードより東に曲がって。慌てて飛び降りる。どうやら橋を渡って香港島へ渡る路線だったらしい。やっぱちょっと路線バスは難易度高い。でも,一方でそのまんま間違って行ってみても面白かったかも…と悔やむ自分がいる。
迷いたくてたまらない。立ち上がり切ったツーリスト根性が,身体の疲れを無視して走り出そうとする。旅行の末期症状。
奇華餅家 尖沙[ロ且]港[立占]分店
12支庄牛油蛋巻 12HK$
香港のあちこちにあるこのチェーン店で,気になってた卵ロールを購入。「牛油」はバター,「蛋」は卵。
宿で食うと?あらら?…普通のロール菓子じゃんか?卵の効き方も特筆するよなもんはないし…これじゃあホワイトロリータの勝ちだな。
歩いて南下。尖沙[ロ且]の,裏道がグチャグチャに伸び広がる界隈に入る。
知らず知らずに定食屋を探してた。すっかり味をしめてしまった。
加掌分道で陳誠記茶餐ティンという店を見つける。
地下の店。
鼓椒鶏球飯 33HK$
例湯:腐竹銀杏猪[月土]湯
旅行もあと3日というこの時点で発見した店でしたが,計3回通うことになりました。
夜になった。ネイザンロードの反対側の雑踏をさらにうろつく。
中でも常に賑わってる楽道と海防道のT字角,龍律美食という小食屋がありました。
秘製馬蹄露 7HK$
英語名Water Chestnut with Grass Jelly。ついに手を出してしまいました。
ワケワカランけど否定しがたく美味い。
香港の路地裏の味覚。その底知れない深みとバリエーションに酔いながら,熱気の中を歩く至福。
▲早餐,つまりモーニングの表示例。これは出前一丁セット。香港ではなぜか一つの料理名として扱われてる。しかし,出前一丁とバンと目玉焼き…この取り合わせに違和感を感じないとこが,逆に香港らしいんだけども。