外伝06@明潭@(@_52B_@) 第二日@写真集・日月澤一周(後半戦) (@_52B_@)

▲路上からの湖水眺望。大分高度を上げてきた辺り。植栽はまさに熱帯。

┌────┸──┐
┤ ■■■■■■│
│ ■■■■■■│
└┐■ 日月澤 ■│
 │■■■■■■│
道│■ ◎■■■│
 └──────┘

 唐の昔,玄奘三蔵は天竺大雷恩寺を目指したが,13時05分,わしは日月澤湖畔玄奘寺(◎[→夢の日月潭周遊マップ凡例【D】の位置])にたどり着いたのである。
 疲れたんである。
 伊達[召耳]からの坂道がどこまで続くのかと思ってたら,峠の上まで延々続いてました。さっき休んだばかりだけど,玄奘寺もあるし,何か面白そうな店もあるし,ここに紅茶もありそうだし,仕方ないがもう一休みしてしまおう。
「老店50年全台湾最好[ロ乞]的香[サ/姑]茶葉蛋」というものすごい長くて大げさなのが店名らしい。
茶葉蛋10元/個×2個=20元
日月潭紅茶20元
 かなりの人だかりです。有名なのか,あるいはそういう食いたくなるポイントなのか?
 店に入ってくと,土産物屋の奥に湖を見下ろすカウンターみたいなスペースがある。風もいいし,もうかれこれ30分も一番奥のソファに居座ってしまってます。
 40元しか払わんのに迷惑な客である。
 紅茶は,何かさっきのよりは外してる。けど,確かに茶蛋はスゴい!卵の白身を味わえるようになったからだろうか!?発酵茶らしき香が蛋白な白身の味と微妙な絡まり方をしてて…何とも似せようのない味わいです。
 これを味わえてしまうと,黄身の味わいにも気づけてきた。微妙だけど決定的に作用してるこの腐った茶みたいな香…これは酔わせる香りです。
 台湾の味覚の独自性はこの「腐ったような苦さ」にあるっぽい。それを彼らは広い意味で「滷味」として自覚してる。そういうことなんじゃないかと思えてきた。
 後方から軽快な台湾ポップスが流れる。軽い眠りに誘われる。最高な午後です。
 とかいい気になってたけど去り際に気がついた。すぐ右手に木彫りの原住民の娘像があって,彼女は両乳むき出し乳首ビンビンでニッコリ。
 そんな場所で長居してた外国人って…ちょっと恥ずかくね?

▲玄奘寺の茶店で一服

┌────┸──┐
┤ ■■■■■■│
│ ■■■■■■│
└┐■ 日月澤 ■│
 │■■■■■■│
道│■  ■■■│
 ◎──────┘


 峠っぽかったからそこから一気に下るのかと思いきや,またぞろ登りに入る(◎[→夢の日月潭周遊マップ凡例【E】の位置])。
 登りきってしばらく下ると,入江が見えてきた。そこから湖岸を走れるかと思ってたけど…どうも遊歩道らしい。自転車はもう一つ上の道を行くしかないようです。

 そちらへ道を取ると…え!?また登るのか?もうそろそろ勘弁してほしいぞ?

※後日談:この頂社付近が一番怖かった。記録も取れなくなったほどで……湖水が見えなくなるからです。方角を誤れば湖から離れた山中に入ってしまうけれど道はどんどん登っていく。分岐は多い。幸い人家は多いから,位置情報の分かる機器か詳細地図を持っていかないと危険です。
 登り切ったところで道がトンネルに入ってく。トンネルをくぐらずに湖側を行く「1450月潭自行車道」という道が地図にはあるのに…見つからない。それっぽい道で閉鎖された場所が見えたから,トンネル開通後廃道になった可能性もある。あるいはまだ出来てない道なのか?
 しかし方向的に──このトンネル抜けちゃうと日月澤の東岸の高地の向こう側に出ることになるぞ?
 でも他に道がない。ままよとトンネルに突入する。[→夢の日月潭周遊マップ凡例【F】の位置]


▲東側,湖から尾根を隔てた明るい農村…というか巨大なビニールハウスコロニー

┌────┸──┐
┤ ■■■■■■│
◎ ■■■■■■│
└┐■ 日月澤 ■│
 │■■■■■■│
道│■  ■■■│
 └──────┘

 長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった。
 それなら涼しくてよかろうけど,もろ熱帯的な風景になった。すでに湖は全く見えないし,そっちの方角には高い尾根が連なってる。ここで迷ったら台湾山中で行方不明になりそう…なほど遠くに来てるはずはないんだけど,そんな不安に駆られつつ。
 今度こそ一気に下る。下ってどこへ出るのかムチャクチャ不安だけどとにかく下る。これでダメならもう戻るしかない。それはゲゲッである。
 そんな状況下ではあるんだけど,何か旨そうな露店を発見。
 店名「農夫珈琲桟」。Farm’s Cafeとも表示あり。名前のセンスだけで入ってみる。
招牌皇家布労[其斤] 60元
「布労[其斤]」はおそらくブラジルのことだろう。
 かなりいい珈琲だと思う。農作物として生きのいい珈琲豆であることは間違いない。アロマもコクもいい線行ってる。ただ…いかんせん技術的に…まだ漢民族系の国で珈琲で感動したことがない。
 青空カフェでハードロックが流れて雰囲気もセンスもいーんだが…。

▲尾根東から湖側へ戻る坂道から。厳しい道行きです。

┌────┸──┐
◎ ■■■■■■│
│ ■■■■■■│
└┐■ 日月澤 ■│
 │■■■■■■│
道│■  ■■■│
 └──────┘

 道は再び登りに。[→夢の日月潭周遊マップ凡例【G】の位置]
 ゆるやかな傾斜だけど,これが一番きつい。
 ついに歩きに変える。三叉路から先は道幅が突然広がって一部は片側三車線位になった。交通量も増したけど…本当にこっちでいいんだろな?たどり着いた先が台中とかだったら笑えるぞ?
 まあとにかく,山中の遭難はありそうにないからいーか。
 登り切ったら今度はまた馬鹿デカいトンネルに入ってしまう。良く考えたら,湖東岸の尾根を再度くぐって無事湖岸へ生還(?)するわけだけど,悪くすれば日月澤エリアから他の知らないエリアにいらっしゃい!になって…しまうはずはない!地図にもこんなトンネルはないんだけど,こっちのはず!
 アドバイス:ツーリングにはまともな地図を持っていきましょう。

 トンネルを抜けるとそこは雪国(もういいって)じゃなくて湖が広がった。
 日月澤…だよな?別の湖じゃないよな?
 西側ののびやかな風情が全くなく,雰囲気が違う。でも,もう足が勝手に爆走しちゃって止まらない。それにつられて頭もヤケクソモードになってきた。

┌─◎──┸──┐
┤ ■■■■■■│
│ ■■■■■■│
└┐■ 日月澤 ■│
 │■■■■■■│
道│■  ■■■│
 └──────┘

 湖側に何やらデカい建築物(◎[→夢の日月潭周遊マップ凡例【H】の位置])が見えてきた。とにかく休もう…と自転車を止める。歩きながら見てくと,周囲の客はやはり日月澤の観光客とおぼしき人たちです。
 自転車で来てる人も多い。
 要するに,日月澤のレンタルサイクルは,普通は街から東へここまで走って「まあ美しいこと,ほほほ…」と優雅に往復するのがメジャーらしい。
 そこから出発点の街までもそれなりに距離あったけど,もう楽勝です。東岸のことを考えたらもう…あっ!!!ついに宿の街が見えて参りました。
 といった感じで,この壮挙は幕を閉じた。色々あったが大きな問題はなく,概して言えば楽勝であった。

[この2章の要約]今後日月潭に来る方へ:余程に暇か物好きでなければ,1周するのは止めておこうね。
※後日談:もし本当に体力があるなら,「1周します」と自転車を借りて山中に入ったら途方もない発見があるかもしれません。(ただし完璧な地図とかの資料を持参のこと)


▲宿の集落の湖畔に涼む観光客軍団

 なぜかもうしばらく見たくなくなった自転車を「恋」のお店にお返ししまして。
 すぐ隣辺りで明湖茶行という店を見かける。
日月潭紅玉紅茶 450元(600元表示がここまでまかった)
 上の中位のを購入。なかなか値は張ったけど,この茶葉が日本でしばらく酔いしれた逸品でした。
 最後に,この紅茶についてデータを掲げときます。最近はちらほら空港とかでも見かけ始めたし,今から高騰する品かもしれません。

レポ:日月澤紅茶

□日月潭紅茶

形状:茶葉は黒くて茶葉が大きく細長いざっくりとしています
色沢:黒褐色
水色:琥珀色
香気:フルーティーな香り、香りは甘さの中にもスーっとするようななんだか個性的な香り
滋味:舌触りがまろやかな感じの濃度感のあるもの
葉底:褐色
台湾日月潭紅茶は、台湾の魚池郷日月潭の湖の近くで作られる紅茶です。日月潭紅茶の別称、明潭紅茶、水沙連紅茶とも呼ばれる。台湾南投県魚池郷日月潭村原産、広義では埔里産、魚池産の広範囲で産出される紅茶を含む。茶樹の品種として台茶18号(紅玉)が使われるが、台茶7号、台茶8号からも生産される。従って、必ずしも「日月潭紅茶=台茶18号(紅玉)」ではないので注意が必要。海抜600~800mと比較的低地で栽培される。

■後日追加資料:台湾十大サイクリングロード<大紀元

 台湾の日月潭サイクリングロードは、米CNN傘下の旅行情報サイト「CNN Go」で、世界で最も美しい10大サイクリングロードにもランクインしている。「CNN Go」サイトによると、静かで青々とした湖面が魅力の日月潭には多くの観光客が訪れるほか、詩人や画家の創作にインスピレーションを与えていると評価した。2014年10月「日月潭サイクリングロード」は日本の「瀬戸内しまなみ海道サイクリングロード」と姉妹自転車道協定を結んでいる。