外伝02-6구포:《第六次3日目》やっぱりナクチポックムの日

[前期繰越]
    /負債 873

7月13日(日)
0930CAFFE’PASCUCCI(海雲台)
パニーノ(オリジナル)250
アメリカーノ
1330クパヘンス ソメリクッパブ
ソメジャンクッパブ550
1400トック150
チキン150
1500元祖チョバンナクチ
ナクチポックム550(1650)
1530Cafe the Dum
クロワッサン270(1920)
アメリカーノ
1700パッピンス150
[今期計]
消費1800/収益2070
負債 270/
[次期繰越]
    /負債 603

▲途中,徳川だったと思うが休憩をした(客の少ない)カフェの2階から雑然たる街並みを見る。韓国の街並みは,日本に類似しながら,どこか投げやりというか優しさがない。何とも心地よい放置感を感じさせます。

 起床。窓外に雨音を聞く。
 小降りになるまでゆっくりしよう。再び宿の温泉──と言ってもスーパー銭湯並みの広い温泉に浸かる。韓国の温泉ってどうも工場めいてる。軍隊の風呂のイメージを引いてるんだろか。
 釜山の湯は湯田に似た体に負担ない即効の血行改善をもたらす気がしてます。疲れはかなり回復したと思う。
 で,遅くに宿を出る。9時半。南に下る前に腹に入れとこう。

▲CAFFE’PASCUCCI(海雲台)のパニーノ(オリジナル)とアメリカーノ

 えらい時間がかかるなあ。と思ったら,パニーニを1つずつ丁寧に焼いとるみたい。
 おお,これは…店名からしても,ひょっとして本気に本格的なパニーノなんじゃないか!?それは今回のテーマ「紛い物なのに韓国的に美味い!」(に決まりました)にそぐわないぞ?どうしよう?
 …と恐れてたんだが,安心した。このパニーニもイタリア的には明らかに失敗してる。しっかり焼いた割には生地はフワフワ,ホットックの延長です。
 でも,これも期待通りだけど──変に美味い!ある意味,完成した一品なんですなこれが。
 中はモッツァレラチーズと軽い味わいのベーコン。生地はフワフワだけじゃなくやたらモチモチした,博多うどんに似た食感…?
 初め突飛過ぎて発想できなかったんだけど,これは…マンドゥだ!
 小麦の焼き香豊かな固めの生地の本場イタリアのパニーノとは全く違い,うどんの間にチーズ挟んだようないわば「イタリアン餃子」。先日そういう名の料理を広島のビアガーデンに置いてたけど,その完成形に奇しくも釜山で出会った形です。小麦のムチムチ感とそれを噛みしめた時に湧き上がる優しい甘味にチーズとハムと僅かな玉ねぎの…これはもう「具」と言うべきか,信じられないナンセンスさでマッチするわけで。
 アメリカーノも,やはりアメリカ的に失敗してて,かつ…やはり韓国的によく出来てます。「珈琲茶」としての完成度。
 こんないかにも「イタリアンでござい!」みたいなネーミングの店が,これほど土着した味を饗する──このナンセンスぶり。好い!これなんだなあ。これこそまさに韓国メシです。

 地下鉄2号をスヨン(水営)で3号に乗り換える。ヨンサン(連山)から1号で座れる。
 チャガルチに入る。西側のモーテル街,チョッパルストリート辺りに今日の宿を狙ってます。
 チャガルチ北のモーテル街はやはり奥が深い。本当に小路の長さもあるし,何やら猥雑な風情も,チョッパルだけじゃない店の奇天烈さも半端じゃない。
 見つけた宿も,やや路地に入った怪しげな場所。夜の喧騒から隔たってる場所をキープ。4万。宿名は…「リマ」と読んでいいのか,このハングルは?湯沸かしなど所要設備は整ってます。
 かくして最終夜のロケーションは,完璧に「どっぷり」状態に整いました。11時半,荷を置いて散策開始。

▲クパヘンス ソメリクッパブのソメジャンクッパブ

 13時半,徳川を再訪。
 一昨日に続けて,通算では3度目のクパヘンス ソメリクッパブへ。
ソメジャンクッパブ550
「ジャン」の文字が入ってるのを注文したけど…ソメリとどう違うかが分からん。微妙に違うと感じはする。煮込み時間の違いみたいな気がするけど,そんなはずはないし。
 いやもしかして…前回,朝方に来た時は脂っこい記憶になって残ってるのは,まだソメリ(だからそれは何?)の脂が汁に出切ってない時間だったからだろうか。時間帯によって味わいが異なる?
 前回から通算で朝,昼,夕と食ったことになるが,今回は中が満席で軒先で頂きました。
 やっぱし──美味えよこれ!
 スンデみたいにスカしてないし,赤身というにはコリコリ感がたまらない。今回はクッパの汁の中に,微かに豚骨に近いものを感じました。
 そんなに変化を見せるような部位って一体どこなんだ?という答えのない問いはもうしないけど…微妙なエグミが何とも言い難いのです!
 昨日の白身魚と言い,韓国煮込み料理の懐はまだまだ底が知れません。

 プサンで煮込みと言えばこれを逃して帰るわけには行くまいよ,ナクチポックム。
 15時ちょうど,元祖チョバンナクチ。
ナクチポックム550(1650)
 今回は,写真とともに特設ページ「ナクチだらけ」にて別途お届け致します。

▲Cafe the Dumのクロワッサンとアメリカーノ

 15時半,東莱のCafe the Dumへ。
クロワッサン270(1620)
アメリカーノ
 …と,思わせぶりに書いたけどググっても出てきません。チョバンナクチへいつもと少し変わった道で行ったら,途中の車道脇の三角地に見つけた店です。
 角地を改造した結果,偶然,半オープンの洒落た店が出来ちゃいました。そんな感じの面白いお店でした。
 アメリカーノはやはり美味く淹れてくれます。タバコを肴にするにはちょうどいい。
 問題はこの生クリームを挟んだクロワッサンなんだが…カスカスでほとんどパンの痕跡を留めない。イタリアンて言うには生クリームが邪魔してる。微妙だけど韓国アレンジの品と思えます。
 奇妙なことに…皮だらけの生地に生クリームが乗ると,何かそれはそれで美味いのである。何をどう間違ってこういう解釈とか発展をしてしまったのか分からんが…いい!!いいぞ!
 何か踏み外してるけど微妙にいい!!
 今回見つけた新しい攻め口ですが…こんな店と,そんな変な美味に出会える。これも「若い食文化」の土地・韓国の醍醐味なんじゃないでしょか?

 16時半,一応釜山大前を一通り歩く。
 益々もって猥雑に拡大してる。台湾の師大近辺にそっくりになってきました。
 ただこちらは,あくまでシックにまとまる気配をも見せず,さらに斬新にさらに激しく街が増殖してってます。
 他の店が増えたからか,大学前のトスト,あまり並ばずに買えそうなほどになってたけど…。
 止めた。それよりもう一風呂浴びとこうか。
 そして隣駅,温泉場へ再び向かったのでした。

▲The DUM
「変な日本語」としてはあまりに意味不明だし,強引に「のり弁当Mサイズ」と解釈しても何か弁当屋の雰囲気じゃないし…第一,「The」が何のために冠してあるのかすら分からない,かなり謎のお店。