外伝09♪~θ(^6+^ )第6.5次香港
二次貴陽往路 非常なる香港より至高たる貴陽へ

▲「非常香港」
 香港は非常時にあり,という意ではなくて,非常に,ものすごく香港だ,といったとこ。

[前期累計]
支出1800/収入1640
    /負債 160
[前期累計]
    /負債 184
§
7月14日(火)
(再掲)
0800 ヴィド(シャレオ)
クロワッサンセット370
トルティーヤ100
1215 なな川
定食(タイ煮付け)550
(新規)
2030大福うどん
ごぼう天うどん400
[今期累計]
支出1800/収入1420
    /負債 380
[今期累計]
    /負債 564
§
7月15日(水)
1030CI111機内食(ハンバーグ)500
1400CI679機内食(中華スパゲティ)370
2000三洋餐廳
[火局]飯套餐
3.[火局]葡国鶏飯
+[女乃]茶 58HK$,650
[今期累計]
支出1800/収入1650
    /負債 150
[今期累計]
    /負債 714
§
7月16日(木)
0700蓮香楼
シエンツァイの粉
鶏肉と椎茸の[保/火]
ソーメイ

嵐風 渦と暮色と旅立ちと
 8月9月が今のお仕事の最繁忙期に達するのです。──という口実で,山笠に海の日三連休を絡めてまんまと6連休をゲットしたんである。
 こんなことを関係者に知れたらショットガンで蜂の巣にされそうなんであるが,ワシはと言えば香港で燕の巣を食ってたりするんである。
 そんでもって先週から,「天国に一番近い島」の替え歌が頭を離れません。
♪ララ~ 中国で~一番辛い国~
という歌で…あまり出来は良くないけれど,離れないものは仕方ない。また,実際,この行き先が中国最辛部であることは,わし的には疑いを容れない。
  中華人民共和国貴州省貴陽市。

 昨日,貴陽焦がし唐辛子をついに使い切りました。前回,初訪の際の自分土産です。この初回に,不完全燃焼に終わった一番辛い国の再訪なのでした。
 今回の企画の概要は以上である。
 もっとも,もう一つの秘められた具体的なターゲットもあるけれど,それは開通したての広貴新幹線だったりするので,何か鉄ッチャンっぽくて人に言いにくい。
 しかもその調査過程で「中国で最も美しい線路」と評されつつある合肥‐福州線を見つけたりして,ますます中国鉄道の虜になりつつあるなどとは他人様にはとても恥ずかしくて言えないんである。
 何を書いてるのか分からなくなってきたけど,まあとにかくまずは山笠追山です。山笠が絡んだ旅行はどうもハチャメチャな企画になる場合が多くて,結構気に入っております。
 そもそもこの台風急迫中の状況下,明日のヒコーキが飛ぶのかどうかも分かりゃしまいんですが…それすら特に心配してません。そういえば今回はガイドブックを一冊も持ってきてないし,かなり男子投げやりです。まあ何とかなるんでしょうよ,大体は。

 大博通りちょい西,承天寺手前にスタンバイいたしました。7月15日,朝も明けきらぬ4時20分。
 そして5時59分。今年の追山はまた,凄まじく美しい朝焼けに包まれました。

 CI111機内食。ハンバーグを選ぶと肉質がくっきりした割と美味いのが出た。
  トランジットの台湾桃園,空港喫煙所,12時10分。野外に突き出した場所(台湾の喫煙法規は屋内喫煙禁止らしいからその徹底でしょう)。──暑い。
 台北→香港のCI679機内食は中華スパゲティみたいな妙なモノ。何度か食った記憶があるけど,こういうものと思って食えば結構美味い。しかし…さてどういうものなんだろう?
 香港空港喫煙所,15時45分。
 ターミナル間列車の待合室に「Relax 清放髭」の掲示。2分毎に来るから焦るなとのこと。わざわざ掲示するほどイラチなのか,香港人?(放髭がリラックスと同意というのも知らなかった。香港語なのか?)
 マーズの風評か一列しか行列はない。
 バゲッジベルト,16時05分。「陸積送達」の表示は「まごころこめてお運び中」みたいな意味か?「全部送達」って表示もあって,時間も付いてる。ロストバゲッジは少なそうな管理体制です。
 今日の宿は中環・雲威街に予約済み。明日12時にまた空港戻りなんで20時間の滞在です。ややせわしないステイだけど,朝はややゆっくりできるかも?
 旅程中まだ埋まってないピース,19日の広州からの復路のために空港内の旅行社を探すが…見当たらない。土曜だから切符の売り切れが怖いんだが…一度紅鍬に行くしかないのか?
 エクスプレス乗車,16時25分。宿は結局17時を回るな,このスピードでも。
 右手,空港すぐの街に入江をまたぐようなロープウェイが出来てる。この辺りの開発はすごいピッチです。
 スケキヨの入江通過,16時37分。ここ,何とかして歩けないかなあ…。
 ミニホテルセントラル入居,17時25分。場所が分かりやす過ぎて刺激を欠くけど,このロケーションで,この清潔さと設備ならお値打ちと言えそうです。いい眼力だったな。
 ただ,この350HK$はネット価格で,最終夜が予約可能か聞いてみたらあるけど700とのこと。「だからネットでブッキングしてね」と溢れるホスピタビリティでお兄さんが教えてくれました。
 地鉄で九龍に入る。17時50分。ラッシュ時真っ只中。
 まずは直達列車を押さえよう。尖沙[ロ且]乗り換えで紅鍬へ(これもホンコンと読む(広東語はホンカンに近い))。
 西鉄線乗車,18時01分。
 19日始発を押さえる。18時15分。 ──これで帰路の動車,広州宿,直達列車の予約が揃った。香港の最終夜宿は何とかなろう。それよりは貴陽→広州の動車の方が心配(紅鍬には内地の切符売り場があったからクーポン持ってけば良かったんだけど)。
 凄まじいラッシュの全湾線が,旺角でやっと普通に立てるよになり,深水ポへ到着。18時36分。いやあ,飛ばした飛ばした!

▲三洋餐廳の[火局]飯套餐/3.[火局]葡国鶏飯+[女乃]茶

 三洋餐廳で御夕食。
[火局]飯套餐
3.[火局]葡国鶏飯
+[女乃]茶 58HK$,650
 前回の「スパニッシュライス」が一番。他は
2.芝士[火局]海鮮飯
4.椰汁[火局]葡国牛[月南]飯
 さて香港[女乃]茶の一口目。
 シブい!
 紅茶の,あの口に含んで7秒後に…というお上品な味覚じゃなくて,口にした途端にガツンと渋い!
 とか思ってたら御本尊が到着。
 ──??
 完全に面食らった。間違えたのかとさえ思ってしまった。
 深皿に並々つがれたシチューと,ライス一皿が並んだんである。
 全く分からなくなった。じゃあ[火局]ってカテゴリーは何なんだ?
 で,このシチューが何だったかと言えば,スパイスを薄く聞かせたホワイトシチュー…がターメリックで金色に転じてる。カレーシチューというか…少しキレイに言えばクリーム・ターメリックスープというか…。
 小さい頃に自分で作って親に叱られたことがある。まさにあれ。
 でもこれが絶妙に美味い!神々しい味覚と言っていい!
 鶏の出汁というには軽く,野菜から溶け出したブイヨンと言うにも力強い。でもどちらも確かに効いてはいる。
 ミルクかサワークリームに思えるが,とにかくそれらの複合体。
 発想にインド的なものを感じてしまう。インドのスパイスのごった煮としてのカリーに西洋要素も加えて見ました,みたいな…。
 結局,[火局]飯と言うのは,ドリア皿で蒸し焼きってことなのか…な?

▲三洋餐廳の街頭掲出メニュー。
 雰囲気は普通の大衆食堂的だけど,読めば読むほどに違和感を感じるメニューばかりです。例えば羅宋湯というのは「香港風ボルシチ」などと紹介される「>ロシアスープ」。

▲夜のセントラル,大通りにギラつくネオン。皇后大道。
 
 閉店間近の[土申]記[米ソ/王/心]品のも立ち寄りました。店名には「中国伝統[米ソ/王/心]品製造専家」と冠されたようです。「龍鳳[ネ豊]包,賀年[米ソ/王/心]品 歓迎預訂」ともあります。住所は九龍深水[土歩]福華街115-117号北河商場地下十号[舎甫]
(深水[土歩]地鉄[立占]B2出口)。──いつもおざなりに紹介してきたので今回は情報をまとめましょう。
 商品は──本号馳名 [石本][イ子][米ソ/王/心] 紅豆[米ソ/王/心] 芝麻[米ソ/王/心] [ン水]花白[米ソ/王/心] 精製茶菓 家郷[米ソ/王/心]品 龍鳳[ネ豊]包。

▲夜のセントラル,裏通りの程よい照明。威霊頓街。

 翌日7時。蓮香楼。
シエンツァイの粉
鶏肉と椎茸の[保/火]
ソーメイ →写真
 2軒回る気持ちもあったけど,思い直す。ここだけで十分!ゆったり過ごし,かつ,じっくり味わいました。かつ,味わいの方もゆったりとじっくりの価値十分でした。
 ベタベタに攻めた方向になったついでに先に触れると,ワゴンに青いポリバケツみたいなのを載せてたら,粥売りらしい。対面が買ったのを見ると皮蛋かどうかは不詳ながら痩肉粥みたいでした。まだここで粥は未体験です。
 さて,粉です。
 以前も似たことを書いたけど…パーツとしては粉とシエンツァイしか味わい取れないのに,全体としてはその間を繋ぐ豊かな肉汁が逆に主役になって来てる。つまり姿のない主役,セリフのない雄弁,それが粉の非現実的なまでのふにゅふにゅ感の真ん中にリアルに鎮座してる。こんなマンダラめいた味覚風景を,粉で実現できるものなのか?
 銀記のは確かに美味い。けど蓮香に比すれば分かりやす過ぎる。万人向け,口にした瞬間に分かる美味。
 蓮香の味覚は,本当に時間と客数に磨かれてる。移植できないわけです。

 この路線ゆえにマーライカオは──諦めて[保/火]で攻めました。しかも出来るだけ当たり前そうなのを選んだら,この鶏肉になったのですが…。
 信じられない大当たり!
 ただ理解しきれてないので書き切る自信がありません。ひたすら噛みしめ続けたので味覚野と腸細胞には刻み込んだのですが…。
 まず。頸骨かアバラからしい骨っぽい鶏肉は,やや部位によるバラつきはあれど概ね赤身で脂身が少ない。なのに最後には唾液に溶け切ってしまうほど細やかで柔らかな歯ごたえでこれがまた素晴らしい旨味を醸す。
 もっとスゴいのが米で,ジャポニカがなまめかしく甘ったるく想起されるほど硬く淡く率直な甘味。ちょうど日本茶に対する中国茶の位置に似る。それが実によく発現するように炊けてる。米の硬さ,芯の残り具合,ちょうどでカッキリのバランスなんである。

 そしてこの2者が絡まって作り出す融合は,本当にゴールデンです。ここのには専用の醤はかかっておらず,あくまで鶏肉汁だけなのですが,淡く軽やかながらしっかりと飯粒を捉えてる。しかもインディカの臭みを芯に残して併存させうる浸透のさせ方で。
 最後に,この硬くストレートながらジンワリ染み出す複合味が,ソーメイにムチャクチャに合う。これもポーレイの時代には分かりにくかった。チョイ臭の掛合せで生まれるバランス。
 広州の蓮香が全く別の味であることが理解できる。これは確かに移植不可能です。このバランスは,この店の幾多の常連客の舌と食生活に依存してる。──舌だけなら広州には移せるはずなんである。
 こういう味は,飲茶文化が浸透仕切った香港で磨かれていくことによってしか開花しないものに思えます。

 エクスプレス再乗車は9時40分になりました。
 構内でサンガリアの「みっくちゅじゅーちゅ」をなぜか売ってた。「バナナ感アップでさらにおいしくなりました。」「喫茶店の味」など怪しい解説もそのままだ! 失礼ながらこの超ローカル大阪なジュースが香港進出とは…何を企む,サンガリア?
 貴陽行き511ゲートから機体までのバスに乗り込んで15分ほど待たされてる。12時45分。ここでの発車遅延って何がありうるんだ?
 ああ,運転手がまだいないよ…。誰かを待ってるわけじゃなくて,おそらくこいつの個人事情だな。
 空いた時間に今回の旅程を考える。当面の基本的課題は──
①貴陽の宿
②貴陽発の新幹線切符ゲット
③貴陽北の場所(と市内からの,出来ればタクシー以外の移動方法)
 とまあ,相変わらず根本的要素が未確定です。いずれも貴陽に着いてから閃きと行動力でクリアしてくしかないけど…さてどうなることやら。
 11時50分,やっとのことでバスが動いた!離陸予定時刻の1200は…まず無理だろーだろけど…とにかく香港6.5往路編,一旦ここまでということで。

二次貴陽初日へ