ヰ 紹興編・星期六2ヰ
広寧橋へ\紹興老城水郷に三度遊ぶ

~(m–)m 本編の行程 m(–m)~
Googleマップ(経路)

樹人中学?それ誰の名前?

▲軒の椅子

756中学前」とメモってます。
 今地図を見ると,この北側に樹人中学という学校がある。変わった校名ですけど,高等職業学校としてヒットします。樹木は10年で育ち,「百年樹人」,人は100年で育つという成語にあやかった,魯迅ゆかり(→巻末:魯迅対周恩来)の学校だそうです。
※ 越城区体育教育局/>名师名校>学校风采 >详细内容/绍兴市树人中学
「1957年8月,招收第一届普通高中新生,经政府批准,改名为“绍兴树人中学”。校名拥有两重含义,一是学校在鲁迅先生的故乡,用先生原名命名,以志纪念;二是蕴含了“十年树木,百年树人”的意思,以励责任。」

▲幸福な岸辺

ランタンの道,その場所の匂い

っきりと,その場所の匂いが漂ってきた。
 上の2枚は,南を流れる水路の生活感を,感極まって撮ったものです。
 行く道は石畳。その行く手に──

▲ランタンの道。巨木へ続く。

った直後,写真のログで見ると50秒後に,バイクがバリバリと追い抜いていきました。
 中国的な光景です。

▲そこへバイクが追い抜いていく

どうやって取るんだ,そのパンツ?

橋直街というこの石畳の道。
 何ということもないのに,投げ出されたような静寂があって,これだけ写真を撮ってます。
 かつての紹興の町並み,という意味ではこの辺りが一番近いのかもしれません。

▲ご夫婦の行く道

の水路へ,何本かの脇道が伸びてました。
 好い。
 今改めて見てみると,高みに干してあるこの洗濯物ってどうやって取るんだろう?

▲川辺側の路地,天高く洗濯物

寧橋社区居民委員会の小屋が,T字の場所にありました。
 間違いない,ここです。
 まだ存在してくれた!
 軽やかに鐘の音。0759。

▲広寧橋北側のリサイクルセンター

?えらく近いぞ?
 橋の北のたもとのT字は,正確には途切れてない。北へ広寧橋直街が長く伸びてますけど,東へは少し入れ違いに,さらに荒れた路地が続いてるようです。

▲広寧橋を振り返って

華寺?
 東への路地に小さく標識。
 そうだ。今回,地図で見てるとこの東の川辺に寺を見つけたんだった。決定的だったのは,路地奥を指す「公厠」の表示。
 まずは膀胱を軽くしましょう。

小竜華橋と秘密の船着き場

▲広寧橋の逆方向,東へ続く運河

胱に安心感を得て路地に戻れば,東の壁の中から響く声明。
 この方形の建物がお寺か。
 すぐ南には水路の岸辺。

▲古寺東の古橋

蓬船码头。水路の岸に表示が出てます。
 地名かと思ってメモってますけど,「烏蓬船」は水上タクシーのことらしい。遊具の並ぶ川辺で,とても船着き場として活用されてる気配はないけれど,かつてはそうだったんでしょうか?
 寺向こうに小竜華橋という橋。このすぐ東まで,今まさにシャベルカーが開発中。新しい家並みが押し寄せてます。

▲鏡のような水路。古寺東

そう,ここを見に来た!

いガのような水辺から折り返す。0811。
 広寧橋のたもとに都泗門という表示。珍しいけど通りの名前でしょう。橋桁に沿った南北の側道をそう呼んでるようです。
 さて,いよいよ登ろう。

▲広寧橋を登る

寧橋を南に渡る。
 きつい勾配ですけど,息切れしてる暇はない。
 長崎の眼鏡橋のような風情じゃない。もっと素朴でガタガタした造りの橋。でも,だからこそ,なかなか残ってない橋。
 ほどなく橋の頂点。南への眺め。
 これです。前々回に嘆息した光景は。

▲広寧橋の南側。そう,ここを見に来たんだ!

■小レポ:魯迅対周恩来

「用先生原名命名,以志纪念」(先生の原名を命名し,もって志を記念す)と樹人中学の校名の由来にあるのが最初は理解できなかった。
 けれど,後に魯迅の本名が「周樹人」と知りました。
 魯迅(1881-1936)は,少し前の時代の孫文(1866-1925)や秋瑾(1875-1907)と同様に体制側から睨まれてたから,物凄い数のペンネーム(笔名)を持ってた。「魯迅」はその中の一つで「狂人日記」以降使ってるもの。ただこの時代以降も別のペンネームも併用してるし,「魯迅」名そのものも母親の姓だとも「愚魯而迅速」(愚かで素早い)というよく分からない成語からとも言いはっきりしない。
 秋瑾もそうだったらしいけれど,魯迅も本家とは実質縁切り状態で動いていたことも考えられる。
 で,ここでもう一つ気になるのは,魯迅の本姓が「周」だという点です。紹興で周と言えば──
 今世紀になって,周恩来が魯迅の遠い同族という「ニュース」が報道された。分かったところでは,鲁迅の家系は周家の「于鱼化桥支」(分家)のそのまた分家「覆盆桥分支」に属すのに対し,周恩来は「属鱼化桥支」の「保佑桥分支」。覆盆桥分支と保佑桥分支は清代乾隆年间に分かれたという。
 ──それって立派な他人じゃね?
 と日本人なら言いたくなるだろけど,そこは中国南部の同族社会なのか,何世代離れても同族かどうかは物凄く大事らしい。秀吉の御落胤話位にボロボロっぽいけど,とにかく周恩来は魯迅の親戚だったことに決まったみたいです。
 往時の周恩来は本当に魯迅を尊敬してたらしくて,何度か「私も同じ紹興の出身で」──周恩来は淮安出身でそもそも紹興出身って事自体が怪しいとの説もあるらしいけど──と語っていたのは,おそらく入れ込んだ余りの曲解だったんだろう。それが一世紀経るうちに「親戚」に落ち着こうとしてる,というほどに,魯迅は未だ救国の英雄,ということなんでしょう。
▲一番面白かった魯迅デフォルメマンガ

※ wiki/魯迅
※ 立山日和。/魯迅はペンネーム、本名は周樹人・・・JingShangの浙江紹興への旅(魯迅記念館)
※ ニュースな史点 2000年6月11日/あの人とあの人は親戚だった?
「(元ネタは8日付の読売新聞)(略)魯迅と周恩来のお二人、実は同族の親戚だったということが判明したというニュースなのである!(略)この両者を結びつける家系図(「族譜」というやつだな)が発見され、ついに両者が共通の祖先を持つ同族の周さんであると判明したというのだ。」
※ 人民网/周恩来与鲁迅:两位伟人同出周家 何扬鸣 2004年05月10日
「周恩来出生在江苏淮安,但是他一直把自己看作是浙江绍兴人。」
「抗战胜利后,他还向美国记者李勃曼解释为什么自己的籍贯是绍兴:“我的祖父名叫周殿魁,生在浙江绍兴,按中国的传统习惯,籍贯从祖代算起,因此,我是浙江绍兴人。” 」
「1938年10月19日,是鲁迅逝世两周年的纪念日,周恩来在武汉纪念会上作了讲演。(略)在血统上也许是鲁迅先生的本家,因为都是出身在绍兴城的周家,所以并不如主席(按:指会议主席郭沫若)所说以来宾资格讲话。」
「《绍兴县志姓氏编》说鱼化桥周氏和后马周“同为澳长子名德之后。”鱼化桥是周氏宋祠所在地。鲁迅属于鱼化桥支的覆盆桥(地名)分支,周恩来属鱼化桥支的保佑桥(地名)分支,住百岁堂内。覆盆桥分支和保佑桥分支的分居是在清代乾隆年间。再依《后马家谱》来推算,鲁迅为周氏第20世,周恩来为第21世。 」

■小レポ:ゴミ不足にあえぐ中国

 スタバのストロー,なくなったなと思ってたら,こんな形で中国と結び付いてたとは──全然知りませんでした。
 香港経由と,そもそもの問題になってた密輸ゴミを合わせると世界のゴミの大半,少なく見ても半分以上が中国を最終到達地にしてる。いや,していた。
 この時に見た自治体のリサイクル活動がそれとどの程度結び付いてるのかは分からないけれど,中国は今,少なし一時的に過激なゴミ不足に陥ってるらしい。国内ゴミをかき集める業者が増え,おそらく引き取り単価も高騰し,結果,リサイクルが採算のあうビジネスになってきてる…のかもしれません。
 ただそれ以上に,輸出側の国々にじわじわと効いてくる政策です。これが対アメリカの「報復措置」だとしたら,さすがは中国,エグい手を使ってくるものです。
※ LIVEDOOR NEWS/中国の資源回収会社が“ごみ不足”に、業務の一部を日本などに移転―仏メディア 2018年12月
「中国塑料加工工業協会、塑料再生専委会の範育順(ファン・ユーシュン)常務副会長によると、中国には海外からプラスチックごみを輸入する会社が約1200社あったが、その3分の1以上が生産を停止し、3分の1は業務を海外に移転させ、残りの企業は国内で生き残りを模索している」
※ science portal China(『月刊中国ニュース』2019年2月号(Vol.84)より転載)/中国廃棄物輸入規制で行き場を失うゴミ 世界資源リサイクルのあり方に再考促す 2019年1月
「資源不足を補うために海外の廃棄物を原材料として輸 入していた中国政府が2017年7月、世界貿易機関(WTO)に対して海外からの廃棄物輸入を段階的に停止する旨を通告」
「「国門利剣」(ナショナルソード)と呼ばれるこの中国の取り組みは、税関部門における密輸撲滅プロジェクトとして始動したものであった。
 廃棄物輸入規制に関わる動きは、時を遡れば2013年2月、税関総署はゴミなど異物の不正輸入を防ぐため、古紙の輸入コンテナに対 する税関検査を強化するため、「グリーンフェンス」政策を発令」
「過去20年にわたって世界最大の廃棄物輸入国であった中国の挙動だけに、次々と打ち出される輸入規制措置は世界各地で大きな影響を及ぼし、各国の報道で「ゴミ危機」と報じられた。米 国では、国内廃棄物処理の3分の1を輸出に頼り、最大の輸出先が中国であったため、今年に入って輸出を予定していた廃棄物が西海岸に留めおかれるという現象が起きている」
※ Y!news/「世界最大のごみ捨て場」中国の終焉ー日本のプラスチックごみはどこへいく六辻彰二  | 国際政治学者 2018/7
「7月9日、スターバックスが全世界の店舗でプラスチック製ストローの使用をやめると発表。」
「国際再生資源連盟によると、2016年段階で中国に持ち込まれたプラごみは730万トンに及び、これは世界全体の約56パーセントにのぼる。」

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