油煳干青∈4重慶&貴陽:貴陽入り4∋糟酸麻蒜

重慶西は遠かった。

重慶西站 D1851 貴陽東站Chongqingxi→Guiyangdong
 2019年01月01日15:31 08車12座B
 ¥128.0元 二等座

いうのが元旦の本日,重慶から貴陽への移動チケットである。一昨日30日夜,重慶到着直後に購入した。
「重慶西」です。
 この購入時,重慶は四川の第二都,田舎町としか認識してなかった。都市圏人口中国最大の広域都市だってのは,今だからようやく知った事実です。
 重慶の町は広い。他の中国の町でも「東西南北」の付く駅名には要注意ですけど,つまるところ重慶の西站は遠かった。
 直線距離で25km。それは,起伏に富む重慶のような町では,キロ数以上に彼方にありました。

0日夜。
「沙坪坝という1号の駅が重慶西最寄りらしい。小什字から14駅。」
とか一度メモってるのは,何をどう調べて勘違いしたものやら,今となっては謎です。
 でも翌31日大晦日には気付いてる。「いや?ここじゃないの?──おいおい,地鉄行ってねーじゃん!」
 31日夜,カウントダウンで賑わう窓外をよそに,ルートを調べてます。──最寄りの駅からタクシー?いやどこもえらく遠い。新しい地下鉄の延伸計画はあるみたいだけど今は未達。
 ではバスか?これは百度地図で当たれます。「重慶西には,解放碑バス停から『G1高鉄快車』というのが39分で結んでる。解放碑はちょうどこの宿から70m北東。明日時間を確認しておこう。」

発車時間なんて無い,それが人生さ。

旦当日朝,面屋へ行く前にバス乗り場を実見。
 それらしき場所は重慶航旅CQHANGLV前(何語じゃ?)。来竜巷という道沿いでした。
「高鉄快車G01専用站」という青地白字の看板が道端に転がってる。時間内にはこれが立つんだろう。
 この「重慶航旅」という店舗のお姉様に訊いてみる。すると,噛みつきそうな怒鳴り声でかくのたまう。「没有時間,没有班次!」
──時間は決まってない。だからそもそも便というのはない??
 店舗入口の貼り紙が次の写真。確かにそんなことが書いてある。

▲西站へのリムジンバスのご案内。

まり,始発と最終の時間は決まってる。でも「中途没有固定発車時間」(途中便の時間は決まってない)??
 おいおい。頻度も分からないなら,いつの便に乗ればいいのか計算できんだろ?
 元旦昼。だから,この辺りをうろつきながら観察してた。G01というバスが,確かに時々通る。30分に1便以上はあるらしい。乗客も乗ってるから間違いなかろう。

▲だから当然長蛇の列。乗る時も久しぶりに争奪戦でした。

ので1時間待ちを想定して発車2時間半前,13時過ぎにはG01高鉄専車乗り場に行きますと…こんな列が出来てたんで,並ぶ。
 1316乗車。バスが入るや…いや~,久しぶりの押し合い乗車でした。90年代には町中のバスもこんな乗り方でしたから,その遺伝子はまだ生き残ってるみたい。皆さん,入口で微信のQR読ませてるから進まないんではあるけど,逆によくこの混雑でそんな動作が出来るもんです。
 ともあれバスを待ったのは10分弱,かなりラッキーだったかも?ただこのまま着くと2時,90分待つことになるけど…まあこの行程も得難い観光用車窓ですし。
 最後まで,ビックリ箱みたいな町でした。

~(m–)m 本編の行程 m(–m)~
GM.(経路)
※重慶西までのバスルート

山城を築くならここでしょう。

324発車。
 窓外に解放碑,大世界酒店と見納める。
 まず魁星楼前から北区路に入り西行。曲がりながら下ります。今朝もこれを行けば普通に岸に出れたんでしょう。岸の道路南には,やはり小山のような岩壁が見えてます。
 北岸に出た。1330,西行。ビルとハイウェイだらけです。いや?この辺りには,それに隠れるように少し人家もあるか。すぐ南にはやはり岩壁が覗いてます。
 1331,右折?さらに一つ北の江濱江路に出た。道の天は軌道の高架が覆ってます。
 やはり択捉特区めいてます。
 河の北向こうにもビルが林立して続く。え?このビルは水面からかなり高い。その下に…おおっ!城壁らしい。ここは壁も剥き出しです。
 大橋くぐる。
 さらにもう一本。これが3号の橋のはず。


▲①糍粑辣椒「把辣椒洗净去蒂,再加入洗净的仔姜、蒜瓣一起捣碎。」──生姜・ニンニクとすりつぶした唐辛子漬
※ 以下,丸付き画像は貴陽の唐辛子調味料群です。
出典:每日头条/无辣不欢!贵阳人吃辣椒的9种方法大曝光!

に城壁土塁は見えなくなった。でもそこから先にも高台はつづいてます。
 いや?むしろ高く険しい?山城を築くならここでしょう。崖から離れたマンションが林立。
 1339,突然に!目の回るような立体交差に入った!橋の対岸を…最終的に南行してます。すぐにトンネルに入ったぞ?これは…百度地図を開く。南北大道です。
 地勢は東ほどじゃない,普通のアップダウンになりました。この辺りが九竜波区,庭園的な町が広がります。

▲②糟辣椒「不同的是糍粑辣椒是用搅碎机打得很碎,而糟辣椒只能用刀剁,必须要保证辣椒的块状感。」──①糍粑辣椒と違うのは唐辛子を潰していない事

郎という表示,これが地域名らしい。1352。重慶にはここより北にももう一つ見つかるから,珍しくはないみたい。
 1353,右折西行へ。あれ?火炬大道からさらに左折南行?いや…ロータリーのような場所か。よし,新区大道を右折西行へ。
 バスのモニターは韓国ドラマ。中国でもブームなのか?
 西に山並みを見たところでハイウェイで南行へ。──いや東行まで曲がった?どう動いてる?
 1401。見えた,あのアメリカンな造りの巨大建築が西站でしょう。へえ!地下に着いたらしい。上手く出来てる。
 下車。
 さて…調子よく来てしまったぞ。あと90分ある。どーしましょ?

トンネルを書くのは止めます。

▲西站のSWAT車

告:中国でこういうのを撮影するのは極めて危険!
 でも,どうしても「渝」ナンバーを撮っときたくて。それとまあ…時間余ってたんで。
 さて再掲です。本日の票。
「重慶西站 D1851 貴陽東站
Chongqingxi→Guiyangdong
 2019年01月01日15:31 08車12座B
 ¥128.0元 二等座」
 最終駅は広州。前々回に広州まで乗ったあの列車みたい。
 重慶から貴陽へはほぼ南に3百km。途中に尊义はありますけど,省境の山地を越えてのかなり険しい道です。よくこんなとこ,新幹線をよく通したな!
──と当時書いてるけど,本文中で見た通り,重慶の地域の地形は南北に連なる縞状の山列です。→巻末小レポ:異様な四川盆地の地形とその生成

▲1423西站構内。これまた馬鹿でか。

刻1531,出発。
 下站はやはり尊义とアナウンサー。
 1537。左手に続いてたビルの林立がやっと途絶えたかと思えば,すぐにガタガタの山並みに転じた。時折村が,あるいは一軒家が散見される。
 1539,河。東に中洲を抱えてる。地図で確認すると…長江でした。その向こうに工場。サイロ2基。
 さらに巨大な工場都市。周囲は工業団地の予定地か,整地と道路敷設だけ終わってる。
 1543,トンネル15秒ほど。未舗装の道が行き交う山間部。も一つトンネル20秒ほど。
 小さな川。トンネル50秒ほど。
 1546,左手東方の陵線が峻烈さを増してきた。トンネル120秒ほど。そこからさらに短いトンネルの連続。右手にちらちらりと斜面の集落が見えてる。
 1552,トンネルが間を少し挟んで100秒ほど。駅と工場。
 1554,トンネル80秒ほど。さらに連続。──もうトンネルだらけなんで書くの止めよう。

③油辣椒「这种辣椒是由糍粑辣椒制成,将小半锅油烧热,放入糍粑辣椒不停的翻炒」──日本のラー油に近い。

先手:党首,後手:落武者

た~!
 1601,3人席の真ん中席でうとうとしてたら,大迫力サラウンド状態に叩き起こされる。なぜか両サイドが,ほぼ同時に電話で大声のお話中!(16時だから?)
 今回の車内の無法者エントリーは──窓側:どこかの日本共産党首みたいなメガネをかけたおむすびみたいな中年オヤジ。
──通路側:乗ったときにうつ伏せに寝てた黒皮ジャンバー。起き上がると落武者みたいなハゲ方した爺様でした。電話しながら激しく貧乏揺すり。
 しかも…中国のオヤジって,何でこんなに電話が長いのじゃ?

④辣椒面「把辣椒磨成很细很细的粉」──粉唐辛子

右に棚田が見え始めてる。1603。
 瞬間,左手東方の谷を埋める町が窓外を流れ去る。
 モニターに車内でのマナーのアニメが上映され始めた。隣の人の迷惑に──
 すると?おお,効果てきめん?静かになった…と思った瞬間,落武者爺に電話がかかってきた。
 幸い,党首オヤジは蜜柑を食べ終えてまたお休みになられてる。けれど落武者は次の話相手に電話し始めた。「今天もーもー」と言ってるのは爺の故郷のご挨拶なのか?
 おおっ!静かだった党首が,イビキを!しかもこっちの席に首を傾けてかき始めた!
 なかなか本日のラインナップ,強力である。

⑤泡辣「泡出来的辣椒酸辣开胃」──①糍粑辣椒,②糟辣椒より単純な唐辛子だけの漬物

党首,捨て身のタックル攻勢

度は194km/hと出てる。単純計算なら90分,17時過ぎ到着となる。
 1617,右手東方に視界。山裾をかけ登る棚田と集落。貴州の村らしい光景になってきた。谷底遥かに黄土色の細い川。
 1620,話疲れたのか,落武者が一瞬テーブルにうつ伏せて寝始めた。お?起きるのか?いや,違う?おおおっ,うつ伏せて寝ながら電話し始めたぞ?新しい技か?そこまでして電話したいのか?
 1626,左手東方の集落が近くに見える。苗族の家屋ではなさそうです。
 1628。お?落武者がホントに寝はじめた!素晴らしい!
 1649,尊义到着。高らかな大イビキをお唸りになってた党首が,ガバッと起きてスマホを弄り始める。そうそう,静かに遊んでね。
 駅ホーム向こう,小山の形が記憶する貴陽のそれに似てきてる。連続する小型の三角すい。
 かなりの下車がありました。右手西方を見ると確かに町は相当規模。

⑥鸡辣角「把鸡肉切得小坨小坨的,再炸得皮脆骨酥,加入辣椒炒制」──鶏肉の細切れ揚げと唐辛子を炒めたもの

おっ!落武者が今度はウィーチャット(注:画面読んでも理解出来んよう片仮名にしてます)に音声を登録し始めたぞ。意外とナウいぜ!でもそれもうるさいぜ!
 次が目的地・貴陽東とアナウンス。
 げげっ,棚田に残り雪?気温は盆地より南の方が低いのか?
 家屋の屋根が傾斜を持ってきた。瓦を使ってる。中央部に一際高い出っ張りあり。煙突という訳でなく装飾らしい。
 と!肩に衝撃!ひええっと向くと,党首がその丸っこい肩を用いてタックルしてきとる。このメモを解読した?…はずはなく,ミカンの皮を地面に吐いてるらしい。それ自体どうかと思うが,党首が一房頬張る度にタックルを回避せにゃならん。気分はラガーマンである。

⑦香辣脆
「把辣椒晒干后用油炸得酥脆」──唐辛子のぼろぼろ揚げ

右ともに道路を敷設中の平地。1706。左手東方の道路は,今まさに伸びつつあるらしい。尊义と貴陽を結ぶ高速だろうか?そんな需要が出てるのか?
 1711,トンネルから出てすぐ東西に大きな谷川と大景観。そしてすぐにトンネル。高度を下げている模様。トンネルから出ても集落が少なくなった。台地から南麓に入ったか?
 1713,右手西方中心に集落風景が広がる。やはり屋根には雪。トンネル細かく連続。
空は曇天…いやこれは,濃霧か?も少し行くと吹雪なんじゃないか,これ?

⑧烤青椒「大个的青椒直接放在火上烤」──青唐辛子のカリカリ焼き

落武者はお笑いがお好き。

険じゃ!落武者がウィーチャットの音楽着信音を見始めた。党首もごそごそと巨体を蠢かしとる。明らかに無意味にである。…ま,もうすぐもうすぐ。平常心平常心。
 ガラスに映った党首の顔をさらによく見ると,党首というか,巨人の星の何とかってメガネの打者に似とる(後日調:左門豊作)。
 1722,えらくスピード落ちたな。老爪村。名前と違ってビルの並ぶ相当人口規模の町。
 両隣もラストパフォーマンスに入った(違うけど)。落武者:また爆音お電話開始!党首改め左門:大音声にてお笑い番組を観賞開始!──なぜ到着間近になって?

⑨阴辣椒「先以开水烫熟,之后捞出以大太阳晒干或蒸熟。」──赤唐辛子の干乾し

州です。
 左手東方の谷。眼下の蛇行する川から,中腹までを見事にかけ上がる棚田。この景観は,紛れもなく貴州です。
 トンネル2分ほど。
 速度190km/hを再び越えた。
 左手東方に大きな集落。地形から山嶺が消えた。なだらかな盾状の丘の連続?修文廟站という高鉄駅を過ぎる。
 またスピードが落ちた60km/h。
 雪か?降ってはいないようですが?
 これは登ってるのか?
 またスピードアップ。複雑な地形を相手に速度の暖急が激しい。
 1737,再び200km/hをキープ。山は再び小型三角すいに戻る。
 また速度が落ちてる。ここでアナウンス。「貴陽東」との声。

▲最強タッグ(違うけど)二人組(でもないけど)をついに激写!

~~~~~(m–)m貴陽4編~~~~~(m–)m

もういーからスリップしないでね。

首と落武者に悩みつつ車内で調べた中にこんなのがあった。
「日中戦争中の1939年2月4日の日本軍による貴陽爆撃を機に,火災対策として,さらに道路が拡張整備される。」
※BTG城郭都市研究会/貴陽
 貴陽の老城破壊には日本も一役買ってるわけです。他の都市でもそういう対応が取られたとすれば,今ある大きな「共産主義道路」には,元々防火帯として設置されたものもありそうです。
 それと反面,こんな奥地にも現実に日帝は爆撃を行ってたんだということ。

▲1812。貴陽にも残雪

ずは恒例,着いた途端に脱出切符手配。
 1808,買えた。貴陽北発,明後日の長沙南行き。「北」付きは気がかりだけど,今回度は列後ろの美人のお姉さんから「貴陽北なら地鉄で行けるわよ」と解説が付きました。
 駅前には雪残る。
 気温は3度とアナウンスがあった。それなら日本と同じなのに,内陸ゆえか底冷えする。屁が死ぬほど出てる。
 広場の前には貢茶が出来てました。
 で?バス停どこよ?

▲(先行配信)貴陽ネタ:「三兄弟」
 堂々たるC○c○のパクり!その向こうの「職人の手工芋泥」の「の」使いの強引さもポイント高い。

交站台3(市内バス乗り場3番)の行列に並ぶ。1833。
 272路が火車站行きみたい。この路線は,火車站の2つ前が郵電大楼,つまりいつもの七天前。本日のお宿は別の場所だけど,それでも歩いて5分ほどのはずです。それなら馴染みのポイントを確認しときたい。
 百度地図を開いたついでに,北站へ地下鉄1号が行っているのも確認。市内最寄りは中山西路,公園路との交差点南辺りのようです。──貴陽で地下鉄移動!夢のごとです。
 1845上車。2元。ぎりぎり座れた。いきなり満員御礼です。
 今日は晩飯は無理かなあ…。閉店が9時なら見込みあるけど,普通8時だろな。最終日の明後日は14時北站←12時半中山円路←12時出発としてぎりぎり食べれる。だから今夜空振りでも…あの店で2食はいける。

面がまだ真っ白。
 1856。もうそれ以外はほとんど見えないほど日が暮れてます。
 まだこの辺りは町にはなってない模様。
 東站は,その名と異なり北站のさらに北東,市内から見てそっちの方が北じゃね?という場所です。最初,バス停の東站や空港の辺りを探してました。こんなとこまで開発しようとしてるんでしょうか?
 て訳でバス停には「20分」と書いてあったけど…とても着く気配じゃありません。てゆーか,もう時間はいーからスリップしないで走ってほしい。

なり町の灯が出てきた。1906。
 陸橋。BRTと書かれた駅。そうだ,この交通システムもあるんだったな。使えんけど。
 高架の上を通って…トンネル?当然だけど位置は全く理解不能。登高雲山というバス停。
 乗り遅れた時は「没下!」(メイシア)と叫べば通じるらしい。
 1817。もう近いはずだけど…ここはどこなんだ?まだえらく高い場所を走ってる。これ、BRTルートなのかも?
とすれば,とにかく下車は地上に降りてからでないと。
 1921,ぐいぐいと下り始めた。右手に五重のとうとカラフルな鉄塔。
 地上に降りた。人民医院。
 バス停の名前が暗くて見えない。
 ソフィテル。
 一つ前のバス停だ!何とか路口。
 1930,下車。
 あれ?あの常宿にしてた七天,なくなってる?貴陽の変化,ここんところ凄まじかったようです。
 で,どこを予約してたかというと──1940,ノボテル入居。デポジット千元というのは初めてです。でもC tripで予約すると嘘みたいに安かったんで…

嗚呼,決別の筑萍快餐

▲2039四度目にしてまさか!衝撃の光景!

角のノボテルに荷を置くや,やはり諦め切れずに早足で北行。
 もちろん太平路の「あの店」を目指して。
 地下鉄の工事すら始まってなかった貴陽初回から,ハマリにハマってきた快餐(≒自助:バイキング式食堂)です。
 太平路の真ん中で,しばし茫然自失。
 え…あの店まで?
 造りは同じ。でも別の店の名前になってる。覗きこんでも,形式も経営者も客も全く違う。これは間違いなく…なくなってます。
 諦め悪く「移転じゃないか?」と調べてみたけどヒットはない。
 最後なんで店名を再掲しときます。「筑萍快餐」──世話になった!
→※ 外伝増補/三次五日目貴陽

▲貴陽での晩ご飯。やはり自助

所に移転とか?とさらに未練がましく裏通りを回ってると,自助を見つけました。入ってみたけど,やはり違う店らしい。
1955尚品美食
①②
③④
①インゲン豆の酸っぱい唐辛子爽やか炒め
②冬瓜のじっとり辛味煮
③韮とシェンツァイのじわじわ辛炒め
④牛痩肉とピーマンの辛味煮
 ショックからか,なぜかこの日は料理のメモを残してない。
 でも①インゲン豆に絡めてあったあの酸っぱ爽やかな唐辛子が前掲「泡辣」じゃないかと思う。
 ②冬瓜がじっとりとまとうあの渋い辛さは,まず「香辣脆」。
 ③の韮にシェンツァイという香菜に,奥ゆかしくジョイントしてたのはやや苦味を帯びた「阴辣椒」が臭い。

▲「牛痩肉とピーマンの辛味煮」どアップ

こで一番腹に響いたのは④牛痩肉とピーマンの辛味煮。牛肉の歯応えとピーマンの青臭さ,これに単純な辣ではなくて,酸っぱさと華やかさを加える「糍粑辣椒」を使う。これが貴陽なんだと感じる。
 前回まで「八つの辛さ」にこだわってきたけど,正直,味覚を八分するのは難しい。でも,たまたま今回引用した九種の調味料,これに直すと外部者にはやや理解しやすいようです。
 なのでここで,改めてリンクにしておきます。

糍粑辣椒 ci2ba1la4jiao1
糟辣椒 zao1la4jiao1
油辣椒 you2la4jiao1
辣椒面 la4jiao1mian4
泡辣 bao1la4
鸡辣角 ji1la4jiao3
香辣脆 xian1la4cui4
烤青椒 kao3qin1jiao1
阴辣椒 yin1la4jiao1

ノーローミング聯通SIM

かしだよ?
 こんなに変わるものなのか,1年半で!
 特にこの太平路界隈です。丸っきり知らない店に総とっかえされてる。筑萍快餐は,雲南过橋米線という2軒隣の店に買い取られた格好らしい。
 ただ,紅茶之翼はまだあってくれた。ばかりか新店が出来とるのか?

▲APNを「3gnet」に今までしていたのですが…

ゴージャスホテルに帰る。
 ゆったり気分で閃いたんだろうか?持ってきたAPN資料をめくってるうち,何となくAPNのユーザ名を3G端末じゃない場合の「uninet」に変えてみた。
 え!!
 なぜかローミングなしで繋がるようになった!
 このSIMって,3Gじゃなかったのか?

▲APNを「uninet」にするとローミングなしで接続するようになった!Wifiなしでも!

のでその夜はなかなか興奮でした。
 ICBCアプリの更新もサクサク動いてる。微信も接続してる。百度地図も現在地を拾ってくる。
 ふと確認すれば,スマホの「モバイルネットワークの状態」も「接続」になってる!ローミングなしで!
 万歳!とうとうここまで来たぞよ!
──いやICBCだけはどうしても止まるなあ。でもこれは街角ATM端末を使えばいい話です。
 さあ,後顧の憂いなし!歩くぞ!

■小レポ:異様な四川盆地の地形とその生成


 国土地理院の地形図です。
 改めて驚くのは,四川盆地の異様な配置です。ヒマラヤとチベット平原の織り成す世界最大の山嶺の東麓,まるで水溜まりのよう。ここに,なぜこんな丸い平面が忽然と存在するのか?
 これが小地形なら,そして日本なら,阿蘇や錦江湾のような巨大噴火による火口と推定するけれど,直径8百km近いこの大きさは,上田早夕里の「華竜の宮」のラストでちょうどこの地域で噴くことになってるスーパーホットブルームが,既に過去に噴いた跡のように見える。
 2008年の四川大地震を受けての地球物理学者たちの推論は,けれどそういうものではないらしい。

 四川盆地を西端とするプレートは,台湾・沖縄弧を東端とする揚子江プレート。
 これが,実はよく分からないらしい。何しろ形成年代は8億5000万年前から7億年前の原生代後期と推測されてる。現存のほとんどの大陸が分かたれたパンゲア超大陸ではなく,その前のロディニア超大陸の残痕だとされている。
 陸上生物発生前。生物のいない大陸です。
 三畳紀には海で,堆積により平面を形成。これが,北の北中国ブロック,西の松潘・甘孜ブロック(ソンパン・カンゼブロック:Songpan-Ganzi block)と衝突。つまりユーラシアプレートに乗り上げるようにして吸収されたらしい。その後も白亜紀まで湖のままで,現在の沃野となってる堆積物面がさらに発達したとされる。
 こうして出来たのが,四川盆地面です。

※ 気象庁/「世界の主な地震」より
 つまりユーラシアプレート中でも,別パーツだから,脆い。そこへさらに,新生代になって南西から新たにぶつかってきたインド・オーストラリアプレートに圧迫されてる。結果形成された龍門山断層が,2008四川大地震の震源地だという。
 西の山陵はそうだとして,東のは何なんだろう?
 重慶のある四川盆地東部の南北山陵群は「川東平行嶺谷」と呼称されます。正確には,北東方向から南西方向へ並行する数十本の褶曲山脈。
 これはどこにも書いてない,つまり素人イメージですけど──揚子江プレートがインドプレート側からの圧力で折れかかってる。その圧力が集中して潰れかかった地形が,川東平行嶺谷だと見えます。
 嶺谷は重慶エリアを南端とする。四川盆地の外輪の山嶺は,そこからさらに南の峰になってる。
 分からないのは,そんな三方からの巨大な圧力を受けながら,なぜ四川盆地が「丸く」かつ「平ら」で居られるのかでしたけど──白亜紀まで湖だったと聞いて,少し納得しました。
 3つ以上のプレートの境界に浮くような場所を,我々は既に知ってる。──日本列島です。そういう山だらけの火山島ではなくて,四川が盆地で平地なのはなぜなのか?
 小地形なら身近に事例がある。中国地方なら蒜山,中部日本なら上高地。いずれも火山活動のいたずらで湖になり,堆積が進んだ後で干上がってできたものとされる。──白亜紀までの四川盆地が「古四川湖」とでも言うべき巨大な内陸湖だったから,同じことが,桁違いの大きさで起こったということらしい。地殻変動と同じ位,水流の力というものはかくも強大,ということでしょうか。
 いずれにせよ,貴州はこの四川盆地の外輪を踏み出た南東。丁度,揚子江プレートの西岸ラインに沿って南下した場所になります。
※ wiki/四川盆地
※ 同/揚子江プレート
「2008年の四川大地震はこのプレートの龍門山断層によって引き起こされた。
 揚子江プレートは新原生代の7億5千万年前に超大陸であるロディニア大陸から分離した。三畳紀には北中国プレートと衝突し、四川盆地を形成した。また、新生代にはインドプレートとユーラシアプレートと衝突し、龍門山脈を形成した。」
※ 同/蒜山高原
※ 同/上高地高原

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