蒸菜屋があった!場所は?
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衣铺街の南側はギンギンに再開発中。いつもなら足を遠ざける風情です。
けれど,この北側,開発し残されたエアスポットみたいな場所に──
蒸菜館が2館!
かなりデカい店舗です。おそらく移転してきてる。1410,すぐ入りたい気分を抑えて位置確認のため一度通りを北へ抜ける。
何と!昨日の新華楼のすぐ南じゃないか!
50mも離れてない。──わしの旅行勘もまだまだヌルいな,ふっ。
ここから北は繁華街になる。一休みとする。
1425COSTA COFFEE
美式珈琲
昨日からアメリカーノが有難いなあ。
長沙蒸菜スタイルは波間に揺れて
▲「CHANGSHA」(長沙)と書かれた赤Tシャツのでか胸像。こんなん着る奴いるか?
昨夜から計6軒,新華楼を含めれば8軒蒸菜店を見つけたことになる。
「蒸菜」,おそらくこれは長沙名物というよりこの老城中心部でのちょっとした流行だったんでしょう。それがたまたま快餐の流れと重なり,止めれなくなった。だから大型化する方向ならまだ今は残ってるけれど,小型の店は持たなくなってきた。
結果,数は減ってる。つまり長沙ローカルの蒸菜スタイルより,遥かにオール中国の消費社会の食スタイルの方が劇的に動いてる。蒸菜はその波間に消えかかってる。
雨に濡れて思った。今回のこの二重コート,思わぬ拾い物でした。
古着屋で2千円だったんだけど,何の目的なのか薄手コートと綿入りナイロンのウォーマーのセパレート式。だから今日のような雨の時,外のコートから中のウォーマーに水気が伝わらない。さらにそれだけでなく,両者の間に層があるから,そこで蒸発しやすい。
旅行耐用の衣類です。これはなかなか現実に機能してみないと有り難みが理解しにくい。
長沙肉じゃが:夢ト干腊肉
さて胃も落ち着いてきた。衣铺街で3食目じゃ!
1517(衣铺街)浏陽蒸菜500
①
②
①五香粉香る辛い肉じゃが:おそらく夢ト干腊肉
②カリカリ肉の瓜とニンニクの芽と青唐辛子煮
①真っ黒なサイコロ状物体の2/3はジャガイモです。残りに肉が混ざってる。口にすると八角と五香粉が香り立つ。残り汁にも顕著でしたから間違いなく正当中華,山東の味覚を基軸にしてます。
しかし!
ここに,時間差を置いて辛味が来る。正確には,辛味が中華的な調味料と肉じゃがの後ろに背景として隠れていたのが見えてくるということでしょう。これが結構辛い。つまり辛さを感じさせずに受容させておいて,気がつくと辛さにまみれてる。そういう戦略は貴州と同じです。ただ貴州は辛さA×辛さBで惑わせるところを,湖南は辛さ×味覚の濃さで惑わせる。
貴州の戦略を漢族化したというところでしょうか。
あとこの味の濃さの大きな要因は,後から漢字を見て理解した「腊肉」,つまり中華ハムです。あの使いにくい食材はこう用いるわけですね。
唐辛子が中華に交わった場所
②カリカリ肉の瓜とニンニクの芽と青唐辛子煮
材料が皆みじん切りになってます。ライスに混ぜたら最高,いや日本人な方にとっては…最悪になると思います。
日本的には激辛。それも濁った辛さです。
量的な辛さが強いわけじゃない。肉は,どちらかというとハムやベーコンに似たものを感じます。アメリカのカリカリベーコンに似た焦げの苦味がある。肉汁は肉そのものよりも瓜に染み込んでます。
その上から,大ぶりな赤唐辛子が辛さを絡めてくる。じわっと,しかし確実に辛さの匍匐前進を続けて来る。
さらに伏兵になってるのはニンニクの芽。しかも火を通すのをやや控え,生ニンニクっぽい。つまり生ニンニク的な独特の辛味がガツンガツンと込み上げる。
こういう複合味です。渦のような辛さ!翻弄されるような見事な辛味です。
最後は,前述のごとくこれをご飯にかけてました。──最高のクッパです。辛味の渦に白米飯の甘さが加わるとなると…予想もつかなかい味覚であったのはご想像頂けるのでは?
ここまでの四食,長沙の食べ物に麻を感じたことは少ない。その点が成都との大きな差別みたいです。
重慶とは,唐辛子の量,というより量で迫るスタンス,その点で全く差別できる。
貴陽とは先にも触れた,辛さの先味での隠し方で差別がある。いわば苗族的な隠し方と漢人のそれの差別です。
流れとして見ると,湖南で唐辛子は中華に交わり,他料理圏に融合して行った──と考えられるのかもしれません。
ところで。
歩行街はすごいことになってます。上下の写真は16時頃のものですけど,夜はさらに輪をかけてました。
まさに上海の南京東路状態!と言うと言い過ぎですけど,四半世紀前を思うと夢のような光景です。
ちなみに五周目までやりましたので
長沙都市圏の人口は7百万を回ったところ。中国で45位。重慶28百万の4分の1,上海23百万の3分の1弱。
中国では中級ですけど,それでも千葉県より多い,というところです。
※中国都市人口ランキング1位~339位(2017年)
この都会風景と,前回からこだわってる老城南西角や今回訪れた北西部が,直線距離だと2百mちょいしか離れてないのは…ちょっと信じられない造りの町です。
1603,地下鉄1号に一駅だけ乗って再び南門口へ。三周目です。──あ,ちなみに五周目までやったので,この辺でうんざりした方は──「道別写真集
」をご参照くださいませ。
ホント自分でも「何でここまでやらにゃならんかったのか?」という気もしてますので。