外伝06@再訪@(@_19_@)もっと滷味(@_19_@)

▲小春園魯味の滷味

 しょーこりもなくまた台湾!
 2月半ばの4連休。バレンタインを台北で迎えてしまいました。このバレンタイン,──中華世界では今年は別の意味の日だったのを現地で知ったんだけど…それはおいおいお話しするとしまして。
 とにかく台北に着きまして,前回見つけた隻連(「隻」の字はホントはもーちょい難しい)の一泊千元のアパートに荷を下ろすや,飛びついたのは──滷味!
 南京西路,小春園魯味。小店だけど客足はひっきりなしの有名店。──台湾の漢語記載のグルメ本推薦の店だけど,歩き方にも一応店名のみ出てました。
 3品で85元。
 一つは豆腐の角切り。豆干です。見た目は日本の普通の煮込み豆腐そっくり。すき焼きの中でくたくたに煮込まれた豆腐って感じなんでホロッと崩れそうに見えて…実は高野豆腐みたいに固い。でもこれに滷味が芯まで染み込んでまして。
 前回の記憶と同じ味だけど,記憶以上に素晴らしい。やっぱりこの三春園が旨いのか?
 あと二つは肉。
 うち一つは豚らしきホルモン。香腸って言ふみたい。これはさらに,記憶の中の滷味を超越してました!ホルモンそのものとしても旨い。そして滷味がこれに被さって,軽快な臓物味と苦味のハーモニーが来る。
 大体,滷味って煮込みまくる料理だと想像してる。和食みたいな冷まして煮しませるって技法はないだろう。つまり,出汁は凄みを増すけど,その分食材そのものの旨味は損なわれるはず。
 けど小春園のは殺し合ってない。ちゃんとホルモンとして旨いし,滷味としても苦いんよ!
 も一つは鶏肉で,陳列段階では焼き鳥風に串に刺さってた。日本の焼き鳥より倍位でかいけど…。
 そもそも焼き豚や角煮って滷味系だとは感じてた。日本でも台湾系の料理屋の出す焼き豚は滷味をうっすら纏ってる。
 角煮としても,こんな旨い加工肉を食ったことがない…。
 肉がホロホロなのはもう当然ってレベル。肉々しさを甘みに転ずるのが第一級の角煮の醤油使いですけど,この小春園の滷味は肉を最高級のジャムか蜂蜜に変えてしまう。ミスター味っ子じゃないけど,口の中でキラキラ輝くよな肉味になっちゃってんですわ!
 初っぱなから素晴らしかった!やっぱ台湾滷味は最高ぜよ!

▲晴光市場・一口香滷味の滷味

 晴光市場の北端にある一口香滷味…だと思われる角の店へ。店名表示のないボックスのみの店だから確認できないけど,以前から異様な客足が気になってたとこ。
 やはり3点購入。
豆干
香腸
鶏の手(骨抜き)
 手が何か旨かった。コリコリ感だけじゃなく妙に油が乗ってて変な臭いがする。この腐ったよーな変な臭いに前回閉口して捨てたんだけど…今回は旨いと感じた。
 滷味は僅かで,しかもキリリと鋭くキイてる。でも恐らく滷味があって初めて食える味になる部位なんだと思う。滷味の食材を色々試してるうちに発見された部位なんでしょう。
 にしても豆干。大陸中国でもかなりメジャーに流通してて,蘇州では名産として売ってたけど,それだけ食ってもさして旨いと思わなかった。
 滷味で食うと…とんでもなくエクセレント。
 料理して初めて真価を発揮する食材なんですね。
 この店,も一つの看板メニューとして「徳式香腸」,つまりフランクフルトを売ってた。台湾まで来てソーセージかよ…って感覚で買わなかった。購入した香腸はホルモン的な奴でまあまあだったけど…後半で台湾ハムにハマった後で超後悔…。
 もしやッ?ムチャクチャ旨かったんちゃうんか?

▲正宗 老天禄滷味専門店の滷味

 最後の宿泊は西門にしましたけど,宿そばでスンゴい人だかりになってた滷味店を発見。
 正宗 老天禄滷味専門店。
 買いでしょー!全く予定になかったけど購入。品揃えが充実してたんで4点も購入!それでもシメて2桁では収まりました。
百葉豆腐30元
鴨爪7元
鶏[月屯]40元
海帯
 店頭のショーケースにあった百葉豆腐ってのにまず惹かれた!香草入りの豆腐…だと思う。値段はハルからそれなりにいー品だと思うんだけど…あんま大したことなかった。
 鴨爪は要するに鴨のオテテです。分かりやすいけど?肉がほとんどないし?骨も一口香滷味と違って全然噛めないし?何でコレそんなに有り難がられてんの?
 結局,鶏肝が旨かった。海帯はさらにバカ旨。滷味がピリピリ来るってのじゃなく,かなり薄目で,だからこそ絶妙なコントロールでキマッてました。普通の鶏肝やワカメかなと思ったら,味覚の背景からフワリと滷味が立ちのぼって香るって感じ。京風滷味みたいな…。
 しかしこれが売れてるってことは──台湾人の味覚ってかなり西日本の古い味覚人のに近いのかも?薄味の上品な滷味,こんな中華世界って上海以北の中国じゃあ想像もできなかったです。

 最終日は──ある事情でどこも閉店してたんで,全家(ファミリーマート)でお買い物…ってチンケな事になっちゃいました。
 スーパーなら,国内国外問わずそれなりにその土地の食文化を鳥瞰できて面白い。けど,コンビニだぞ?
 けど──長らくウロウロしてたから,レジのお姉さんはさぞ怪しんだと思うが,本気でチェック入れるとかなりエキサイティングかも。
 以前買った「蒟蒻干」をまとめ買い。──これ低カロってだけじゃなく,やっぱり味付けは滷味の一種みたい。いわば滷味ガム感覚ですが,おかずとしても干物感覚で頂ける。これ日本にあったら減量なんて超楽勝!
 ついでに買ってみたのが
滷味飯飯[米/口>専]B 15元
 つまり滷肉飯のお握りヴァージョン。種入りじゃなく滷味を染ませた飯で握ってありました。
 こいつを昨日の滷味の残りと一緒にいただきま~す。
 ウン…やはり香りがする米です。韓国米の香りは噛み締めた深い地点だったけど,台湾のは口に含んですぐにパッと広がる。滷味の染み方も程よくてかなりイケてました。
 それにしても海帯の滷味のおかず,米と食ったらさらに際立つ旨さやなあ!

▲萬国滷味の滷味

 西門でえらい売れてる滷味屋台があった。
 萬国滷味って店。ある事情で閑散とした西門でも開店してたんで購入してみた。
 130元。おばちゃん,一つ選ぶ度に「60元!」とかカウントしてくれるんで安心して買ってしまった。って単に値段計算が口に出てただけだったりして。
豆干
海帯
香腸
黒餅
 老天禄の味に似てる。滷味はごく弱い「京風」なのにちゃんと生きてる。でも老天禄より野趣あるとゆーか苦みに程よくトゲがあるってゆーか,わしはこっちの方が好き。
 屋台滷味はどっちかってゆーと苦みが強い。けどこの萬国は素材感を残す程度に薄口でした。台湾標準としてはどっちが本来なんだろ?

 あ~また食いたくなってきた!
 中華一般はかなり日本でも本格派が食えるのに,今年国内で探してみた限り,この滷味だけはない。滷肉飯を出す店は博多と大阪に一店ずつ見つけたけど,日本人に合わせてかあんまり臭くない。
 臭っさい滷味風味のもんを出す国内店,あったら東京だって飛んでくんですけど~。

 そりゃそーと,先に書いとこ。
 今回の台湾は明らかに食い過ぎました!海外旅行中のカロリーノートは,秋のイタリアが最後。前回の韓国からレコーディングしてません。毎日の体重測定は疑り深く続けてますが,欲しいものを食ってます。
 韓国では一時的にも体重増はなかった。
 台湾4日間。何と9kg増!──久しぶりに75kgラインを突破!?約1/7増だ!
 もーあんまリバウンドの危機感も持ってないんで「あーあ…」位の感覚でしたが,帰国後の変化がまた凄かった。
 何と何と!?5日間で元に戻ったんである!
 1日平均▲1.8kg?
 こんな速度は半減過程でも未経験。スゲエ!何なんだ!
 ノート取ってた前回の台湾ではこんなのなかった。ただし上海の4日間では5kgだったけど同じような乱高下がありました。だから恐らく…やっぱ中華料理はうっかり食うとすぐ太る!!
 でも食事を戻せばすぐ戻るってことは…つまり食事として良質だってことなんでしょうか?
 未だ謎多き台湾。再訪編のお話にお付き合いくださいませ。