外伝09♪~θ(^1^ )再見香港編

 佐敦の朝。ケータイのアラームに目覚める。
 最終日です。
 昼過ぎの出国時間まで…まだ食える!
 地下鉄駅で八徳カードにチャージ。エアポートエクスプレスや空港使用料もこれで払えることが分かったし,いずれにせよここにはまた来るはず。
 湾仔へ。華星[ニスイ+水]室の香港早餐で朝食。あと何杯かしか飲めないはずの[女乃]茶に名残を惜しむ。
西冷紅茶 13HK$
炒蛋多士 15HK$
【→File07香港早餐参照】
 上還へ引き返して二度目の蓮華園。初飲茶を頂いたここを最後の飲茶にした。毎日食ってきた飲茶,これで食いおさめって印象が湧かない。
【→File09飲茶参照】
 佐敦に戻る。香港旅行の締めならやっぱ広東粥でしょ?[弓爾]敦粥麺家。
生菜魚丸粥 28HK$
鮮[魚完]魚片 25HK$
【→File10広東粥参照】
 食った食った。食ったらデザートでしょ?
 既に帰国機離陸前3時間を切ってますが,今次香港の締めに義順牛[女乃]店へ。ここはマカオから通算3回目。
 締めは[弓爾]敦じゃなかったか?と言われる記憶力のいい方もいるかもしれないが,西日本では一本ではなく三本でシメることが多いものですから。
巧手[サ/田/一/田/一]汁[火敦]鮮[女乃] 22HK$
【→File06参照】
 これに,名残惜しくて[女乃]茶を追加…って未練たらしいったらありゃしないけど,だから西日本では三本締めなんですってば!
 既にどれをとう数えて三本なのか訳分かんなくなってきたことだし,まあ香港も今回はコレくらいでこらえてやることにしよう!

 宿でリュックをピックアップ。
 フル装備状態で佐敦から西へ歩き始める。エアポートエクスプレスの発着する九龍駅まで,約15分でした。この界隈,再開発エリアになってるらしく,更地のあちこちにビルがガンガン生えて来ているとこで,まだビル作るか香港!えーかげんにせなアカンで!…と言ったって止まりゃしないんだろな,香港暴走人間塊。
 九龍駅で,聞いてた通りチェックインを済ませることが出来た。これまでの帰国で覚えのないほど身軽で,やや不安感を感じつつエアポートエクスプレスに乗りこむ。
 空港へ一直線。来る時はマカオ経由だったから初めて乗るわけだ。
 さてここで!大変な事実を発見してしまう!さすがにわしだ!
 それは…九龍駅と機場駅(空港)間の出来事である。ここに,青衣という駅があるのじゃ!おおッ,その者青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし!ナウシカ・ファンには黙ってられない駅名ではないか!!
 いや,それだけの話ですが。
 車窓は一気に緑の山なみへ。九龍や香港島のビル街が嘘のようです。ここランタオ島になるんだっけ?この島も美しい島みたいやね。
 えーい!!まだまだ香港,時間が足らんわ!

 昔の啓徳空港は名前を鮮明に覚えてるのに,今のこの香港国際空港の名前は知らない。トランジットじゃ何度となく使ってるけど,知らんもんは知らん!(…調べろよ!)
 この名もなき空港(だからあるって!)から乗るのは初めてだけど,かなり立派な空港ですなあ。建物がデカいだけじゃなく,店舗や設備の充実度が凄い。アジアの空港って,北京空港の事だとは言わないけど,デカいだけで利便性が低いのが多い。数少ない欧州の経験では,ウィーンやミラノのは,はるかにこじんまりしてて利用しやすい空港施設でした。アジアのは国策で無理やり作ったってのが見え見え。北京空港の事とは言わないけど。
 それはそれとしてだよ…。
 臭いぞ,Tシャツ!
 どーも…半乾きのまんまリュックの底に詰めてしまってたらしい。旺角の窓のない7号室で雑菌を一杯に吸い込んでしまったらしい。
 かつて平安貴族の時代には,香を衣に焚きしめて移り香を楽しむ優雅な習慣がありおりはべりいまそかり。この日本古来の雅びな感性を受け継ぐわしにしあれば,纏いたまひしTシャツより華やかに匂い立つ雑菌臭が周囲にプンプン漂いたまひと,いとおかし。
 おかしーじゃねえか,ひーひっひっひい~!!
 頭のネジが外れるほどのいとおかしき芳香に,ついに空港のスーバニアショップに入店。
 Tシャツ買うべ。
 免税エリアまで待てん。こんなとこで買い物なんて初めて。けど,当然「HongKokg」とか入った奴しかない。出来るだけ目立たないのを選んで,トイレで着替えて,いとおかしきプンプンTシャツはビニール袋に二重にくるんでカバンの最下部へ。
 鏡に映った新しいTシャツ姿の自分を見ると…やっぱりいかにも観光客的に嬉しげだ。「わっはっは,香港に行ってきました!」って大威張りッみたいな。
 これで台北乗り継ぎまでして帰国するのかと思うと,とても痛い。
 尖沙[ロ且]辺りの裏通りにはたくさん選択屋さんがあるので,良い子のみんなはチャンと洗濯してもらおうね!(言われなくても…)

 台北までの機内食は,丁重にご辞退申し上げました。
 ――コレ,一度やってみたかったんよ!
 バックパッカー時代にエアインディアのすいてる便で2食食ったことはある。3食目を頼んだら,サリーのスッチーの目がさすがに険しくなったから涙を飲んで断念した。けど,ご辞退申しあげるのはこれまた初めて。何となく上品ぶっててセレブっぽくて,逆に憧れてまして。
 ってゆうか本音…香港圏滞在9日間,1日に5食から6食は食ってたわけで…体重がとっても気になってまして…機内食で2食は投資効率的にもったいなさすぎるし,3食体制の日常に無事復帰したいし,一応コレ,ダイエット紀行だし…。
 だからって,機内食一食抜いたらどうなるってもんでもないんですけどね。

 広島空港着。帰宅する。
 おっかなびっくりヘルスメーターに足をかける。
 ――72.4kg。
 へ!?こんなもん?半減ラインより+4.4kgしか太ってないの!?9日間あんだけ食って?1日5食や6食は当たり前に食ってたんだぞ?
 考えてみりゃ…乳製品も多くてカロリーはかなり取ってたはずだけど,炎天下を朝から晩まで早足で歩きまくってたわけで。それでなくても香港は疲れる町なわけで,半減以前とは違って,ほとんどスポーツに近いハードな活動を繰り返してたわけで。
 それに,も一つ加えるとすれば――やっぱり薄味中華だってことがあるかも。例えば油使いにしても,それなりに油ギッシュなのを食ってた気でも,薄味の料理にはそんなに量が要らない。本場のイタリアンと同じで,油,砂糖,塩のいわゆる余分三兄弟は味付けに欠かせないけど,微量しか要らない。使えないんだ,料理の元の味覚を損なうほど多量には。
 太らないって,こんなに単純なことだったんか?つまり――必要なのは,鋭敏な味覚。そしてそれを育む食文化。それさえあれば充分!
 にしても!
 ああ~悔しい!
 機内食,食えばよかったがー!!