本編の行程:Googleマップ(経路)
三人娘の洗礼をようよう終えて,宿の前,ハルビン路の路端でまずタバコを吹かす。
まずは南,でしょうね。
駅から乗ってきた地下鉄は3号線(天津地下鉄路線図→前章画像)。さっき降りた和平路の次,营口道駅が1号へのジャンクションになってる。天津駅で天津地下鉄カード「一卡通」(イーカートン)を売ってるのは1号線駅,と聞いてる。この营口道を仮目標にして歩こう。
ごったがえす甜品站の歩行者道:濱江路
▲ハルビン路の寸景。このさりげない「好え感じ」さに,個人的には物凄く天津を感じます。
イメージを作って歩きだしたのは,ほぼ正午。そのままハルビン道を南進。
ん?一つ南は新華路という地点で,西への人の流れを感じる。こっちが賑やかそうだな?
1205,西行してみる。
1206。おお,この道が繁華街なのか。道の名は浜江道。東南角がマックがあって,えらくごったがえしてます。
▲濱江路のマックカフェ。甜品站はスイーツのカウンターです。たまたま同じ店を書いたプログがありましたので,気になる方はこちらを→ameba/マックの桃ウーロンフルーリーが生温いわけない。
歩行者道になってる。少しだけこの道を南行してみようか。
西側は中原百貨という巨大モール。
麻花の店が目立つ。有名なの?…とこの辺りでようやく気付く。十八街麻花がブランドみたいです。
老津味の誇り高き名乗り:河北路
▲十八街麻花の看板。この初通過時には見逃してますけど,この路地は後日通ります。
「南正面にエメラルドグリーンの三つ頭の洋館」とメモってます。
大通りの雑踏の向こう遥かに映える,空の蒼に溶けるようなその色が記憶にも残ってます。地図でよく確認すると,浜江路突き当たり,天主教西开总堂の尖塔だったらしい。→GM.
フランスの教会で1917年建設。天津で一番大きな教会。「老西开教堂」とも呼ばれる。
※ 天主教天津教区西开总堂首页(中国語ですが写真や公式記録多数意見)/内部(中もエメラルドグリーンで,写真を見る限り凄い荘厳さ)
東西ラインの山東路を越えたのが1212。南西角に友谊新天地広場。南東角に波司登。何て読むんだ?(※)建物は浜江商厦。
1215,東西に河北路。南東角に財神道。何じゃそりゃ?(※※)西側には洋館っぽい小店舗群。
1220,探してたATMにがあったけど中国農業銀行。広州で,ATMにカードが吸い込まれて2日がかりのカフカ的な経験をした銀行として,個人史的には名高いから嫌なんだけど,他に見当たらない。──よし出た!カードも吐き出してくれた!
※ 中国語書きの「ボストン」。この場合は高級服飾小売店チェーンらしい。→SANKEI BIZ/中国でのやり方は通用せず 「波司登」、海外での高級衣料販売頓挫
※※ いくつもヒットはあるんだけどどれも要領を得ない。ただ,どうやら新興宗教のようなものらしい。ただの財神は「財源広大」でよく目にする神様群で,現世利益を至上とする中国人にはむしろ最も日常的な神ですが,その新派あるいは過激派みたいなものか?
▲河北路には似た感じの洋館めいた造りの店…というより元々の大きな洋館に何店舗かが入ってるんでしょう。
天津独自の味覚,という程の意味で,「老津味」という言葉があるらしい。そういう名前の店を見つけた。他でもいくつか使ってある表現です。
結果的に東行。1226。
ソーセージの店がある?店の名はえらく格調高い字で天宝楼と掲げてある。「始于1921年」…つまり日中戦以前からの店?
と…ここではさらっと通り過ぎてしまってますけど…大変もったいなかった!→真相:醤肉
風が無茶苦茶に強い。今日から長袖にしてよかった。
河北路は小店が続くいい雰囲気の通りになってました。ケーキ屋もあるぞ。ハルビン路に戻ったとこにはcocoまで!
▲河北路には食関係の店が多い。この桃酥屋は,夜には凄い行列になる店でした。
鍋盔&熱干面:ハルビン路
と店を覗きながら東へ出そうになったところで…思い出した。一卡通を入手するんだった。
1238,南行再開。
ハルビン路のこの辺り,いい昼下がりの風情だなあ。
1244,河南路。
北西角の「鍋盔」というピザかお好み焼きみたいなのは何だろう?小さな店だけど客が押し寄せてる。南東角の鶏蛋灌餅はお好み焼きだったよな?
後で調べると…何とタンドールで焼いた正真正銘のナンが,醤油味になっている,という新機軸の食べものなんだって!これも食い逃してました…。
ピンインはguo1khi1──「グオクイ」です。
※ 台湾再び/「鍋盔」初体験!まさかの醤油テイストがおいしい薄くて大きなお餅です
1249熱干面20元400
すみません,転んでしまいました…。天津第一食はこれ。あんまりにも小店の穴場っぽいとこにあんまりにも人がいたんで──。
持ち帰りも多い!人気店ってのは間違いないけど…。
うん!麺のボサボサ感はやや乏しいけど,味わい,作りとも熱干麺!
と喜んではみたけれど…何だろう,この違和感は?武漢だとボサボサ麺に辛味が来てハイ終わり,となるところにまだ尾を引いてるものがある感じです。より辛いとか甘いとかではなく,何か濃いものが後味に残るというか。
▲熱干面の微信払い画面。今回唯一の成功例…。
店のWifiがあったので,微信で久しぶりに支払ってみた。
QR読み取り式。クイックペイが有効になってなかったりして少し手間取ったけど成功!
支払い時のコードは,ICBCの口座パスではなく微信からのアクセスパス…というのすら忘れかけてました。
セブンイレブンが北東角にある十字路を跨ぎ,さらに南行すると工事現場に突き当たった。地鉄はこの向こう。右手西方から回り込む。
陝西路でした。浜江路との十字路には北東にM-plaza。ここにもセブンあり。南西に欧楽時尚広場。マック,ワトソン,coco入居。その南に楽宾百貨。ピザハット,ケンタッキーが入ってる。
1330,南京路に達す。ここの地下を,地下鉄1号が通ってるはずです。
■小レポ:醤肉
ドイツ風のハムの店かなあ,という先入観で見過ごしてしまった…のが悔しい。改めて調べると,天宝楼は北京式「醤肉」の老舗中の老舗(ただしチェーン店)。
では「醤肉」とは?これも知らなかった。北宋代に蘇州で始まったとされるもので,今は北京ダックの庶民版のような位置付けで,似たような食べ方をする存在らしい。
荒く言えば,甜面酱を使ったハムのようなものみたい。醤の香りを豚肉に燻せてあるのでしょう。
──これは悔しい食べ残しでした!実は,半年後の直沙で腊肉(干し肉)の旨さにハマるんですけど,中国のハムというのはこんな風になかなか奥深い…はずなんです。
※ 百度百科/天宝楼
「天宝楼是一家以京式酱肉为主营产品的餐饮公司,位于天津,创建于民国1921年,是一家有着近百年的“中华老字号”。」
※ 百度百科/酱肉
「酱肉是将猪肉用甜面酱、香辛调味料腌制后经自然风干而成的一类腌制类生肉制品」
「苏州五香酱肉在北宋时期就有生产,至今己有五六百年的历史」
※ chinc.com/京酱肉丝(日本語)