![]() |
変貌を遂げた 天津の町に 果たして裏道は 見つかったか? |
支出1500/収入2070
負債 570/
[前日累計]
/負債 769
§
→九月二十一日(五)
0523稲禾永和豆浆
早飯(シーファン,菜包,シエン蛋,小菜)370
[81天津ハルビン路まで⇒][82ハルビン路熱干面]⇒
1249熱干面20元400
[83天津鼓楼]⇒
1507華明牧場 伝統凝固型酸奶100
[84解放北路まで]⇒[85解放北路から帰着]⇒
1745(河北路)老津味
何とか肉トン何とか餐30元550
1831栗記仙豆糕
芋泥乳酸
ロール350
[前日日計]
支出1500/収入1770
負債 270/
[前日累計]
/負債 499
§
→九月二十二日(六)
![]() |
とうとう帰ってきたぞ,天津へ!ただ,四半世紀の変貌ぶりは半端ではなく… |
ババックパック準備完了。
時計を見ると5時8分である。
やや早過ぎる。この程度の張り切り方で良いけれど,これはどうも,向かう天津への期待が尋常ではないためらしい。
駅前の24時間営業の店舗群から,程よくひなびた店に入る。バス停の近くで通りにオープンだから雰囲気も窺える。
0523稲禾永和豆浆
早飯(シーファン,菜包,シエン蛋,小菜)370
典型的な中国早飯。数種から選べました。シーファン(→小レポ:稀飯)を食べれたのは嬉しかったな。
K156を待ちながら
▲天津関連画像1:今,天津には巨大クレーターがある。
※ HUFFPOST/天津爆発で直径100mの巨大クレーターが出現
3路のバスが視界を横切るのを見たのは,まだ最後の一口を残してる頃でした。0539。
バスの始発が動き始めた!0542,18路も通った。怖い怖い,そろそろ席を立たねば。
0552,タバコを吸い終えk156の表示のあるバス停で待つ。18分前。早いけど,乗り損なうとこの時間に次まで何分あるか不安です。
既に駅前は目覚めてる。バス停には10人以上の客待ち。眼前を車がひっきりなしに行く。スーツケースを引く一群の客,鉄道で今着いたばかりなのか。
0555,11路も来た。
タクシーの運ちゃんらしき目ざとそうな男が「西站,西站!」と声掛けしてる。例によって運ちゃん即席の相乗り企画です。おっ,こっちに来た。今また一人ゲットした。叫んでる値段は15元と聞こえる。
6時を回る。18路も来た。2元を握りこむ。
0604,43路。これは同じ始発時間の路線です。
0607…来た!…いや84路か。いかん,焦っとるな,全然ちゃうがな。
0609,これこそ間違いない!──現金なことにタクの言い値が10元に下がる。
どうも6バス停でお待ちの皆さん,かなりの方がこの便を待ってたらしく,入口はかなり混雑というか殺到して…四半世紀前を彷彿とさせる。懐かしかったっス。
バス前面の終点表示も確認したし,回りの乗客の皆様も「去西站?」「汽車西站?」と言い合ってる。間違いないはず!
枢紐を駆ける古代戦車
▲天津関連画像2:よく知らないフィギュア天津風
※ 価格.com/ねんどろいど 天津風の製品画像
晴天!明け初めた天に雲が見えない!
J1w6…ってこの書き方もう止めようね。バス停・経一緯六。続いて経一緯九。
次は西市場?南にその名のモールがある。ここは歩き損ねてる。でもこのラインの向こうはやはりマンション群。
道は反時計に回り込む。横切る形で緯十二。──って,まだ西へ進むの?バス停は経一緯十二。道そのものがさらに回り込んで,磁針で見るともう南向きに近い。こうなると経ナンバーはおかしいのでは?と思ってるといつの間にか道は名を変えてた。槐村街。時間は0624。
えっ,さらに回り込むの?経十路に入って右折。これを一直線か?バス停名はほとんど経十路○○路ばかり。
道は片側4車線。車内は既に立ってる客もいる混みよう。高架が頭上で交差してる。BRT駅が目立つ。道はまだ経十路。0630のアラームが鳴る。
バス停・劉庄。由来が偲ばれる。交差点では片側5車線にもなる太い道。マンションの建設中のが目立つ。
「儒商」という名目立つ。
0639右折北行?北へ行ってどーする?
腊山河路という道らしい。見渡す限りのマンション群と緑地と建築現場。新市街建設中か。まだ歩いてる生活者はほとんど見えない。
前方に丸っこいビル群。バス停・省会大劇院。
左折した。丸ビル群の北側を西行してる。生活者の姿が見え始めた。
さらに左折?南行してるぞ?丸ビル群西側。
日照路をさらに右折西行。バス停は济南報業。商業ビルが並ぶけど入居の風なし。
おお~デカい!着いた!迷いようがない。0651,所要42分。
贅沢な空間設計です,これは。
枢紐と書いてあるセンタービルみたいな巨大建物,その南方に济南長途汽車西站とあるこれまたデカい建物。高鉄は枢紐の西側。それぞれが物凄い広さの広場を持ってる。高鉄と枢紐の間には,4頭だての馬車のモニュメントが並ぶ。
BRT1号が発着してました。路線図を見ても,けれどやはりどこから乗るものか見当つかない。
中国新幹線危機一髪!
手荷物チェックでまたハサミが引っかかる。
ただ,今回は係員と会話しかけた途端「阿~!你是日本人!」(あら,あんた日本人なのね)と一言,通れ通れと追われた。
日本人なら刃物えーんかい!
──何か舐められたような気分なので,ここは一丁,新幹線ジャックでも!日本には新幹線危機一髪って映画もあるんだぞ!
0737,待合室A12にて席取り。まだ40分ある。…ちょい張り切り過ぎたか?
この駅の「@鉄路免費FreeWiFi」というのは,微信登録することが条件になって接続できた。悪どい。
本日の票(チケット)。
「济南西站 G390 天津站
Jianxi → Tianjin
2018年09月21日08:20開 04車15B号
¥140.5元 二等座」
座席占いは「オッス!行こうべい!」と吉である。
济南西が始発で終点は大連北。
1810,乗車。始発だから早いね。
車両の一番前の席でした。1号が济南方向か。この座席には前に机が付いてる。でもわしの前の机には,隣客がコーヒー置いてしまった。もちろん何の断りもない。ただ…もう慣れた。
「前方到站是ドジョウ東」(次の駅はドジョウ東)とアナウンス。
ドジョウ?どんな字かねえ?
窓外はマンション群の波。さっき駅前から東に見えたのとは別方向です,この郊外いっぱいでこの建設ラッシュは続いてるらしい。
検察のメガネの御姉様,なぜかパスポートまで提示を求めてきた。見せると「九点五十九分到」(0959到着)とのお告げ。90分なのか。速い!
0844。次の駅は「徳州東」でした。えっ?もう次は天津西だと放送は言ってるぞ。のぞみ並みの駅の飛ばし方らしい。──それだけ,北京-天津都市圏域には一極的な人の流れがあるもいうことか。
一眠りしたら0858になってた。
進行方向右手,東方車窓にはもう山並みが絶えている。水路,畑,街路樹,農家に時折どっとビルが現れる。
人工地の延々たる広がり。黄河デルタです。
ふと別のことを思う。数千年に渡り,のたうち回ってこのデルタを作った大黄河を,一時的にせよ干上がらせてしまった現代中国の所業というのは,本当にとんでもないことなんでしょうな。
0928,マンション群に入った。次は天津西站と再びのアナウンス。
西站は当然,天津市域の西のコアでしょう。天津到着予定時刻の30分前,ということはこの町の圏域はそれだけ大きい。上海と同じかそれ以上だと思う。北京・天津広域都市圏と言うべきか。
0934天津西到了。0943発。
え?地下に入った?「列車前方到站是天津車站」(列車の次の駅は天津駅)とアナウンス。
0947地上に出た。と思う間もなく停車?着いたのか?…えらい早いな。
カーフー&イーカートン
▲天津地下鉄の購買機「銀行卡,支付宝,微信购票区」(銀行カード,アリペイ,ウィーチャット用切符売場)
北京行きは何か面白し手段を探すことにして,普通に新幹線の切符は買わず,地下鉄駅へ潜る。
カードを買いたいけど,どこで買うのかな?駅員に訊く。「卡片在那儿買?」(カード,どこで買えるの?)すると「カーフー」とのお答え。「明白了」(分かりました)とは答えたけど…カーフーって?
分かってねーじゃん。戻ろうとしたらもう行列だったんで普通に買う。目指す和平路は3号線で2駅,2元。トークン方式。
荷物チェックのX線検査機の向こうに「客服」カウンターが現れました。あ,これがカーフーね。
カードを求めると,映画に出そうな目鼻立ちの御姉様の口から滑り出たのは「This card is Subway only. If you want to buy the card to be usable by bus,you need to go Line NO.1.」とかいった綺麗な英語。1号線の駅でしか買えない?どんな体制やねん?
一応,そのカードの名称を訊いておく。「イーカートン」と御姉様,にっこりお返事。いや,そのにっこりは可愛いけど,カーフーの二の舞は避けたい。「我要名子的漢字,写一写」(名前の漢字を書いてよ)と紙に漢字を書いてもらう。
「一卡通」でした。
山東とは違うのだよ,山東とは!
凄げーな,AEONあるぞ?
和平路に着き,地上出口から出たすぐ脇にカフェがありました。天津はここまでだけでもスタバもマックも複数も見かけたけど,bruno caffeという本場的な文字使いにとうとう屈してエスプレッソ。AEONは正確には天河城というモールに入ってて,その一階裏側出口そばです。(bruno:褐色-イタリア語)
WiFiにパスがあったので聞いてみると,店の名前と同じだという。それ…意味ないじゃん?
おっ?これはいいエスプレッソです。苦味が個性的につんと立ってる!
最早「中国に珈琲なし」説は完全に撤回せざるを得ないけれど,それでもこの天津での遭遇率は何だろう?AEONを出るとまたTHE CORNER’ CAFEというカフェ。これは明らかにカフェの文化があるわけです。
山東とは違うのだよ,山東とは。
と思うと初めて,今朝まで山東にいたんだなあ,という感慨が広がってきました。今更ながら,酸っぱい土地だったなあ,初の山東。
AEONから出てすぐの裏道が哈尔滨道でした。これを南南西にワンブロック行けば宿。これは,我ながらいい立地を選んだもんだ。
──泊まれたなら,ね。
予約したお宿は,agodaの表記で行くと…「Hanting Express Tianjin Binjiang Road 汉庭酒店天津滨江道店 No.164, Liaoning Road, Xiao Bailou Commercial Zone, Tianjin」。
中国カフカな3人娘
▲天津関連画像4:戦艦天津風
※ wiki/天津風(陽炎型駆逐艦)
1128,やっと荷を置いた部屋は8階。大きな宿で連泊処理もできました。
ただチェックインに30分もかかりました。
最初カウンターに着くと,丸々した御姉様が「agodaの予約がない」と騒ぎだす。そのうち服務員3人がかりになりました。3人なんですけど──どうも賢そうな人がいない。
コピーじゃなくて「钉単」(予約クーポン)を見せろと言い張る。仕方ないからau-SIMに替えてからメールを見せる。すると,確かに予約したようだけど,そのログが届いてないと言う。──なら何のためにクーポン探したんだ?
…ははあ。どうやら,問題解決できないもんだから思い付いたアクションを闇雲に客に取らせる,あのパターンの役人系行動だな,これは。
▲天津関連画像5:弁当天津風
※ 銀座萌黄亭/仕出し弁当-天津風(あまつかぜ)
昨夜までもたまたま漢庭だった(だからログがこの店にだけ入らないはずない)と主張してみる。すると,济南の漢庭に電話してみると言いだした。──その電話,繋がったら何を訊くの?
こんな調子です。とにかく泊まれればいいので,作戦を変えて少し見守ることにする。3人があれこれワイワイして,万策尽きたタイミングで──ようやく切り出す。
まあ,予約の問題はともかくですよ,空室があれば泊めてくれ。──すると部屋をさらっとくれた。2日目が祝日だとかで高かったけど。しかもカードも使えない。济南では使えたのに?…とか色々不手際はありこそすれ,ようやく宿泊に話が向かいました。
と,そこで安心して「じゃあ最後にWiFiのパス教えてよ」と口にしたのが失敗でした。
スマホを貸せという。いや,パスだけ分かればいーんだけど?と言っても,もはや聞く耳なし。どうやら,もはや客にホテルマンとしての実力を見せつけたい!という欲求が過多なお嬢様が3人の誰かにいるらしい。
言っても無駄なので渡す。10分くらいあちこち触るから物凄く怖くなったけど,とにかく接続できたらしい。──案の定,3人娘,哀れみを誘うほどのドヤ顔です。
ただ普通のチェックインだぞ?1日何人扱ってんだ?
いやはや,何だったのか?カフカ的な状況に中国では時折なるもんだけど──これはモロそうでした。部屋はいいし,おそらくHDMLも使えそう…だからもう大人しくしててね,3人娘。
あーあ,昼になっちゃったよ。
▲天津関連画像6:吉田茂が駐在した天津の租界
※ China Record/吉田茂が駐在した,日本租界地跡を訪ねて
■小レポ:稀饭の深まる謎
西安留学の1年,ほぼ毎日,朝飯はシーファンと豆腐脳でした。そのシーファンが,考えてみれば謎なのです。稗か粟だろう,とぼんやり考えてましたけど確証は全然。
さらに考えてみれば,このところかなり歩いてきた現代中国で,あまり見かけた記憶がない。
シーファン:稀饭 xi1fan4。
分からないのは①素材,②レシピ,③地域性です。
百度百科で見ると,①素材は様々。③地域は主に「東方」だという。他サイトでは,お粥を南方では「粥」というけれど,北方では「シーファン」と呼ぶ,との記述もある。単に「稀饭」で検索しても,雲南から河南まで相当な地域にそれぞれあるようです。ただ,北方中国ではそういう「名物」めいたヒットが少ない。それだけ当たり前の食事になってるからかもしれない。
知乎では②シーファンは粥と違って米と汁が分離している,と書く。同様の記述は相当見つかるから,おそらく米を通常より多目の水分で炊く,という日本のお粥の作り方ではなく,普通に炊いたご飯を湯で煮るものだろう。
しかし①素材に戻るけど,明らかに米以外のものが主体あるいは混入してる。
種類を見ていくと,これもかなりある。驚いたことに,皮蛋痩肉粥もその一つとされてる。
広東粥のあのサラサラ感も,米の粘りではなく甘さ,あるいは複雑味を出す作り方から生まれてました。
「米をぶよぶよに炊く」のではなく,むしろ粉を湯に溶かしてる,つまり粉食の延長のような感覚です。
結局,謎が深まっただけ。どうも取りつくシマもないような情報ばかりですけど──中国歩きの中で,この济南でだけこのシーファンに出会った,これはどういう偶然だったんだろう?
※ 百度百科/稀饭
「稀饭(porridge rice),是以中国为主的东方人特有食物,型状、稀稠不一,各地常用材料有大米、小米、黑米、莲子、花生、银耳、薏米、红豆等,一般是佐餐。」(「稀饭」(porridge rice)は,中国の主に東方人に特有の食べ物で,形も材料も様々である。各地で常用される材料はお米,粟,黒米,ハス,ピーナッツ,シロキクラゲ,はとむぎ,小豆などで,通常はおかずにされる。)
「分类 北方,鲁菜」
※ 知乎/稀饭和粥有什么区别?
「稀饭的颗粒感更重一点,有明显的水、米分离感。」(稀饭は粒の感覚が重く,湿り気はあるものの,水と米に分離感がある。)