油煳干青∈5貴陽:三民路2∋糟酸麻蒜

~(m–)m 本編の行程 m(–m)~
GM.(経路1)
▼(実際は抜けれた)
GM.(経路2)

★地点が近づく

回,マップに★をつけてた地点が近づいてました。位置情報をオンにする。
 その地点は,雪ダルマの左腰部に当たる。二つの円環の接合部。本来の道は古い円環城の城壁内側,新しい道は古い城壁の撤去跡らしい。
 侵入点を位置情報で確認しつつ,数mずつゆっくり進むと──

▲雪ダルマの左腰部。今回の★は,東の城壁T字部の南西,道の左折西行部。

あった!
 0946,三民巷の表示の細い道。上の写真の古い方の城壁内側です。左折西行して細道を行く。

▲0947三民路。ケバいおばはんにガンつけられてます

も,名誉を賭けて言いたいけど,あんたを撮ったんじゃないよ。
 なかなか好い道です。くねりながら下り,かつ生活感は濃厚。
 いつもの歩きでここを見つけたら微速前進しそうな道ですけど…今回目指してるのはこの先!歩を急ぐ。

▲0948三民路(2)結構な下り坂です。

の狂いする風光を,その当時にはさらりと流してることは稀ではない。
 初回の貴陽でたまたま迷い入って「三民東路」と書き残してる雑然とした市場道に,二度目・三度目とも行き着けてなかった。旧城壁の配置ももちろん知らず,湾曲する道にまんまと迷わされた。
 あの雑然さ,後から振り返ると貴陽でも珍しかった。
「東路」ならば「三民路」を本道にして,これと接続してる可能性は高い…と曲がりくねりつつ進んでいくと──
※ 外伝四川悶絶/2013年09月16日 貴州編@第二日:黔州の辣八味にのたうつ

城の壁は市と化す

▲0950広い道に出た!

った!まだあったよ!
 間違いない。やや太い市場の道。妙にぶっきらぼうな通りに,これも公設でも何でもなく思い思いの露天が出てる。
 これが三民東路です。

▲0949三民東路の軒先

民路より広い。幅は倍はある。
 傾斜はあるけど一方向。左右のくねりもほぼない。
 普通の本道と側道の関係が,何となく逆転してる。これは城の北東隅の小さな路地の脇に,城壁撤去による広い空き地が出来,それが道になったからでしょう。
 史料はないですけど…日帝爆撃に備えた防火帯だったのかもしれません。

▲0951三民東路(3)。またおばはんに睨まれとる。

三民東路の西端,再び

から西へ。
 初貴陽二日目とは逆方向をたどってます。
 そうすると,当然,あと時最初に入ったあの腸旺面の店に──でもあの危なげな店が,まだあるかなあ??

▲三民路西端。記憶通り延安路から路地で無理矢理繋がってます。

るよ,この店がまだ!
 三民路東端。すぐ前に来ないと分からん小さな店です。
 迷わず入店。確か,扉じゃなくて防寒シートをめくって入ったと思う。
0954腸旺面300
 店主は…いない?ガキが2人いて,こいつらのどっちかが作ってるらしい。
 …。
 まあ…初めて食べた腸旺面だったしな。記憶の迷いでも「思い出の味」ってことで満足できるしな。

▲0957あの時の腸旺面!

いんである!
 血液ゼリー,ホルモン,ボロボロ肉※の歯ごたえも素晴らしく,そのアクセントの違いもいい。
 一口目にはインスタントじゃないか?と疑いたくなる麺も,実はきちんとした手作り,黒々と硬くいい歯ごたえ。
 汁は,麻辣は激辛というほどもない。代わりにホルモンの香りがたっぷり。
 この味である。これがチャンワンである。
※ 四度目にしてまだ覚えてません。
 肥肠 fei2chang2 ふぇいちゃん
 血旺 xie3wang4 しえわん
 脆臊 cui4sao1(4?) ツイサオ

延安路は未だ工事中

,ここまでは実り多い歩きだったんだけど。
 1013,延安東路を西へ。歩道橋を渡る。あんまり注視したくなるものがない。そのまま中華路に出てしまった。旧城北壁ラインのはずなのに…。
 中華路は,もう何度も歩いた貴陽中心街です。
 そのまま西へ行ってみよう…と思いながらも,トイレを借りに貴州省人力資源和社会保障庁(→GM.)へ。その裏が,かつての大同路美食街の体育館みたいな建物。やはり廃業してるらしい。
「地鉄」と書かれた工場現場。竜井路の南北ラインを掘りまくってる。いや,ここは東西もか?軌道交通2号線との文字もあるから十字路線をまず作るのか?
 貴陽のこの工事現場の面白さは,他のように立ち入り禁止でなく,殺伐とした工事現場に通行人の横断を許してる点。
 延安路は近寄らん方がええなあ。前回通った金沙街へ左折南行。

▲1037前回と変わらず工事でズタズタの延安路

金沙路に湯気の立つ

沙路,この道は一体どうやって出来たものなのやら?
 今の光景は,工事現場の抜け道みたいになってる。でも南東出口では太平路にはっきり繋がってる。だけどそこまでは,ほとんど途切れ途切れに続いてて,現代に入って整えられた形跡がない。
 で,この道の延安路側入口に,湯気が立ち上ってました。

▲1058金沙路の細道

1045金沙牛肉粉300
 唐辛子辛さではない。酸っぱ辛い。いや,ニンニク辛さもあるか。
 シェンツァイの香りも手伝って,唐辛子辛さしか知らない我ら日本人には後でビックリするような衝撃が口に残る。

▲1048湯!

よりもこの出汁!
 牛肉と言っても牛骨から取った濃厚なスープだと思う。沖縄の骨汁と同列だけど,パクチーとのバランスからか,相当上質なものになってる。
もいい。
 路地裏の名店は未知の味覚です。
 これは後の調べでしたけど──貴陽の「牛肉粉」はそれなりに名の知れたもの。それは,下記サイトみたいに香港での評価も手伝ってのことらしい。牛肉湯にあれほどうるさい香港人に,かなり好評なんである。
※ 每日頭條/貴陽牛肉粉,吃出滿滿的幸福感
「它獨特的風味,受到貴陽人的喜愛,多髓的牛骨熬制的濃湯,爽滑的米粉,上等的黃牛肉,撒上一勺貴州產的辣椒麵,夾一碟開胃的泡菜,吃完粉後再把碗裡的牛肉湯喝個底朝天,擦擦額頭上滲出的汗,打著響嗝滿意而去。」

※ u blog/銅鑼灣 十二味貴陽牛肉粉✎舌尖上的貴陽
 変貌のギアをトップに入れつつある貴陽に,何か「古くて新しいもの」が生まれつつある。そういう印象は,この後さらに強まっていくことになりました。

■コラム:四川人は馬面がお好き

 三民路の入口にあった「石鍋記呱呱叫耗兒魚」という文字を思わず書き取ってます。
「石鍋記」は香港めいた名乗り,「呱呱叫」は「思わず笑っちゃう」みたいな意味だとして──「耗兒魚」って何だ?
 店の雰囲気は食べるみたいだけど…?
 ようやく日本語名を探し当てました。ウマヅラハギのことらしい。
 中国でも「馬面魚」と呼ぶ,というのは,日本語の意訳だろうか?
 で,これを四川人は「耗兒魚」と呼ぶ。「兒」は「児」の簡体字だから…やや差別的なネーミングだろうか?でも四川人は──全く知らなかったけど──物凄く好きらしい。
 ネーミングからも頷けるけど,中国沿岸ではこの魚,養殖魚の餌に使ってて人間は食べなかったという。ところが四川では以前から名物で,今や現地のものはほぼ絶滅,日本も含め他から輸入しとるそうな。
 四川はやっぱり変です。
 というかこのコラムを一本設けた本旨は──最巻末の,一目で夢に出てきそうな写真にあります。
※ 字媒体/吃了沒有頭的耗兒魚,才知道四川吃貨們為啥愛它到發瘋
「有人叫這種魚為馬面魚,耗兒魚是四川地區人們的叫法。」
「前些年跟朋友在重慶吃耗兒魚,發現魚都比較小。後來才知道是因為近些年捕撈量逐年增加,目前國內250g以上的耗兒魚已經很難見到了,基本都要靠在日本、泰國和馬來西亞等地進口。」

▲何事かを企んでるとしか思えない耗兒魚の顔