外伝08〓’Ⅷotto-2’rosso!! 赤

 ボローニャ,パルマ,モデナ。
 たった2日だけど。エミリア街道の街並みは美しかったッス。
 それはローマやトスカーナとは違って,芳醇さを背景にした余裕ある誇り高さを感じさせました。イタリアの筋肉とでも言うんでしょーか?懐の広さを見せつけてくれた景観でした。
 この章では,とりあえず3つの町の風景画を見ていきまして──しかる後,この段階でイタリアの食に向き合う姿勢について書き留めてた当時のメモに触れときます。

〓〓 ボローニャ 〓〓


▲赤い街路風景
とにかく赤い!それも絵の具の赤じゃなく,くすんだレンガ色。アイスのセレクトに「ボローニャ」ってのがあるほど,この町のシンボルカラーとして自覚されてる。


▲新しい家まで赤い街路風景
空の蒼に見事に映えるレンガ色


▲赤い街の赤い店
こーゆー新しい店まで町のカラーを意識し過ぎ臭い。


▲原付まで赤い街路風景…ってそれは単に偶然か?


▲夕暮れの赤い街並み
残照が町を覆うとさらに赤がぎらついてぎらついて。


▲赤い街のシルエット


▲ピアッツァの乳から噴水女像
市内中央の広場の真ん中に,これが4人いてるんだけど…そんなとこからわざわざ噴かなくても…ねえ。


▲ピアッツァで何か主張する人
お一人で頑張っておられました。あんまり聞いてる人もいないようでしたが,まあ体に気をつけて頑張ってや。


▲ボローニャ大学前の柱はビラで満杯
重ねてバンバン貼ってあるから柱はゴワゴワ状態。こんだけあると誰も読まんと思うが,まあ若いんだから好きにやったらええやん。


▲斜塔東のアーケード付き歩道より
ボローニャはこの歩道がめっちゃ荘厳でした。イランやインドにも似た感じの構造物はあるけどこんなに大規模に,しかも今も日常的に使われてるのは珍しいかも。
(後日談:その意味じゃジェノバのセッテンブレ通が似た感じだった)
(さらに後日談:福建の騎楼にこれだけ惹かれた後となっては,こんなのと比較したら歩きが進まないだろうな・・・元祖は凄いです,やっぱり。)


▲チェントロ駅前辺りの石畳の横断歩道

〓〓 パルマ 〓〓


▲パルマの街並み
とりあえず赤くないからほっとする。


▲川沿いの並木道
市街やや西手を南北に貫く。歩いて気持ちいい河辺。ちなみに河の東側は下町風情の落ち着いた住居エリアでした。


▲リブレリア(本屋)のある街角
全体的に落ち着いた空気のちょうどいい空気の町です。


▲トンネル内から街並みを見る。

〓〓 モデナ 〓〓


▲教会のある風景
駅前すぐのドゥオーモ。ここまでは迷わずに来てたはずだけど。


▲街角の小店と街並み
モデナ,これだけしか写真な~し!!そんな余裕な~し!

 観光客が少な目のエリアってこともあって,エミリア街道の町で食ったとこは,いずれも人だかりのあった店。
 日本のガイド本に頼らず,自分の目と舌で歩いてみた。ってゆーかマイナーだからそれしかなかったんだけど…。
 何となく分かってきた。
 イタリアで美味いもん食うのに,値段は問題じゃないらしい。ε10以上払ったらお洒落で高級な感じが付いてくるってだけで,それは味のレベルの上質さを意味してないみたい。つまり,庶民的食生活とリストランテやトラットリアの食事は明らかに金銭的レベルが別物なんだけど,後者は食材がやや高級ってだけですごく美味いってほどじゃない。


▲コープのレジ(クレルモ)

 考えてみりゃ──珍しくもない現象やね。
 京都で典型的だけど和食やフレンチの高級店によくある状況。世界的に崇められてしまってる観光地イタリアでは,ユーロ切り替えの便乗値上げも手伝って,それがすんごく極端に発現してるってだけか。
 庶民の食事が不味い街で金持ちだけが美味いもの食ってるなんて,原理的にありえない。食文化は常に完全無欠の民主主義なんだから。
 それに──わしがこの国で知りたいのは,イタリアの食文化とその表出としての食生活ってどんなもん?ってこと。もしそーゆー上層階級単独の食文化の発展がありえたとしても,わしには関係がない。興味ない。
 幸い,ここまでで感じた限り,チープなだけで人が集まるほどイタリア庶民の舌もヤワではなさそう。
 とゆーことで──チープで人気の店で食おう!おそらくそれが結局,一番美味いものにありつける方法みたいだからです。トラットリアで食う場合でも,地元客の入りのいい店で一番注文の多そうなのを1品だけ頼んでやろう。


▲引越業者のトラック
それがどーしたって?いや何となく雰囲気違うなってとこで。

 ローマとかで何度か学生のパックパッカーを見かけた。大抵パニーノだけとかを人目を避けるみたいにかじってた。
 けど,ちゃんと目と舌で食う気になれば,かなりバリエーションのあるものが食えそうな自信を,ボローニャ滞在を通じて得られた気がする。
 ガイド本がホントの意味で美味本じゃないイタリア旅行じゃ,自分の目と舌だけが頼りなわけです。けど,成功した場合にありつける美味のレベルも高い。
 このグルメ旅行としての難易度の高さ──これはかなり面白そうなんじゃない!?


▲イタリア版クイズ・ミリオネア 司会者の圧力が日本以上にハードで挑戦者はみんな泣きそ…