外伝17-052 青城に道の途切れてよりの雨/青島駅~青州古城

▲軍人・母嬰専用待合室

青島駅地下世界:お前を撮ってんじゃねーよ!

式のような行為に最近なってきてます。でも,行き先知名のピンイン(発音)の最終確認も出来て,良いんです。本日の票(チケット)を転記。
「青岛站 G232 青州市站
 Qingdao→Qingzhoushi
 2018年09月18日09:12開 07车11B号
 ¥74.5元 二等座
 限乗当日当次车」
 座席占いは「7いい日」と幸先よい。
 ただこの列車の終到站(終着駅)は上海紅橋となっている。何度か見たけど間違いない。どう走るのか見当もつかん。

音(ピンイン)はチンジョウなわけですけど,では日本語でどう読むのか?
 中国の知名を日本語でどう読むのが正しいか?というのは愚問ではありますけど──
 日本語の三国志に,曹操が初めて万単位の軍隊を持つ際に傘下に組み入れた「青州兵」というのが出て来ます。これを通常「せいしゅうへい」と読んでるから,「せいしゅう」としていいんじゃないかと思います。念のためでした。
※ ヒット例:enpedia/青州兵

是中国軍人」という文字が最後にどどんと出る。
 待合室の大モニターに映る人民解放軍のイメージCM。
 そういえばこの待合室の横には,前掲の,軍人と妊婦等みたいな専用待合室がありました。烟台からのバスでも運転手の横に軍人用特設シートを見かけました。今も,というかひょっとして今だからこそ,軍人のプライドは高まり,あるいは高められつつあるのかもしれません。
 中国の各地にある「老幹部局」みたいな施設もそういう方々の福祉施設なのでしょう。

▲改札が開く前のいつもの行列。お前を撮ったんじゃねーよ!

日のお宿は,これから着く青州駅前に取ってます。
 Thank Inn Chain Hotel Shandong Weifang Qingzhou Railway Station 尚客优连锁山东潍坊青州市火车站店。長い名です。
 次の次の目的地,済南へは距離的にバスで入れないかと思ってる。青州駅から青州古城は歩けない距離だし,宿も少ないし,バスも鉄道も郊外に作るほどの規模じゃないだろう。ならば駅周辺がツブシが効くだろう,という観測からです。
 百度百科では青州南站というのもヒットしたけど,二等站とあるし,おそらく交通のメインじゃないと思う。
 ここはとにかく情報が少ない。それだけに,観光化の薄さは期待できるけど──その前に,当面今日のお宿で「外国人不能住!」発言が出るリスクをクリアしなければならん。こればかりはもう,行ってみないと分かりゃしない。
 さて0842です。そろそろ乗車のはずだけど?検札口に人も集まり始めたし?立つか!

州扒鶏という構内の店が目に入った。
 唐突に,青島ビールを飲まなかったなと気付く。
 0851,まだ行列動かず。駅員が「G232現在上車!」と叫んでるからもうすぐのはず──と書いてたら,今開いた!20分前だったのか!

ームに降りると,やはり始発駅だったらしく,列車はもう止まってました。
 B席は3人掛けの中央席。幸い今は両脇に人なし。
 あとマニアックだけど一号車の方向(=進行方向)と,座席の1号席の方向(=反進行方向)がこの列車は逆方向です。
室内も車体にも広告がやたら多い。ホーム対面に在来線の硬卧车(青島-成都とある。こいつも謎の行程?)が止めてあるのもビックリする。
 車内は,日本のに酷似した他の新幹線とは微妙に違う。共用部分が木目調で,電光表示が小さな文字で2行に出てる。
 ただ,車内はやはりWiFi無。
 0909「Door is closing!」と英語のアナウンス。いーのか,まだ時刻前だぞ?あ,ホントに閉まった?え?0911,ホントに発車した?車内の時計でも12分の発車時刻前じゃないか!怖~!

これまでで最ものどかな蓬莱の真ん中へ

▲微妙な違和感をもたらす青島新幹線の車内

れ始めた車窓には,いくつもの洋館が現れては消える。新しい家屋にも赤屋根が目立つ。ある程度,町のカラーみたいなのを意識してるものか?
 北の市街に入る。里房やドイツ的なあの風情はなくなるけれど,赤屋根の連続はなおも視界を占めてます。
 いやあ。厦門のあの島以来だった。こんな近代の鬼子たる,独特な不思議さの街歩きは。
 0921,左手車窓に広がった中国華電とある大施設。発電所だろうか。

席でグズッてた赤子が,後席を覗きこんで見慣れない顔つきを凝視してる。いやあ,照れますがな。
 青島北站とのアナウンス。そこにも止まるのか?
 北站辺りはまだ開発間もないらしい。東南アジアの田舎のような野原が残る風景です。ただ駅舎はどでかい。乗車客の数も少なくはないから,相当の人口が既に住んでると見える。でもって──両脇に客が来た。まあ来るわな。
 0931北站発車。下站は「潍坊」と表示。潍坊市域に属する青州はその次だろう。
 左手車窓を海が占める。車道を挟んですぐ,日本の新幹線ではこれまで見た記憶のない光景です(津波とかに対する危機管理なのか?)。
 新市街は見渡す限りの広がりでビル群が立ち並び,あるいは建設中です。面積が青島旧市街とは桁が2つほど違うんじゃないか?そうなると…旧市街はさらに観光用のノスタルジックな地区との色彩を濃くしていくのでしょう。
 この街こそ,今訪れてラッキーだったのかもしれません。

並みは今のところ消えたままです。0940。土地の起伏も絶えた。位置的には──蓬莱二島の間の平野に入ったというところか。
 旅行も5日目。蓬莱の真ん中を動きつつある。
 0947。ビル群は消え,一軒家の民家か低層のアパートばかりになった。その密度も徐々に薄くなってるようです。
 東方向の地平線には,ごく低い山陵線が見えてる。

ルケミスト」を持参してます。
 移動中専用になった感があるこの文庫本,砂漠のキャラバンが部族間紛争を抜ける場面に入ってる。この本は,旅行中,特に行く手の定まらない旅中には,読むほどに味わいがあるのかもしれない。
 こういうタッチの童話を書きたい。

「『キャラバンと砂漠は同じことばを話していました。だからこそ,砂漠はキャラバンが横切ってゆくのを許してくれるのです。それはキャラバンの一歩一歩をテストして,時間どおりにいっているか見ています。そしてもし時間通りならば,僕たちはオアシスに行けるはずです』
『もし,われわれのどちらかが,そのことばを理解せずに,個人的な勇気だけでキャラバンに加わっていたら,この旅はもっと困難なものになっていただろう』
 二人はそこに立って月を見ていた。
『あれは前兆の魔法だ』と少年が言った。『案内人がどうやって砂漠のサインを読むのか見ていました。そして,どうやってキャラバンの魂が砂漠の魂に語りかけているのかも,観察したのです』
 イギリス人が言った。『僕ももっとキャラバンを注意して見た方がいいのかもしれない』
『そして僕も,あなたの本をもっと読んだ方がいいのかも』と少年が言った。」(パウロ・コエーリョ「アルケミスト」平29(65版),角川文庫,p94)

村風景が続くけれど,土地の表が僅かにうねりを持ち始めた。1010。
 線路の脇が時折盛り上がる,丘を堀り抜いた間を走ってるようです。小川。丘を彩る灌木群。
 ドイツやカシミールのよう。おそらく古い大地の景観です。ただ,山と言えるような影は皆無。大地そのものがのたうってる感じ。
 左手に大規模な工場。サイロが見える。原発かもしれない。
 外温25度と電光表示。

坊站近しとのアナウンス。1018。
 建物は増えたけれど建設中のビル影は少ない。
 1024,到着。駅周辺ものどけき雰囲気。都市らしい光景がない。
 1025,発車。下站(次の駅)は青州とのアナウンス。てことはここより小さな町なのか?
 1036,初めて左手に山を見る。長い単独峰らしい。
 土地のうねりはさらに深まる。妙に工場が,さらにビル群が増えてきた。
 ──鄭州と開封のように,青州域の方が都市化してるのかも?
 スピードはまだ落ちてない。ここはまだ潍坊域なんだろうか?
 左右にビニールハウスが見渡す限り広がった。規則正しい水路も巡らされてるようです。自然の占有率が目に見えて下がってきた。
 この丘陵群は泰山,つまり蓬島中心域から続く北麓に該当すると思われる。山地とか尾根というほどではないけれど。
 青州近しとのアナウンスを聞き,ほぼ諦めた。
 1051,青州市站到着。間違いない。これまでで最ものどかな町に来てしまったらしい。

青州到着!「魏仕」って何なんだ?

▲チケットと「魏仕」と書いてもらった紙片

た~!
 11時丁度。予約してた尚客优连锁で出た!──「外国人不行!」
 このカードを出されたら,もう交渉は出来ない。建設的に,ものすごく途方に暮れた風情を醸しつつ「泊まれる宿,知らない?」と訊く。
「ウェイシ」に泊まれる,と言う。何だそれ?書いてもらったのが前掲の写真の2文字「魏仕」。1km南の魏仕国際大酒店というところだという。
 歩き始めるのに勇気が要った。──駅から南に伸びるのは,ほとんど建物のない広い車道。でもこれしか頼れる情報はない。
 延々歩く。
 20分歩いて,これはそろそろ引き返す?と惑い始める。

▲宿の前の片側4車線道,海岱路。

字が見えた。確かに「魏仕」とある。
 宿というか…学校とか会社とかの複合施設群?どうもグループの集積地みたいなところっぽい。ただ…すごい寂れ様です。
 会社としては山東魏仕照明科技有限公司というところでした。場所はきっとこの辺り→GM.

▲宿の正面の表示

 カウンターへ行くと,確かに断られなかった。
 1130,投宿。190元,これまでにないデカい部屋で木目調のデスクまである。CPとしてはかなりいい。
 さて?どーするよ?
 宿が取れる保証はなかったから,脱出用交通機関の票(チケット)は買ってない。とりあえず駅に引き換えそう。カウンターで訊くと,バス停は南北同距離。つまり一番不便らしい。
 と,こんな状況からのスタートとなった青州での24時間の滞在でした。24時間なんですけど──この青州編,実は9章あります。一緒に困った気持ちでお付き合い下さい。

▲見た目はリッチなお部屋へ!

~~~~~(m–)m青州編~~~~~(m–)m

」という見慣れない漢字は,何と泰山の意味らしい。
 海岱路とはよく言ったものです。どどーん!と道だけが,在る。幅は百mはありそう。
 道端に出てタバコを吸う。これはこれで感慨深い。深いけど…バス停を選ばなきゃ。北の方が,少しは近そうに見えます。
 かなり荒れた歩道を進み,車はほとんど通らないから悠々横断してバス停に着く。停留所名は何と魏仕照明。
 まあ,それしか確かにない場所なんだけど…。
 18路に乗る。一律2元。

青州駅:と,とにかくチケットとご飯でも…

▲とにかく駅へ折り返すけど…寂しい!

も通らないからバスはゴオッとすぐ駅に着きます。
 1156,青州市駅。
 やっぱり人がいない…。中国にこんな駅前って…あるんだねえ。
 おっ!李先生があるがな!最近どこにでも店舗のあるこの店がこんなに有り難かったことはないぞ!…ってここは,検札の中からしか行けんのかい!てか,この人口密度でそれで商売になるの?
 济南へのバスはないらしい。火車站の切符売り場へ向かう。
 おおっ!行列がない?てゆーかここにすら人がいない?
 明日の12時ジャスト発のチケットが,サクッととれました。うーん,楽ではあったけど…。

▲とにかく昼御飯

近くには流石に飯屋が数店舗ありました。とにかく食おう。
 え?店の人がいない…。
 これなら青島で朝飯食って来るんだった…。
 で,駅の西の道向かいの店を覗く。ここには3軒だけ店の人がいるとこがありました。まあ,昼飯時真っ盛りのこの時間なのに,客はどこも数人いませんけど…。
1213楊銘宇
鮮鶏腿肉(小份)15元,豆腐皮2元 650
 というか,これしかメニューないみたいだぞ?大か小か,トッピングに何を入れるかしか選べない。こんなとこが旨いはずが…。

▲昼御飯どアップ

構旨かった。
 土鍋の下に生姜を敷き詰めてある。これに醤と唐辛子で煮詰めた鶏腿肉とピーマン。それだけなんだけど…。
 これ中華…なのか??と訊かれれば,まあ中華です。でも和食を少しはみ出たような,微妙な料理。
 でも,濃く煮詰まってもおらず色の割にあっさりと食わせる。
 特に豆皮に染みた汁が…これが素晴らしく凄かった。これだけで飯が進む。豆の自然な甘味が止まらない。


▲念のためスクリーンショットしといた百度地図

をしに青州に来たか?と言えば,もちろん古鎮を見に来たわけである。
 まだ弱小だった曹操と闘った青州黄巾族がこもった城。その数なんと百万人!
 …そんな場所には全然感じられない。宿で寝ようか?と気が萎えかけたけど…まあとにかく行かないと,何しに来たのか分からない。
 大まかな青州古城と青州駅の位置関係は押さえてる。どうだ!わははは。
 って,今見たら海岱路と線路の交点が火車站のつもりでスクリーンショットしてますけど,この場所は全然見当違い。後述※の往来記録で「トンネル」のある場所でした…。
[特]火車站~古城

青州古城:着いた!…で?どーする?


▲同じくGoogleマップ。上部のポイントが青州駅ですけど…これじゃ方向しか分からない。

際の,その時いた青州火車站と古鎮との位置はこんな感じ。大体10km南です。
 幸い,降りるバス停名は調べてるし,施設も町もないし路線も少ないから,バスはすぐ特定できました。9路と11路が鉄道駅(火車站)と古鎮とを結んでます。
 それで,とにかく南へ向かったのでした。
 しばらくは,町の外へ出たような一本道が続きます。詳細は後述参照。まあ,道行きも物凄く不安でした。
 ただ着いてからはさらに疑念の塊。ここはどこで,どっちに行けばいーのよ?


▲バス停にて一瞬繋がったWiFi下で現在位置を確認!

めた!百度地図が見れた!
 降りたバス停・中心医院で立ちすくみながら完全にダメ元でwifiを入れてみたら,なぜか一瞬だけ,CMCC-WEBが繋がったんである。
 位置情報も一瞬だけ取得。現在位置が分かった!
 バス停名の中心医院というのは目の前の…これか?山東省青州栄軍医院?
※正解:軍医院より少し南の潍坊市益都中心医院


▲青州古城内にて百度地図を再検索。この地図にあった清真寺の表示が曲者でした…。

在位置は城の西でした。おおよそ目測通り。バスの進行方向を南とすれば方向も疑わなくてよかろう。ならばとにかく東へ入ろう。
 バス停より少し北,宮廷桃スの店の隣から右折東行,ブロック内へ侵入を開始。
 高家亭巷という石門(最近のレプリカっぽい)が見えた。
 それからwifiは,古城内では「qingzhougucheng2.4G」(青州城2.4ギガ)というのが中国の電話番号でSNS認証すれば使えました。これでマップは使える。

▲城門が見えた!

門をくぐった辺りで少しげんなり。…これは,観光地っぽいなあ。
 1339,広場のような場所に出る。北に北門大街,東へ東門大街。まあ当たり前の道名か。この辺りが中心部と思われます。
 ということで,とにかくたどり着けはしたわけでした。とりあえず,最もコアらしき清真寺と昭德街を目指して行こう!

▲城中心部のパティオ

,この辺りまでで「おいおい,変だぞ?」と感づかれた方は,当時のワシのように追い詰められてません。
 事前に探してた百度百科のメモは,次のようなものだけでした。
#百度百科/青州古城「真教寺
真教寺坐落在青州市东关回族聚集集中的昭德街。据寺内碑文记载:大元大德六年(公元一三○二年)元相伯颜后裔所立,为我国元朝三大伊斯兰教寺之一,早在元代就被封为官寺。」
「棋盘街
位于昭德历史文化街区内,因街道密集,商铺林立,得名棋盘街。」

[前日日計]
支出1500/収入1570
負債 70/
[前日累計]
     /負債1249
§
→九月十八日(二)
[51青島駅へラストウォーク]
1213楊銘宇
鮮鶏腿肉(小份)15元,豆腐皮2元 650
[52青島駅~青州古城][57]
[53夥巷街]
[54東門大街]⇒
[55清真寺の雨(南菅街])[56帰路]

1629仰渓村糕点舗
宮廷桃酥370
シュークリーム170
[57]
[前日日計]
支出1500/収入1190
     /負債 310
[前日累計]
     /負債1559
§
→九月十九日(三)