m190m第十九波m鉄の暴風の香を裂き海の沸くm2(間奏)うるま新報2巻(ニライF65)

000 旅遊メモ2

20200105県立図書館
うるま新報縮刷版2
1948.01.02一面トップ
「”沖縄に大空軍基地を!”米下院小委員會の太平洋現地視察報告書」

「闇買い止めて 祝祭を簡素化
だぶつく通貨のぼう張とゝもに一般生活費もだんだわと昴騰しあの手この手。苦心惨憺あがなう闇物資ではる祝宴や儀禮はだんだん華美に流れていく一方である」

1948.01.16
「宮古の鰹節闇商捕らわる
○○府商○○所管のエフ エス二一八號○○[引用者伏字]は鰹節の不法密輸の廉で逮捕されたが取り調べの結果更に宮古の[引用者伏字]なる者が去る七月糸満の姉を訪問するためと稱して旅行証明を貰い鰹節を密輸して密売し之に味をしめて今度は[引用者伏字]と共謀してエス エフ二一八號に鰹節を運搬させたものであるが 久塩崎到着と同時に発見されたものである。」

1989.05.28
「盗み油揚る 一味九名
待望の椰子油がマ指令部斡旋で日本から輸入され既に幾日 油の乗らぬこと久しい住民は油の配給はまだかまだかと待っている折柄 これはまた何としたことか 販賣店を尻目に闇のルートから流れ込んだ椰子油が闇市に出廻っているのである これは椰子油の陸揚げ○○○ホワイトビーチ作業をいいことに十数名共謀の上これを抜き取り甘い汁をすおうとした一味徒党の仕わざであった」

1948.06.18
「つぶれた観音 例祭復活」~首里観音堂(首里城坂下)

1948.07.09
「怪しげな闇藥劑 非醫者の一掃へ 元代診 灸師等の取締強化」
「物品横取り 偽刑事ばっこ
警察の刑事をよそおい闇店や買出人の弱味につけ込んでまきあげて行く偽刑事…」

1948.07.23一面トップ
「建設資材並に食料近く大量入荷 荷役労務者千名徴用の緊急命令發せらる」
「去る十六日軍務局に召致された知事に発する緊急命令により明らかにされた」
「食料 遅配の解消へ」

1948.08.27
「八月二十五日以降當分全賣店を閉鎖 理由は軍労務者の欠勤率過多
(略)軍の指示ある迄各中央倉庫を初めとし各市町村賣店を閉じさすことに決定去る十七日付指令第三十一號を以て左の通り知事宛通知した」

1948.09.03
「賣店閉鎖は一時中止
去る二十五日付で實施される筈であった市町村各賣店の閉さによる配給停止は一時實施を中止に決定の旨二十六日十時市町村長宛に知事は報告」

1948.09.24
「カナダから醫藥品 救援續續」
「ハワイから醤油」
「医療の配給どっさり」

1948.11.05(號外)
「”自由取引”愈愈実現!!」

1949.03.07一面トップ
「民政議員の總退職 軍當局は認めず グリーン副長官が言明」

1949.03.17一面トップ
「全議員の欠席は心外だ 非常處置も考慮せん 民政議員總辞職に軍の態度は強硬」

1949.03.28一面トップ
「全琉球領海内は航行自由 那覇,糸満,渡具地,名護,川田セクションベースを貿易港に」

「軍の誠意認む 民政議員一應出席」

1949.07.18
「市民の協力求め 防犯陣の強化へ 那覇署 各區自警團を固む」/「強盗 民自ら防げ
『ぐん情報課発表』勝連な覇附近に於ける建築資材盗難の激増やピストル強盗の出没につきグリーン大佐は次のように述べた『建築資材盗難が激増したためぐんの施策は妨げられている,これを止めなければぐんは強硬な措置を取るかも知れないかゝるこのましくない事件は住民自体の自發的措置によって是正させるもの』」

1949.08.01トップ「家屋全壊一万六千余棟 風速六六米 グロリア台風沖縄中南部を猛襲」
「民政府那覇へ
民政附廰舎は今回のたい風で全壊,執務不能に陥ったので宿望の那覇移轉をグリーン副長官に具陳再三接衝の結果實現」

「貸出用!3冊入り!本の福袋」企画

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間仮説としてです。
「海域アジア」は,ここまでのデータを見て結ばれてきた像では,次の二点で陸上の国家などの社会集団と異なる。
①実体がほぼ無い。
 妙な例えだけれど量子論の不確定原理のようなもので,どこに居たのか(位置)探れば時代が見えなくなるし,いつ居たのか(時間)見極めようとすれば地理範囲がぼやける。
 沖縄の戦後事象でも宮本1964(海に生きる人びと)の記述でも,時空間上に一貫して「海賊」だった集団は,いないことはないけれど相当小さい(宮本1964が紹介する大村藩史や大村郷村記によると倭寇の中心地だった同地域で3~5百人程度)。政治史上は台湾の鄭氏王朝がほぼ唯一の事例。つまり,その成員のほとんどは他のフォーマルな社会組織と重複している。
 ということは,「海域アジア世界が在る」というより「状況を誘因として海域アジアが特定時空に具現する」というのが正確な,そういう在り方をする世界です。
②にも関わらず確かに,かつ本質的に遍在する。
 中沢新一風に言うと,フォーマル社会のロゴス世界に隠れているレンマ(この場合マティスと言いたいけれど)が,一定の社会状況下で活性したのが,海洋アジアという事態です。
「一定の社会状況」とは,海洋を挟む国々の無秩序,無政府,経済的混迷といった,現代からは信じがたいようなジャミングな状況です。
 そういう歴史的時空では,正史に語られるロゴスに秩序づけられた文明が,そうなる。
 つまり,海洋アジアは①の夢幻泡影のような体をしながらも,実は我々自身の深淵の自画像です。
 例えば,かつて文明・文化・倫理・秩序が生まれる前はそういうものだったろう。さらに,今後それらが崩壊する時空ではそれが再び表出するだろう。──鉄の暴風が過ぎた後の沖縄が約10年置かれたような状況が,もし我々に訪れたなら,我々自身が「海域アジア」の人間となる。
 そういう意味では,海域アジアの人々はどこかに隠れた他者ではない。今此処の私自身です。
──書いてみて驚いた。これはまさに仏典で言えば「色即是空 空即是色」という八文字を,歴史時空の事態に落としただけじゃないか。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」
「海域アジア」は聴覚だけが捉えた水の音に近い。その音を発する蛙は,どこかにいる誰かではない。
 本質的には,古池は,かつての特定の時代と場所ではない。今の此処です。
 とすれば,海域アジア論が示す方法論は,これも中沢新一風に言えば,社会・歴史学へ「レンマ学」的アプローチを導入する可能性を持ちうるのではないでしょうか。
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