外伝17-077 泉城に八角嗅ぐや水の国／周公祠街～楽安街

～～～～～(m–)m～～～～～(m–)m～～～～～(m–)m本編の行程：Googleマップ(経路)～～～～～(m–)m～～～～～(m–)m～～～～～(m–)m

西へ。城堀を渡る。1402。
　老城の外側へ出たわけです。渡った道・周公祠街の南には五竜潭公園という，首里の地名みたいなのが広がる。これだけだと興味ゼロですけど，この西に「制錦市」という変わった名のエリアがある。多分，衣類の市が立った場所。
　何より「周公祠」という名称が気になります。どういうエリアだろう？

体に悪そうな謎の薬膳・把子肉

▲謎の飯

周公祠との表示に沿って歩いていくと，寂れた感じの商店の並びに妙に人が入ってる店を見つける。そろそろもう一食，という気分だったので──
1408老济南薬膳把子肉
煮豚
血液ゼリー煮物
白米飯11.5元550
　フラリと入ったんだけど，煮豚のようなもののドス黒い汁を，わざわざ客に聞いてご飯にかけてる。…何か体には悪そうです。でも皆さん大抵かけてるようなので，ウンウンと頷いとく。
　結果，煮豚の塊とその汁のかかった飯の二碗を抱えて席へ。手前と奥の二部屋がある土間のような場所に，粗末なテーブルがあるだけの店内。
　ところが，これがどうも…八角がむおんと効いてる。ドカンと来る濃さです。これが染み渡ってる煮豚が…これものすごい美味！
　後を追いかけるように，この得体の知れない煮汁の濃厚な芳香が追っかけて来る。
　血液ゼリーもほぼ同じ構造。こちらも野菜や血液の後を追っかけてくるから，いわば複雑さが乱視のようにブレて，旨味が累乗されるいくような旨さになってる。

▲謎の店の店頭

この「把子肉」，実は物凄い济南名物らしい。おそらく，山東料理最高の八角使いを体験したようです。→小レポ
　そしてこの店は，「周公_济南」で検索するとここばっかりヒットするような有名店。→※ c-trip/老济南药膳把子肉(周公祠分店)
　あと，元々目指した「周公」というのは周瑜かな，と思ってたら，全く時代のスケールが違ってた。周の時代の有力政治家なんだって。なぜか祠の本体すら見つけれませんでした…。→※ wiki/周公(日本語)

▲御門

何があるのかどうも見当つかんけど…西行。
　周公祠街とある赤門をくぐる。
　十字路をそのまま西へ。道は三圣路と名を変える。

下町商店街・楽安街を過ぐ

▲三圣路

１443，T字に突き当たる。南北に交わる楽安街を北行。
　西の車道が家並みの向こうに見え隠れしてる。順河西街です。楽安街はその東に斜めに入ってる側道で，もしかするとこの南北ラインの古道かもしれません。
　この道が，好かった。

▲楽安街

程よい暗がりの下町の通りでした。商店街と言えるかどうか，小店がポツポツと並び，いずれもそこそこの活況です。
　はっとするほど普段着の町ぶりです。

▲济南や天津で多く見かけた路面から一階への段差の階段

只単に饅頭並べて売っている。
　そういう店に，なぜかひっきりなしに町人が寄っては包みを提げて帰ってく。
1450無糖月餅300
　あっさり端麗な月餅でした。豆本来の味しかしない。技巧が感じられないをただそれだけで美しい味覚。おそらく本来の月餅なのでしょう。
　雰囲気から言って，中秋にしか開店しないのかもしれません。

▲市場の月餅店

１452，高架沿いの車道・順河東路に出た。
　バスはどっちだ？
　南向のバス停・北坦から，k11路がバス停の数にして４つか５つで火車站へ行くらしい。
　尿意ドンに近づいてるけど，その位なら持たせられるか？1501，乗車。

▲堀の橋の上でまた×××してる人だかり

１504，バス停・市法院。地裁という意味だろう。
　なるほどここで３路の行程に出るだけか。いや？西へ曲がったぞ？この道は？経二路？泉城路まではこんな細い道だったっけ？そりゃ朝夕は混むわ。
　1507，天橋南とアナウンス。いかん，調子に乗って歩き過ぎた。一気に眠気が…。尿意が有難いほどです。
　ええっ！ここで混みだした！？
　山東省総工会。広い車道へ左折気味に入った？けど，でもここも経二路？
　何が何だか分からなくなったところで左折。1514。さらに左折して長距離バスターミナルの西から駅前へ。そうか，駅前がロータリー状の一通になってるのか！
　1518着。トイレトイレ！

違う！便所の前にこれだけは確認せねば！
　济南西站行きのバスの始発時間である。
　k156路の始発時間は──06：10ね。この路線は百度地図で見ると「火車站→(41分22駅)济南西站公共枢紐站→(50m)济南西站」とある。この始発に乗れれば明日の問題はなさそうです。…よし，トイレトイレ！
　と去りかけた目の端に同じバス停の路線名が見えた。思わず見返す。「BRT5号線」？もー，あるのかないのか，どっちやねん！→正解：きっと無(小レポ：济南地下鉄の謎)
　ダメだ，限界。一度宿に戻ろう。

■小レポ：把子肉

　山東の五大「中国金牌旅游小吃」(観光用美食？)に数えられる料理らしい。
　砂糖を加えず，八角と醤油で煮込む調理。北方のものと济南のは違うらしいけれど，最後に醤油をもう一度加える点以外はよく違いが分からない。
　ご飯にかけて食べる食べ方も一般的なもの。
　名前の由来は何と三國志の劉備らの義兄弟の血盟。「把子」はやや任侠的な感覚での義兄弟を意味するらしい。

※ 百度百科/把子肉(山东省济南菜)
「山东省5道地方小吃荣获“中国金牌旅游小吃”称号,分别是山东煎饼、济南油旋、老济南把子肉、胶东鲅鱼水饺、武大郎炊饼。」

※百度/把子肉(传统鲁菜)
「相传东汉末年，天下大乱。刘备、关羽、张飞三人，彼此惺惺相惜，决定拜“把子”。张飞是屠户，主要屠猪。哥几个拜也拜完了，就把猪肉萱花豆腐，弄在一个锅里煮。」
「“把子肉”不加糖，长方形的大块,只是酱油八角在高筒瓦罐中炖熟。火候到处，一启封香气四溢。趁热连肉带汁浇在白米饭上,亦十分甘美。」

※ 京東/把子肉是什么肉做的 把子肉为什么叫把子肉
「1、 做把子肉,要选1斤左右的白条猪即可,不肥不瘦。一斤切八块,蒲草捆好。冒两遍,二遍血水清汤。放入坛子,不放盐全靠酱油调味,猛火开锅文火炖,炖好的把子肉肥的不腻、瘦的不柴。入口有醇厚的余香,掉在地上,象豆腐一样摔的稀碎。
2、济南的把子肉强调酱油的重要作用不放盐。是选取有肥有瘦的猪肉,切成长条,用麻绳捆成一把,煮好,再放在酱油中炖。(要加水)
3、把子肉的精彩便是有肥肉的存在才能产生出肥而不腻的上佳口感。把子肉虽由浓油赤酱熬制，却并不咸，刚好用来下饭。而一口饭一口肉的搭配就恰好把米香肉香统统带出来。
4、北方的“把子肉“却不加糖,长方形的大块,只是酱油八角在高筒瓦罐中炖熟。火候到处,一启封香气四溢。趁热连肉带汁浇在白米饭上,亦十分甘美。」

※ 百度/把子

■小レポ：济南地下鉄の謎：未解決編

▲济南BRT(济南快速公交)
※ 旅泊岡济南brt最新线路图2019

　地下鉄に類するものが济南に存在しないことは，バス車内のモニターで放映されてた移動電視という番組で確認できました。直近の計画は「BRT」と呼称してました。いかにも情報宣伝めいた白い明るさでご紹介。「ほら，こんなに便利になりますよ！」
　遅せーよ！

　宿に一度帰って休むうち，「６時10分」という時間の早さがジワジワきた。駅前で朝飯食べるなら５時起きです。
　宿のカウンターに寄った際(中国の宿のICカードはほぼ例外なく毎日設定が変わるから翌日は更新しないと開かない)，BRT5号線という路線がバス停に書いてあるけど，あれで西站まで行けるのか？という確認の仕方をしてみた。すると，割としっかりした感じのお姉さんが顔をしかめる。「何だそれは。知らないぞ？一体どこへ行きたいんだ？」西站と言うと即答で「ヤオウーリウチョ！」とのこと。「156車」，つまり156路の一般バスす。じゃあ一体このBRTって何だ、と訊いてみると，色々事情はあるけど「実質上没有」(実質的には無い)んだそうです。
　何じゃそりゃ？

　じゃあ軌道交通とかBRTって何なんだ？
「济南 BRT」で百度百科をひくと，結構ヒットがある。けれど，ヒットは政府広報系ばかりで，他の路線のような実用系のものが少ないのに気付く。「軌道交通」はもっとその傾向が強い。
　そういう系統の情報だから，隠したい事実は全く書かれていない。けれど，そういう場合のお役所文書の読み方は，書かれてないのは何か？を拾っていけばいい。
　多分，「軌道交通」は企画段階でポシャってる。「BRT」は会社の設立と，一部路線の運行までは行ってるようだけど，極めて利用が少ない。ホテルのお姉さんの反応に象徴されるように，市民からほとんど無視されるほど利便性が悪すぎるらしい。
　やはり156路だな。明日は早駆けです。

※ 百度百科/https://baike.baidu.com/item/济南快速公交