外伝09♪~θ(^2^ )香港右往左往編 第四日

▲香港の2階建バスの勇姿!連なって走ると,道路だかなんだか分からなくなる。

 月曜日,今日から平日。大陸中国のメーデーの連休も終わった。
 いよいよ,普段着の香港を覗き易いはず。
 2つ目の宿,佐敦の百楽に移る前に,因縁の蓮香楼に早朝出撃。「ポットで飲む」と主張するのを忘れんように肝に銘じつつ――。(前回飲茶参照)
蓮の切り身入りキシメンみたいなの
蒲鉾の蒸篭蒸しみたいなの
計41HK$
 難解に深い。けれどまず,あの洗茶と,茶碗だけで茶を漉す皆様のテクに気後れする。ポットで飲んでるのは約3割か?あの技術を学ぶには…やはり買うしかないか,蓋付茶飲み。
 満足感に酔いつつセントラルの雑踏にたゆたってるうち広東粥の名店・生記を通りかかった。既に満席近い。ホントに香港人,粥に対する思い入れがハンパじゃないのう…とか思ってたら,朝飲茶を出たばっかで立て続けで何ですけど…粥食いたくなってきた。香港の朝と言えば広東粥!以前から気になってた羅富記粥麺専家へ。
三及第粥 26HK$
 客は少なかった…味覚的にはハズレなんだろが,興味深さから言えば来てよかった。
 香港の面白さ。それは,ただ上質があるってだけじゃないとこだと思う。例えば昨年夏のニューヨークなんかと比べると,味覚にしてもそれ以外のセンスでもってしても,ウッカリしてたらモノ凄い低質にぶつかってしまう。
 玉石混淆――それだけここでは,あらゆるものの変化が速い。インフルエンザの新種が毎年何百と生まれてくるよなイメージ。節操なく,無闇に進化する形態の集合。

▲セントラルの雑踏

 10時を回った。
 今回最初の宿,金輪大厦を退房(チェックアウト)。忘れがたい3泊でした,ありがとう[エシ鳥]何とか飯店さん(名前を忘れとるし)。
 駅へ歩きながら見てると,安宿の入ったビルは他にもかなり沢山あるみたい。次は事前にネットで探してみときたい。もっと変なビルに当たれそうだから。
 佐敦に着く。前回最後の宿,百楽賓館酒店に予定通りチェックイン。
 ここ,安宿集合ビルじゃない。普通のビルの4階なんだけど…システム的に何とも怪しさ一杯。扉を開けて入るといきなり「チェックアウトか?」と聞かれたし,予約の時は「満室」と言ってたのに前回と同じ3号が空いてるし。「ここに350入れないの?」とダメ元で言ってみたら「いーよ」とすんなり快諾。前回ケンカになりかけたみたく,厳しいとこはムチャ厳しいのに――どーも本質的なとこで管理がイーカゲンみたい。
 再び通りに出る。11時。前回,どうも突っ込み損ねた感の残ったこの街,佐敦での3泊ステイが始まりました。

▲進水[土歩]の市場

 そろそろ昼飯時。今日は地下鉄で北上,進水[土歩]を目指します。
 ここまで来るとネイザンロードは途切れてるのかどうか,駅を中心としたドヤドヤっとした街の造りになってるみたい。ただ,通りの幅が狭い分,駅前市場辺りの人混みの混雑度はかなりのもの。
 時間調整がてら市場の裏手,公和豆品廠に入る。
豆花 7HK$
 続けてこの街のメインターゲット,劉森記の賑わう店内に入る。
蝦子雲呑[テヘン+労]麺 30HK$
 2店入って超満足なんですが,北河購物中心のビル下で[土申]記[米ソ/王/心]品って角の店に人が押し寄せてたんで…何となく混ざって買ってしまった。
餅みたいなの白と茶各1つ5HK$
黒い羊羹みたいなの7HK$
 でもコレ何なんだ?品名すら分からない…。
 すれ違った男の灰色のTシャツに握り寿司が一貫プリントされてます。そこにデカデカと5文字,「スゲー寿司」。
 どーゆーこと?全くワケの清麿…。

 太子と九龍糖で乗り換えて,東へ。今日は大[口 うーむ。
 新興住宅地でした。てゆーか…何もないんですけど。
 屯門と違って完全に新しい街ってのは,こんなとりとめのない状況になってるらしい。
 こーゆー街では,適当に店を選ぼうにも魅力そのものがなくてちょっとどーしよーもなかった。ちょっと自分の攻め方に自信喪失しかけつつ,すごすご引き上げる。
 ただ。こーゆー新興のアパートだらけの街にも,スーパーじゃなく市場があってちゃんと賑わってる。この健全さは,やっぱ香港共通。少なし日本には,ごく限られた街にしかない。
 泣きっ面に蜂ってゆーか…帰り列車のシートに身をうずめてたら,回ってきた車掌さん曰く――「タンタオだ。キミは乗れないよ」と追い出される。
 タンタオ?
 …ってのがどーも「頭等」で,ファーストクラスの意味らしい。そうか,深セン行きにはそんなんがあるのね。
 漢語の鉄道用語と言えば「油麻地」はピンインでYouMaTei。「よう,待てい!!」に聞こえてくる。…ああ~やっぱ疲れてんなこりゃ。

▲看板だらけ。不思議と落ち着くゴテゴテぶり

 銅鑼湾まで延々列車に乗って,少し休む。
 この銅鑼湾,ガイドブックには必ずショッピングの街として登場する。では食い物ではどうよ?って…これがまたひねくれたコンセプトでやって来てみました。大陸中国の祝日を終えた今日辺りが一番空いてるんとちゃう?
 まずは超有名店,[雨/女]東街の何洪記粥麺専家
猪手雲呑[テヘン+労]麺54
 超満席。でもって豪快な空振り!
 気を取り直して2度目の蛇王二へ。
 って?入って思い出したけどここ…初回に蛇に怖じ気づいて空振りした店やんけ!
菊花会五蛇羹 52HK$
 確か…前回悔やんだメニューがコレだったとの記憶だが頼りだったが――。
 美味い…。
 これはホームラン!やはり空振りばかりじゃない。神様は見てるとこは見てる…とか,後から考えてみりゃ蛇食って何でホロリなモードになっとんか訳分からないけど,まあいーや,香港バンザイ!
 日中迷走したからか,夕方からはチョロチョロと色んな店で買い食いしまくりました。
 まず[シエ鳥]福堂 自家湯涼茶坊って街頭お茶ショップ。
清熱利[シ日/糸糸] [ネ去][シ日/糸糸]茶 17HK$
 続いて前回ひょんに見つけた大良八記へ。
八記芝麻糊 18HK$
 最後にお土産。新永興義食坊にて
臭豆腐8HK$/個×2個
 お土産は買ったんだけど,今日はパン屋に寄ってないことに気付く。
 チェーン店凱旋餅屋(佐敦店)へ。
鶏尾包
蒜茸多士(ガーリックトースト)
鳳梨ス(パイナップルケーキ)
 これでようやく貴宅する気になりました。しかしまあホント…香港ってダラダラ食おうと思えばいくらでも食える街やね。しかも,粗悪な食い物を山ほど食らうも,B級グルメをちょっとずつかじるも好きに選べる。
 欲の街,香港。恐怖さえ覚えるほど,それは底なしに…やっぱ止められまへん。
 
▲雑踏にて。空中に浮かんだような看板群の下に人が(わしも含めて)ウヨウヨ!