外伝09♪~θ(^1^ )香港乱入編

 3日間です。大体旅行がダレて来るこのタイミングで,新しい領域に入るってのも狙いです。
 宿を早朝に出発してバスに乗る。フェリーターミナルへ。
 道はやっぱりグニャグニャで訳分かんないけど,とにかく港に着けました。
 7時ジャスト発,香港行きの船に乗る。今度はFirst Ferryなる会社を使ってみた。
 「New Ferry LXXX2」って船名で,隣にLXXX1も停泊中だった。船数四桁まで躍進しようって野望に満ちた新興会社なのか?ちなみに,船内売店では3号と5号のミニチュアモデルを売ってた。4号がないところに,重大な企業秘密が隠されてそうだ。
 これだと,九龍の尖沙[口且]まで直行。
 ちなみにこの地名は,「チムシャツォイ」Tsimshatsuiと読むらしい。早口言葉か?「チムさん強い」と覚えることとする。(チムさんは知らない人)
 船内はかなりがら空き。朝一番の便だから?それとも香港人,朝に弱いんか?
 8時15分香港着。
 どーでもいーけど…搭乗時も下船時も手荷物検査も検疫もないぞ?大丈夫か?一応パスポートにハンコ押すんだろ?国境越えなんか国内移動なんか,どーも中途半端な緊張感のまま,とにかく香港入域のハンコがパスポートに座りまして…さあ市内!

▲トラムと二階建てバスの行き交う香港市内中央部

 重慶大夏まで歩く。
 A座7階,恵康招待所に無事入居。180HK$。2500円ってとこか。英語名Welcone gest house…って英訳になってないんじゃないか?
 とりあえず朝飯。楽道,英語名Lack Roadを目指す。こちらは英訳になり過ぎて意味不明。

 港からの歩きで目についてた「98℃」って店に入ってみる。
 「沸騰寸前」って意味か?それとも,お茶をだす湯の適温ってこと?何にせよ,ちょっとセンスを感じさせる気がしませんか?
 てな期待は,席に着くと同時に早くも崩れ去る。
 まるで…ってゆーか,ほぼ完全に…マックなんですけど?
 ここ,ただのファーストフード店ちゃう?
 とは言え,こんなメニューもあったんで頼んでみる。
早餐E
隻併麺/ザーサイ肉線,腸[イ子]22HK$
【→File07香港早餐参照】
 結果として――大火傷。
 だって…「隻併麺」なんていかにも期待させる漢字名が,まさかインスタントラーメンだなんて!
 ただ,後から考えたら,コレが香港の典型的な朝ゴハンではあったんだけど。

 香港島の上還へ。
 初回の地下鉄乗車に先立ち,窓口でオクトパスを買う。漢語名:八徳[上/下]。
 オクトパスは初回購入150HK$。うち50HK$はディポジット。チャージはチケット売り場の「増値機」って機械に英語名で「Add Value Machine」って書いてあるから,ここでできるみたい。地下鉄の最短距離で3.6HK$からなんで,100HK$なら恐らく丁度使い切るくらいだろ。
(後日談:…と初日には思ってたんだけど,結局300HK$追加チャージした。バスや電車はもちろんコンビニからスタバまで,とにかくどこでも使えるカード。あんまり便利だったんで,払い戻しせずに日本まで持って帰ってます。次回用に…)
 ついでながら。この香港地下鉄の略称MTRって名前。これが紛らわしい。バンコクの交通システムMRTと一文字違いで凄く間違えやすい。世界規格で統一してほしい。

 上還の地下鉄駅から地上へ出ると,九龍側よりさらにゴテゴテした街並みがうねってます。
 九龍のネイザンロードみたいな方向軸がない。クイーンズロードがそれに近いけど,グニャグニャにくねってて分かりにくい。道幅も狭く,アップダウンも頻繁。島の道だ。島に無理やり都市を作ってしまった風情。日本で言うなら長崎に似てるか。生活者的には息が詰まりそうやね。
 ただ,歩くのには楽しめそうな街作り。
 少しうろつくと[田/華]街に出た。今度こそちゃんとした中華じゃ!
 生記粥品専家で二度目の朝食。これは大当たりでした!
魚[月南]魚球粥 35HK$
香鮮魚餅 10HK$
【→File10広東粥参照】
 続けて早めの昼飯へ。…何食食ってんねん?と言う見方もあろうが,パタリロは3食の前後に例えば「朝食前の軽い食事」と「朝食後の軽い食事」を召し上がっていたからきっと大丈夫。(何が?)
 上環の西,問屋街のような店が多い雑然とした界隈を抜ける。正斗潮州滷[我鳥]専売店,一応潮州料理の店で,「潮州滷味」の肩書き。
滷水[我鳥]肉飯 22HK$
【→File04肉料理参照】
 食った食った!初日の午前中の当たりとしては,流石にかなりの手応えありまっせ,香港!

 旅慣れた人は,往路と帰路で同じ道を辿らない。あえて別の道を楽しむのが奥義なんである。
 といった思想から,上還への帰路を一つ山側に取ってみた。
 すんごい登り坂をぐいぐい登る。適当な脇道がどうも見当たらず,逃げ道なし。気がつくと,香港島市街を軽く見下ろす高度に達してた。
 ぜいぜい。おお!!これはまた絶好の眺望ではないか!
 それはそれでいーんだけど。わしはただ駅に帰りたいだけで,山登りする予定はなかったんだけど?
 地図をよくよく見ると…一つ山手の新街の通りに出るつもりで,も一つ本格的に山手の医院道とゆー道をぐんぐん登っちゃってたらしい。
 ひいひい…香港の裏道恐るべし!
 北側の山手の上の方は,ハイソな高級住宅地みたいな整然とした街並み。すぐ下側の街並みとは全然ちがうクールな空気。上流層の居住区らしい。
 といった見識を広げることが出来たのは,やはり往復路は違う道を辿った収穫と言えるのであり,正しい旅人の道である。駅まで降りるのに,さらに1時間は迷ったけど。

 疲れた。一度宿へ戻る。
 尖沙[ロ且]の地下鉄改札脇に,健康工房っていうドリンク売りの小店があった。効能に「補血・益気」とあったんで,ちょいと一本買って宿でグビリ。
銀杏五味子紅棗茶18HK$
【→File03漢方茶参照】
 一寝入りして銅鑼湾へ。香港島の金鐘乗換で西へ2駅。英語名でコーズウェイベイ。タイムズスクウェアのある町と言った方が分かる方もいるかも。
 上環・中環辺りより,街作りは少し整然としてる。往来は激しい。サラリーマン風の多様な人種が闊歩する上環・中環より,生活者が多い感じです。
 路地奥まで歩くと,目的の一品斉[舌甘]品屋に行き着いた。香港の中華スイーツ第一食目。
腐竹銀杏 14HK$
でしばらくまったり忘我。
【→File05香港スイーツ参照】

 街角。残り少ない日本タバコで一服。
 親の敵みたいな勢いで禁煙運動を進めてる大陸中国と台湾とは一線を画し,香港・マカオは喫煙天国。街中の至る所に灰皿付きのゴミ箱があるんで,大変助かっとります。
 ただ香港の喫煙者,平気で歩きタバコしてます。どんな人混みでも喫煙したいときには吸うんだという強い意志をお持ちの方が多いみたいで,街角の灰皿は喫煙所とゆーより歩きタバコを捨てる場所。
 行き交う人の流れは速い。すり抜けるように行き違う中でも全然平気で吸ってるから,向こうから歩きタバコが歩いてきた時は危なくて仕方ない。香港社会の生存競争の厳しさを垣間見る風景である。っていうか,マナー悪いぞ!
 なお,大陸中国人みたいにタンを吐きまくる習慣はないから安心だ。(何が?)

 香港島の地下鉄駅は西から上環-中環-金鐘-湾仔-銅鑼湾。金鐘と銅鑼湾の間の駅,湾仔に降りてみる。
 ややオシャレな銅鑼湾に比べ,湾仔はやや庶民的。香港では駆逐されつつあるらしい雑然とした屋台街が駅北側に広がってる。なぜかタイ人の姿や料理屋が目立つ。
 寄ってみたのは快楽餅店。英語名:Happy Cake Shop。餅っつっても西洋パンのお店。
腸[イ子]飽 4HK$
小堤子飽 2.5HK$
蛋[テヘン+達] 2.5HK$
【→File01パン参照】
 結局,滞在中3回立ち寄ることになるこのパン屋に,初日に出会えた幸運をアッラーの神に感謝奉る次第である。アーメン。

 そのまま金鐘までぶらぶらしてたら,いい感じのカフェを見つけたんで一休み。
 店は[木容]樹頭珈琲館。英語名:Banyan Cafe。
エスプレッソ(ダブル)15HK$
【→File01パン参照】
 なかなか。カフェ文化には期待できそう。
▲旺角のダイレクトな電光表示「食」――って何の広告?

 既に夕方。九龍に戻って旺角へ。
 夜の賑わいで名高い女人街へ行ってみる。夜で女人と来ると何か…だけど,まあ健全な繁華街でした。
 屋台街もだけど歩行者天国も,電脳ビル先達広場の外周も,さらにその北側の裏通りもスゴい人の波。層はやや若いけど,各年齢層わいわいやってる感じの盛り場。
 ショップは衣類中心。どっかで見たことのあって買ってみたミニ・ゲバラのTシャツ,今もかなりお気に入りで着てます。しかしここ,一応共産圏なんだろけど大丈夫なのか?他の国ならどーでもいーのか?
 当然,食い物屋も目白押し。
 先達広場の外周角にあった水研社で台湾ドリンクを一杯。茶品専売店を名乗るこの有名チェーン店も含め,街頭の一杯ドリンク屋はほとんどが台湾系らしい。
百香愛玉 10HK$
 暑い国でこの愛玉って台湾ゼリー,やっぱりたまりまへんわ!
 マカオで食ったあの牛の臓物煮は「五香牛[イ十]」ってものらしい。これがかなりメジャーに売られとる。流行ってた佳記って店だと,串で8HK$,細碗12HK$,大碗26HK$。
 でもここは…台湾からの因縁で「剽香臭豆腐」を行ってみたい!串で7HK$。
 うーん…やっぱり臭え!!この臭さがタマランのよね!!台湾の名店ほどじゃないけど,北京よりは美味いか?

▲旺角女人街で頂いた香港の臭豆腐(揚げタイプ)

 何かこの旺角,気に入った!今日歩いた中では一番,普段着の生活臭があるかなと…。
 先達広場のビルの11階に,中信賓館って安ホテルがあると聞いてた。明後日からの予約を入れて帰ることにする。
 3階まで探す。中はギラギラ,酔うような蛍光灯とブラウン管の光の渦。タイとか台湾にある本格的な電脳雑居ビルです。怪しさがかなり気に入った!けど…それより上へのエレベーターはまるで見つからん。
 一度外に出て外周を巡ってみる。門番の爺様のいる小さな裏口を発見。そこから曲がって入って行ったらエレベーター室がありました。しかも偶数階行きと奇数階行きに別れてて,上の階から別の階へは行けない仕組み。つまり1階と目的階の間しか使えない。
 5日から3日間の予約を入れたけど…これら全て,ひょっとしたら防犯を意図したシステムなの?ここ,そんなに危ないビルなのか?
 後日談として――香港の雑居ビル,大体こんなシステムです。つまり…きっと全般的に治安は悪い。
 とか全く考えもせず,重慶マンションに帰ってやれやれ一安心…っぽく香港初日の眠りを貪ったんでした。

▲「新の城」。ニュータウンモールの方が日本人にも分かりやすいと思うぞ?【類似事例→File変な日本語参照】