外伝09♪~θ(^1^ )九龍城暴食編

 インドの旅行者間で,宿を移すと下痢が止まるって噂があった。
 この行為,旅行に心地良い緊張感を与える。それが隣であっても。
 滞在型になった今次香港も,あえて3つの宿に分宿しました。
 朝飯がわりに健康工房で買っといた有機玄米発芽豆乳(13HK$)【→File03参照】をグビリ。食感が美味さに目覚めたとこで,よっしゃあ屋移りじゃあ。
 とリュック担いでドアを出たはいーけど?…宿のフロントに誰もいないんですけど。
 朝8時,まだ表の扉が閉まってて開く気配なし。香港人,やっぱ朝弱いのか?
 恵康招待所のフロントのソファで,しばし佇む。英語名WelcomeGuesthouse。常に「NoRoomAvailable」の表示が出てるけどいい宿だった。ウォータークーラーはあるし洗濯してくれるし。入室管理はカレンダーにゴチョゴチョ書いてるだけで超イーカゲンだけど。フロントいないけどいい宿だった…って20分たったんですけど,まだ誰もおらんのかい!
 とか思ったところで,何の前触れもなく――眠そうな顔でパジャマのフロントお姉さん登場。え?わしの対面の洗濯部屋に寝てたんかい?でもそこも…一応さっきノックしたぞ!2日分の宿代差し出すと,寝ぼけ眼でお釣りを手渡し,また眠りに戻って行かはりました。ニッポン人,早起きでスミマセン…。

▲香港島の路地を鳥瞰

 旺角の先達広場。これがビルの名前。
 一昨日見つけた東側の管理人口から5階へ。部屋は11階,フロントは517号室と聞いてた。
 ピンポンを5分ほど鳴らし続けたら,迷惑げな寝ぼけ面でオーナー兄弟登場!両方ともブリーフ姿…ってさっきも見たよな光景やん。
 エレベーター登り口に,管理費の徴収状況を張り出した紙が掲示してあった。階毎になってたから,おそらく階でまず徴収組合みたいなのが集めるんだろな。
 この雑居ビルの複雑さと猥雑さ,どー割り引いても言い逃れのきかない違法建築ぶり。重慶大[ガンダレ+夏]も内部が一種のお化け屋敷状態だった。香港ビルに遊園地的にハマりつつあります。
 荷物だけ預けて,さて香港3日目の歩き始めであります!

▲旺角の街角 コロッケによく似た人の変なポスター

 旺角北の花園街熟食中心なるフードコートで朝飯にする。
 熟食中心って名前は大体フードコートみたい。シンガポールと同じで香港のフードコートは自然発生的なもんだったんでしょうが,共産中国としては危険に感じて「熟食中心」って装置の中に整理したんでしょう。
 ここは市場の3階。ちなみに香港は英国の階数表示でG階があるから,日本的には4階。
 妹記粥品って店でお粥を頂きました。
馳名及第粥21HK$
(カッダイジョッ:豚のモツ鍋)
生魚皮15HK$
(サソユーベイ:ボラの皮)
【→File10広東粥参照】
 市場のすぐ前のバス停から九龍城へのバスを探してみる。路線バス,デビュー戦。
 バスルート入りの地図で見ると旺角から2Aのバスでまっすぐ東へ進めば着くはず。バスの2階の前席に陣取って地図とにらめっこしてたら何とかなった。
 でも帰りは!?
 九龍城からハイウェイの反対側,元の啓徳空港前辺りにバス停があるっぽいけど,まあ帰りに探そう。九龍城側を走ってるミニバスに6HK$で旺角行みたいな表示のがあるから,何とかなりそう。
 そう言えば。啓徳空港か…。
 20年前,尖沙[ロ且]からバスで行こうとしてムチャクチャ迷ったよな。3本位バス乗り換えて,最後はバックパック担いで1時間くらい歩いてようやくたどり着いた悪夢の記憶が。

 かつて怪しい輩の巣窟だった九龍城だけど,再開発された今はグルメタウンとして名高い。
 公和[サ/竹]品廠って店で,まずスイーツ(豆腐花 8HK$)に酔いしれる。
【→File05香港スイーツ参照】
 護前[口>緯-糸]道へ戻り,頂興茶餐庁の軒先でよく出てた鶏尾飽(2.5HK$)ってパンを買う。公園で貪る。
【→File01パン参照】
 さらに黄明記へ。粉麺米粘 黒魚丸(ノリ入り)(21HK$)なる潮州麺を食す。
【→File02広東麺参照】
 昼どきになったし,当たり前の店のレベルも知っときたくて4軒目,益食家粉麺茶餐庁小厨でランチ。豆付班[月南]反(26HK$),例湯付き。
【→File08その他参照】
 さらにさらにお土産に5軒目。城南道の和記隆餅家って瓜蓉餅と緑豆沙白餅を購入(各5HK$)。
【→File05参照】
 こうなったらトコトン行ったらあ!龍[山/岡]道の陳[イ子]で漢方茶,正宗葛菜水(6HK$)を一杯あおる。
【→File03漢方茶参照】
 …と九龍城では,感動にまかせて食いまくり買いまくり。
 確かにスゴいクオリティです!

▲旺角の場外馬券売り場らしき場所。かなりお好きな方多いらしく,いつも大盛況!

 当たり前だが――も~食えん!
 午後は少量高質のものにしよう。香港で少量高質と言えば?
 そりゃ…飲茶だろ?(だから食うな!)
 香港島中還へ。超有名店陸羽茶室に,九龍城の感動の勢いで突入。
 素晴らしいプーアル茶ワンポット。プラス
家郷蒸粉菓 32HK$
棗[土尼]雪[酉禾]餃 32HK$
【→File09飲茶参照】
で小一時間まったりメルトダウンしてました。
 う~む。充実の午後じゃ。充実し過ぎて…つーかプーアル茶飲み過ぎた!今度こそ,も~何も食えません。

 こりゃあかん。少し体を動かそう。
 中還駅のちょい東から,山手遥かに伸びる歩行者用エスカレーターが気になってた。乗り物マニアとしては血が騒いでいかん。
 漢語名で行人電動楼[木弟]って言うらしい。早速上へ乗ってみる。
 あれ?でも…コレ,降りる道は動いてないの?下り坂だけど,エスカレーターはものすごい上まで伸びてる。どこまで続くねん!
 さすがにほどほどのとこで途中で引き返して,[金雇]記酒家って店を探してみる。何をするとこかと言えば,ピータンを売ってる。
 まだ食うんかい!
 いや,だから後で食うんである。後ならいーのかって問題もあるが,そうした些末な点に旅行者たるもの捕らわれてはならない。
 威霊頓街にあった。
 …どんな漢字やねん?力入り過ぎな名前ですが,心霊スポットか何かなのか?すると…威力のある霊力ですら頓挫した街!?…そうなのか!?太古の激烈な妖術大決戦の,まさに現場にわしは立っているのか!?
 英訳はWellingtonStreet。何や…音訳かい!なら,もちょっと大人しい漢字にしたれよ。
 とにかく,この心霊スポット通りの[金雇]記酒家に入ったんである。
皮蛋2つ 15HK$=7.5HK$×2【→File03漢方茶その他参照】
 6個のパック45HK$を買え!と促されたけど…有名店が美味いとは限らない香港。まずは味見だよ,ふっ。
 円卓で豪華な食事中の皆様方のすぐ横で,憐れみの眼を受けつつピータン2つを手に逃げ出したわしでした。
 てことで…屋台で10HK$のミルクティー飲みながらこいつ書いてます。【→File06[女乃]茶参照】
 結局,飲み食いをし続けてるだけに見えるかもしれないが,だってこのミルクティーが旨いんだコレが!!いわゆる別腹という奴ですか?
 まるで論理がぶっ飛んでる気がするが,まあ旨かったからいい。いーんである!

▲旺角の夜の市場 スイカの屋台の店頭にて

 旺角に帰ると夜になったので,スイーツを食いに黒布街へ。
 石磨丸[舌甘]品屋。
合桃糊+芝麻糊(凍)18HK$
【→File05香港スイーツ参照】
 旺角の駅から北側,旺角道近辺の夜の市場はいい。時間を忘れて徘徊してしまった。
 ふと気づけば,あらら?パンを買ってしまってるじゃないか。
 東海堂,英語名:AROME,日本語名:アロームの芝士漢[保/土](6.5HK$)。
 日本語名:「伊藤屋の」,英語名:Freash Cheese Cakeの鶏尾飽(3.5HK$)と紙包蛋[米ソ/王/心](4.5HK$)。
【→File01パン参照】
 3個も買ってるじゃないか。いかんいかん。しかし買ってしまったものは仕方がない。ピータンをおかずに宿で頂く。デザートは九龍城の潮州菓子。
 このように充実した時間を過ごせた香港3日目でした。
 食い倒れてただけに見えるかもしれないが,それは私の文章力のなさによるものだと本人も深く反省しており,さらに一層精進して参る所存ですので今後ともお引き立ての程宜しくお願いいたします。

▲旺角の夜の市場を俯瞰