Range(銅鑼湾・観塘).Activate Category:香港九次 Phaze:金龍

炮台山:木星太陽化計画

▲1512炮台山の電停付近

鑼湾からトラムに乗り換えて北角方向へ。
 高士威道。風が少し寒い。
ここにバスケットボールコートあったっけ?
 1508,木星街。この英訳にJupiter streetと書いてあるのが何となく香港っぽい。
 1509,炮台山下車。

▲1523炮台山の高み付近を見る

でこれまで見逃してたのか。
 ここの曲がり角はなかなかいい。高低差もある。
 それに何だ?この丸屋根の洋館は!──と思った建物が目指す璇宮大厦 Empire Apartmentでした。花靴にまだこだわってまして…大厦一階にようやく見つけた英皇拖鞋公司は閉まってた。あーあ。

▲1514路地裏へ

厦の北から出て少し路地をうろつく。
 やはり好い!軍事基地だった時代の何らかの名残なんでしょうけど…この非常にさりげない寂れ感は香港島にもなかなかないような気がする。

観塘:コパルトブルーにはテレるぞ

▲1724観塘,牛頭角道

角駅,1547。将軍澳線で2駅,海を渡って油塘乗換で九龍塘線で2駅,観塘へ。
 やはり一番気に入ってる物華街を歩くと,この時間に既に満員の冰室を見つけて覗きこんでたら…店員のお姉さんに引きずり込まれた。
1654金龍冰室
是日午餐G咖哩牛腩配3.6炒蛋500
 奶茶が辛く渋い。旨い,というよりオリジナリティにハッとしつつ──店を観察する。
 青を基調にした内装。コンパートメントに分かれた座席もコバルトブルー。外から見るより…不覚にも可愛い店でした。
 セットメニュー6つの一つでしたけど,その最後の2つは──    
E 五宝飯(鶏翼,餐肉,腸,火腿,蚤)
F インヤン扒(猪扒+鶏扒)
 つまり,内容はともかくメニューも工夫してる。
 さて皿が来たけど…これまた可愛い。香港でサラダなんか付けられると,テレるぞ。

▲1701観塘の可愛いカレー


 空間の可愛いさとのギャップに,可愛ゆい深皿からカレーを一口頬張るや襲われる。
 旨いぞ!これは最初に食べた牛腩に似てる。中華の牛腩の旨さそのままにカレーにしてある。カレーもグローブを入れきちんと調理してるみたい。
 味覚に隙がない。いいぞ。
 牛腩を食べ終えた後,小さい碗にライスを投入。小麦粉は感じないのに適度にドロリとしてスパイスが強い。マレーでも英国風でもインドでもない,ここんとここだわってる香港カレー,まさにその味覚です。

▲1728バス停前に建設中の建築物

民坊というのがここのバス停ロータリーの名称でした。
 このロータリー中央,えらく長いこと工事してました。これがかなり出来上がってきた。ようやく建物の姿になり,25階以上までは完成してます。
 これが出来ると,マンション街の印象がより強まるでしょう。でも北裏手には市場があり,周辺にはかつてのガジュマルが遺される。香港のベッドタウンの一つに過ぎないここに,これからも通い続けそうです。
 1731,三度目だろうか?バス停から1A路,尖沙咀行きに乗る。

太子道:創立150年!

▲1738家庭菜園?

園?

外に共同菜園のような場所。1738。
 有閑マダムがお喋りしながら草取り,という風情でなく,思いっきり鍬をふるってたりと本格的に農業してる印象でした。
 采顧花園前とメモってるけど,この語ではヒットがない。でもこの「花園」とリアルな農園との取り合わせが印象深かった。(→巻末小レポ参照)

龍城。1742。
 1745,伯爵街。ここもいつも驚く地名。──で済まさず今回調べてみたら,ヒットがない!「太子」の謂われはあれだけ氾濫してるのに,この伯爵って誰よ?
 1748。抜萃男書院…って何じゃそりゃ?バッスイ・ボーイズスクールと英語アナウンス──とメモってるので,伯爵の鬱憤を晴らそうと調べる。香港一古くて有名な進学校らしいけど,そんなことよりバッスイって何?──と調べまくるとどうやら「Diocesan」の辛い音訳らしい。教区という意味で,創早期に苦しかった時に教会有化された際の元名からだって。何じゃそりゃ!話が浅いぞ!
※ FANDOM/伯爵街
「伯爵街(Earl Street),位於九龍城區九龍城西部…」
※ wiki/抜萃男書院
「1869年に設立され、香港で最も古い歴史を誇る学校の一つで、知名度の高い学校である。[1] 香港中学文憑(DSE)、国際バカロレア(IB) などの大学入学資格試験の合格者、成績優秀者(状元)を多数出す名門校」
「第二次アヘン戦争による反英感情の高まりから、現地の住民は自分の娘に英語を習わせたくなかったのだ。学校は一旦閉鎖され、『ディオセサン女子学校』(Diocesan Female School)として再開した」

太子:止められるか,チャドルたちを?

▲1752太子バス停横の公園をチャドルが占拠!

子站…がもうすぐなのに,ラッシュにしばらく捕まる。隣のバスの「大阪城」表示が窓を掠める。
 1750。下車した所は…ここ,宿の目の前50mやがな!…疲れはしてたんだけど,かえって部屋に直行しにくい気分になった。
 馳名臭豆腐の店がさらに大行列。通りかかったマレーらしきチャドルの女が本気でオエッとしてる。まあ分からんでもない。
 チャドルと言えば,ミニホテルの坂もだったけど,この太子の駅前にもチャドルの集落が出来てる。中環みたいな「見かける」という程度じゃなく,完全に集落化してる。これ…そのまま放っておくんだろか?中国だったら即退去だけど…あ,中国かここ。

生水族」という店名はどうしたものか。熱帯魚売りの店の一つなんだけど…なぜ「生」なんだ?→激写画像
 それはともかく!ああっ!車厘哥夫はやっぱり開いてない!
 奇趣餅家も「初十啓市」。夜スイーツを求めて歩いてると──

通菜街:ガラパゴス化するジャンポール

▲長洲餅

900長州糯米糍
芝士,紅豆,花生450
 チーズ,小豆はまさに日本の餅。ただきめ細かい水餅で,日本のでもなめらかな餅は珍しいかも。これに花生が入ると,しかし完全に日本にない代物になります。ピーナッツはクラッシュしたものに,どうも不思議な中華スパイスが混ぜこんであるらしい。潮州菓子を思わせる。──でも長州って中国だとどこ?(→真相:巻末小レポ)

▲ウェハースのお菓子

菜街にハマりました。なので次章で特集してしまいます。
 ここを一通り歩いてるうち,外売が大がかりな茶餐庁を見かけました。──下記の食べログ記事の通り,カフェとしても名は売れてるみたい。
1910康年餐庁
掌破崙
鶏尾包400
 鶏尾は不思議なバランス。ココナッツも臭いパン香もやや薄いけれど,クリームパンでもない。どうも独自の発展を遂げてる面白さがある。
 問題は「掌破崙」。何と読むのか分からん。北京語だとピンインはzhang3po4lun2──ジャンポールだろうか?
 けど造りはウェハース。ただし,口にすると胡桃の粒が混ざったパイ生地がこれまた未知の味わいを見せる。ジャンポールの何かを作ろうとしたんだろうか?
 結構売れてる。長洲餅もだけど,こんな感じで香港にしかない食品が生み出されていくのでしょう。この2品,そういう創成の現場を見るようで,変な神秘性を持って味わったのでした。
※ 食べログ/Hong Lin Restaurant(康年餐廳)

■小レポ:香港で家庭菜園が拡大中

 とうとう,これが現地語で何と呼ばれてるか分からず仕舞です。ひょっとしたらまだ名称もないほど,微妙な動きなのかもしれません。
 香港での「家庭菜園」拡大は,商業ベースに乗りつつあるほど本格化し初めてます。
 文面に出てきてるその背景は2つ。
①自給率3%,ほとんどを大陸からの輸入に頼る野菜は,当然鮮度が低い。それを香港人の味覚が許さなくなってきた。
②大陸中国の農業産品の危険さが認識され始めた。
③都市生活のストレスからの精神安定剤として,余暇活動としての農業が選ばれつつある。
 でもこれらはもう何十年も続いてる環境です。なぜ今?という点の答えとしては,やや弱い。
「2008年の123軒から2012年には193軒に増」という下記データに依拠するなら5年で1.5倍。これは20年で5倍ペースです。
 華僑全体の動きでもない。シンガポールでの動静も調べてみたけれど,下記のように(おそら香港の事例に基づいた)官主導プロジェクトで,香港とは手触りが異なる。
 香港人は「土に還る」あるいは「再び大地を求めつつある」,ということはどうやら言っても大外れではないらしい。
 通常問題にすべきは,それが何故かだけれど──ここでは安直な説明要因を見つけず,香港人の心性が独自に発酵し,何かの舵を切ろうとしてる,という集団無意識の変容のようなものそのものを重視したいと思う。
 この動静を調べてみて,とりあえずワシが感じたのは,香港人の心性って世界に類を見ないほど健全なんだな,という感触だったのでした。
※ signpost/香港の屋上菜園 幸せの収穫量は食物以上
「食物を生産することよりも幸福感を得ることを目的とした屋上菜園だ。」
「ルーフトップ・リパブリックは創業3年のスタートアップ企業だ。創設陣はオーガニック食品への関心を高めており、建物が密集し、家賃が高い香港で、屋上の使っていないスペースを有効活用している。」
「香港には、郊外には田舎があるものの、農地は700ヘクタール(1,730エーカー)しかなく、農業が経済産出量に占める割合は0.1%程度だ。ルーフトップ・リパブリックの創設陣によると、持続可能性のより高いライフスタイルを求め、食品の生産元を気にかけている香港の住民の間で、同社のサービスへの需要が高まっている。」
「香港は食品のほぼすべてを輸入に頼っており、その大半を中国本土から調達している。旧イギリス植民地である香港では、中国本土で数えきれないほどの食品汚染が発覚した後、食品の安全に対する市民の意識が高まった。」
「ルーフトップ・リパブリックは創設以降、平均して1ヵ月に1ヶ所のペースで屋上菜園を設置し、現在は中国本土の1ヶ所を含む36カ所、30,000平方フィート(約2,800平方メートル)超に及ぶ屋上菜園を管理している。」
「香港大学で建築学を専門としているマシュー・プライヤー教授によると(略)教授が数えただけでも60カ所の屋上菜園が存在し(略)約1,500人が屋上菜園に参加し、合計約1.5ヘクタールの敷地を開拓していることがわかった。同氏の考えでは、菜園に適した屋上は600ヘクタールにのぼり、参加者はすぐにも50,000人に達する可能性がある。」
※ APP/屋上菜園、スペース不足の香港で流行
「屋上菜園に許可は要らないため公式の統計はないが、多くの人が話題にするようになっている。また有機野菜の人気上昇については統計がある。香港特別行政区政府が奨励する有機農業に参加する菜園は2008年の123軒から2012年には193軒に増えている。」「香港の野菜の自給率はわずか3%」
シンガポール、住民参加型のコミュニティー・ガーデンが新たにオープン

■小レポ:長洲餅の無軌道な人気爆発

 こちらは無茶苦茶にヒットします。何の意味があるのか知らんけど動画も凄い数ある。
 あるんだけど,「で?それは何?」…という疑問に全く答えてくれまへん。
 とにかくここ数年から3年ほどの間に拡大したものらしい。「長州」というのはもちろん山口県じゃなくて,長洲,つまり以前伺った香港の離島でした。──現在,長洲島にはものすごい数の「長洲餅」店があるとレポされてるけど,以前の訪問時にはそんなん見たこともない。明らかに逆輸入。
 中国によくある「北海道○○」類似の呼称──とするのが妥当でしょう。
 ただ長州糯米「糍」です。この漢字一字は,おそらく中国南部全域に住んでた現・少数民族の食文化遺産。もし本当に長洲島にそれが残っていたのなら──イギリスの租借まで最辺境だったこの地に,「生きた食文化」として残存したものを,流入した漢民族が「糍」と改めて名付け直した。そういう仮説も成り立ちます。
 が,実証材料はありません。──実食の感想としても,「長洲」の外面は水餅としか思えず,人気なのは長洲糍というより「芒果糍」で具のマンゴーの見た目の鮮やかさと味覚の方に話題が集まってる。発祥はともかく,流行の品としては無国籍の代物になってしまってるようです。
参考:→油煳干青∈6貴陽&長沙:長沙入り4∋糟酸麻蒜/■小レポ:「粑粑」再考

※ youtube/【飲食男女】區區有…長洲糯米糍,邊間最好食?
※ 新暇期/長洲限量 芒果糯米糍 市區最強3大店比併
「最近市面出現了很多間賣大粒 芒果糯米糍 的「長洲糯米糍」店,位置遍及旺角、油麻地、九龍灣等市區熱點」
※ 大仁生活/【長洲名物】芒果糯米糍大比併
「其實長洲而家有成十幾間做緊」
※ 蘋果日報/糯人尋味【長洲糯米糍風雲】
「豈料去年起,忽爾爆出長洲芒果糯米糍熱潮,薄薄的糯米皮包着大塊芒果肉,紅到衝出小島,隨即席捲港九新界,人人各出其謀,互相對撼,掀起風雲。」

HK9 総合目次
2-08 11香港入り
2-09 21名都花園→22崇謙堂→23老围→24栄園:銅鑼湾~湾仔
2-10 31元朗西邉村→32元朗山貝村→33Re赤柱→34金龍:銅鑼湾~観塘
(間奏)35通菜街の夜 36広告
2-11 41瑞記・鳳城・生龍→42皇都戲院:銅鑼湾・北角→43煙廠街:旺角・深水埗
2-12 51最終日

「Range(銅鑼湾・観塘).Activate Category:香港九次 Phaze:金龍」への1件のフィードバック

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