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集中力でしょうか?最終日の半日は意外と豊作でして… |
支出1500/収入1790
負債 290/
[前日累計]
/負債 0
§
→二月十二日(二)
0646蓮香楼
ポーレイ
排骨と腊肉の釜飯
くたくたゴーヤの肉餅 370
0756稲香
ソーメイ
蠣味痩肉粥
香麻叉焼餐包370
0902(通菜街)康年餐庁
醒晨早餐A羅宋湯縲絲粉
(奶茶,腸仔煎蛋)370
2030大栄華 桃酥200
ミセスフィールドクッキー200
[前日日計]
支出1500/収入1510
利益 10/
[前日累計]
利益 10/
§
→二月十三日(三)
目録
防御一辺倒のシステムではない
帰国のフライトは,今回やや早い。1250です。
2時間前の1050を空港入りの目安とすると,10時半にはエクスプレスに乗ってるべき。香港地下鉄の始発6時からでも4時間半しかない。
けれどこの最終日は,この間に3食も食ってます。我ながらある意味偉業です。まずは──やはりあの店の飲茶を口にしておきたい!
▲角の丸い建物。香港で時々見かけるけどどういう建築なんだろう?
6時17分に地下鉄に乗り込んでます。
太子駅から中環へ。
香港の冬の6時はまだ真夜中の暗さ。でも車内は既に立ち席が出てる。
という状況で考えてたのは──金盾は香港のネットをどこまでカバーしてるか?
意図として考えると,そもそも治安目的なんだから香港はまさにカバーの対象。外来物件の多さだけ考えても,重点的な監視スポットでしょう。
技術的に考えるなら,大陸でのような排除,アクセスを出来なくする,ということはできまい。けれど,だからこそ監視は強化されてる可能性は高い。
なぜなら金盾は,防御一辺倒のシステムではないだろうから──。
0633,上環まで動いて久しぶりのE2出口から出る。でもって足が向かうは──
第一食:米の芯まで腊肉
0646蓮香楼
ポーレイ
排骨と腊肉の釜飯
くたくたゴーヤの肉餅 370
またここへ来た。もう自分的には飲茶の学校と言っていい場所です。
何度目かのこちらの釜飯ですけど,ここの排骨は骨まで食べれる。蒸す前の下ごしらえが丹念なんだろうか。
だけど肉も結構生々しい。煮込みすぎて肉汁がすかすかの状態ではないから…ならばどうやってるんだろう?
腊肉の塩気が碗一杯に染み渡ってる。米の芯まで腊肉のシブい旨味が行き切ってるんである。
ゴーヤは,実は最初何だか分からなかったほどのくたくたな歯触りでした。
肉餅が変な柑橘系の香りと苦味を纏ってる。深くて淡い肉餅の汁,そしてこの柑橘とゴーヤの浅く高音質な香,これらが口中に行き交う。
至福の美景でした。
スタンレー通りに茶室は残ったか?
中環駅へと歩を進める。
ええっ!陸羽茶室の通り,士丹利街 Stanley St.は大工事中!
まっ。まさか??
陸羽は,もちろん最高の飲茶を出すのは鉄板なんだけど,地元のおじいちゃんたちの聖域のような気配があって,安易には立ち寄らないようにしてきてました。
まさか,そのまま移転?もしくは廃業なのか?
と戦きつつ近寄ると──
流石に,香港でここを無くすという発想はあり得ないらしい。
両隣とも新しいビルになるみたいですけど,陸羽大厦だけは手付かずで灯が点ってます。
まあ,そういう目で見ると,陸羽の外面もかなり補修してあるし,3階以上の階はアパートになっててぎっしり入居もしてる風情。──建築法上ギリギリなんじゃないだろか?
第二食:香港の冬は蠣粥に決まっとる
0739,中環から佐敦まで動く。
尖沙咀のアナウンス。そういえば…今回もとうとう尖沙咀には降りなかったことになる。宿にしない限り,もうここにはなあ。
でもって飲茶,二店目はここ!
0756稲香(超級漁港 (佐敦))
ソーメイ茶
蠣味痩肉粥
香麻叉焼餐包370
粥はむしろ驚いた。
──薄い!
やはり蠣ハムです。三日間続けてこの粥を食したことになるけど,香港の冬には定番…なのかどうかは自信がないけど,確かに冬っぽいからそういうことにしておこうかね。
香港の冬は蠣粥である。決まっとるじゃないか!
それはさておき,ここのは蠣の出汁が拡散してない。端正に,粥の上皮に香りを残してる,という感じです。この淡い蠣の使い方がいかにも広東で──
失敗作と安売りロールパン
という見方でこれまでは満足してた。だけど…香港の味覚では,そこんとこはやはり出汁をカットすべきではないだろうか?
つまり,香港的な味使いとしては,蠣という強い食材の扱いにやや失敗してる,とも取れるわけです。
これは誉め言葉です。香港人内でも賛否が別れる稲香の味は,香港のヌーボーとも言えます。つまりこういう「失敗作」こそが稲香の本領。
だから美味かった。ワシはね。
その後だったこともあってか,このチャーシュー包にもびっくりしました。
こりゃ…ロールパンやがな!しかも日本のスーパーで捨て値で売ってるあいつらに近いぞ!
軽く手に取ろうとするとヌルリ。外側に蜂蜜の薄いのかシロップみたいなのがかかってる。
シロップ?どうも技巧は凝らしてあるっぽいけど…でも所詮はロールパンやん。
それでも万一に備え(?)箸でつかんで半分を口に。
──何故じゃ!旨いぞ!
言い張っておくけど確かにロールパンなんである。なんだけど,半分ほどまでチャーシューの煮汁が染みてる。どうやら,そこで煮汁が止まってるのも計算らしい。
ある意味,鶏皮包と似た仕組みです。ただのロールパン部分と煮汁染み染み層,そのコントラストが素晴らしいんである。
チャーシューそのものがまた,トロトロに蕩けてる。本体の歯応えをまるで感じない。
中華の包子皮の代わりにロールパンを使った,なんてもんじゃない。それどころかロールパンなればこそのコントロールをきっちりしてあるわけです。
これ…街中のパン屋のチャーシュー包も,ワシ,食い逃してきたのがあるのかも。これだけ香港通いしながら忸怩たる思いです。
第三食:肉と野菜のゴロつきスープ
0843。離脱リミットまであと100分。
佐敦から太子までMRTで帰りながら…どうせ日本まで飯はない。と思うと,腹はくちてきてたけどどうしても,一昨日も昨日も気になってたあの界隈に寄りたくなってきて──
そう,通菜街です。
少し北に民華という同じような店も見つけた。けど,着くまでに,もう完全にここに決めてしまってました。
0902(通菜街)康年餐庁
醒晨早餐A羅宋湯縲絲粉
(奶茶,腸仔煎蛋)370
おお?何のこっちゃ?奶茶以外,意味が全く分からんものを頼んでしまったぞ?
来た。
おおっ!おおおお!
好みのど真ん中です,まず個人的に!
どデカいコップになみなみと入ってるのは──やはり分類上はミネストローネか?でも…野菜スープかと言うと,ちょっと…いやかなり違和感あるぞ?牛肉,おそらくスネ肉がゴロッと入ってる。底には香港名物マカロニも沈んでるし…。
メニューの名前を見直す。「羅宋湯」…あ?ルソン・スープ?
ルソンスープなら,以前感激した記憶があるぞ?その進化版,というかマカロニ(縲絲)スープとの合体版…というモノなのか?
もちろん野菜も入ってる。入ってるどころか肉以上。ニンジンとセロリがこれでもかとゴロゴロッと入湯してる。
だからかなり食べごたえある。栄養的にもいいはずです。出汁も牛肉に加え野菜からもしっかり出てる。
これ…朝飯としては最高です。
何料理なのかよく分からんのが引っ掛かるんだけど──やはりポルトガル,つまりマカオルートのモノか?
0954,荷物を担ぎ,太子駅から南へ。三食もしたのにほぼ時間通りです。まあ,こんな時もあってよかろう。
神の膏通り菜充つる六つ子かな
1012,エアポートエクスプレスのエレベーターを降りる。1014,乗車。
向かう北の国の気温に備え,ジャンバーとトレーナーを手提げカバンに詰めて用意する。
墓だらけな丘はやはり青衣から海を渡ってすぐの地点。だけど周囲は,どうもあまり面白そうにない。
ゲートナンバーは教えない
1038,スケキヨ入江を過ぎた辺り,どうしたことか鮮やかに晴れてきた天を恨めしく見上げる。その下に拡がる山塊。地図で確認してみると,荃湾から元朗までの半島部にある山並みは大欖郊野公園 Tai Lam Country Parkという一帯。相当に高い山が二峰見える。川龍村はこの南鞍部。
この次の香港歩きでは,この山塊の北がターゲットになりました。でもそれは次回の講釈。
1056,T2のPチェックインカウンターの行列に並ぶ。「山地公園省 多彩貴州風」という広告がここにもあって,やっぱ貴州は香港にえらく攻勢をかけてるみたいです。
とか平和に終わる香港旅行かとしみじみしてましたら──
げっっ!GATEナンバーなし??
いくら格安とはいえ,このばかでかい空港で…怖~!
1138,つまり70分前にやっと出ました──ゲート211。
よかったよかった…じゃなくて!それはどこじゃ?!
空港マップをまじまじ見て察せられたのは──空港内列車を乗り継いで1駅目の「40-80」じゃなくて2駅目の「201-230」まで行けばいいらしい。
じゃあT2(ターミナル2)というのは?手続きだけかと思えば,イミグレはあってしかも(ここだけの話)かなり楽勝でした。確か来る時はこっちに降りてT1へ回った。どういう機能の分担なのよ?
何とかG211看板を目に収めたところでスタバを見つけたんで,香港最後のエスプレッソとする。八達通を出すと「ノーマネー」と言われてしまった。チャージ額が足りない?──移動も買い物もこれ一枚だからなあ。このスタイルは金を使う抵抗感が薄くなって困る。
外縁こそプロト香港だった
星巴克(スタバ)の紙コップを持って喫煙所へ。ほお。いい眺めやな。滑走路が一望じゃあ。
この空港,まだまだ拡張中らしい。どこまで大きくなるんだろう。ニュースで春節に香港に来た大陸からの客が…と言ってたけど。
今回は,夜歩く気にならないほど昼間に動いて,疲れ果ててた。手持ちの文庫本もほとんど進んでない。写真も全く整理できてない。
今数えたら…180枚か…。
しかし──日本地図を日本海を下にして見たら,というような逆転を,今回は舐めました。観光地・香港,中環や尖沙咀からすると外縁たる元朗や粉嶺のベルトが,実は先(プロト)香港なのだ,という認識は衝撃的でした。香港は新しいだけに,その数百年の層をまだ明瞭に留めてる。大陸中国とはそこが違う。古すぎて誰も何も分からない,というものの率が低い。
以前より香港の立体的──時空間という意味では四次元的な映像が浮かんできたような手応え。なかなかいい手触りでした。
次で,とうとう第十次になります。螺旋形の,少しずつ新しい風景が拓けるという繰り返しですけど,それでもまだ拓け続けてる。香港の底はまだまだ怖い深みです。
※ 本編に挟んだ付箋画像は,次編十次香港の付箋の章の,まあ先行配信です。
I am a student of BAK College. The recent paper competition gave me a lot of headaches, and I checked a lot of information. Finally, after reading your article, it suddenly dawned on me that I can still have such an idea. grateful. But I still have some questions, hope you can help me.